日本人プロボディビルダーの第一人者,一線を退く.山岸秀匡選手引退

山岸秀匡 引退

残念なニュースが入ってきました.

日本人のIFBBプロボディビルダーの先駆者として活躍してきた山岸秀匡選手が現役を引退するというニュースです.

今回は,この情報を皆さんとシェアしたいと思います.

山岸秀匡選手とは

山岸秀匡選手は,1973年,日本生まれのプロボディビルダーです.身長は168 cm,体重は約220lbs (99.8kg)と言われています (これは,コンテスト時ではありません.).

山岸秀匡選手は,大学生時代からボディビルディングを始め,1995年,1996年の全日本学生ボディビル選手権で優勝していました.その後,社会人になり,2001年,2002年の全日本選手権でそれぞれ,2位,3位になりました (2001年の優勝者は田代誠選手,2002年は優勝は田代選手,2位は合戸孝二選手だったようですね.).

山岸秀匡選手は,2003年にプロ転向を果たしますが,そこからはかなり苦労したことが伺えます.転期となったのが,IFBBサンフランシスコ・サクラメント 2007であり,このコンテストで3位に入賞し,日本人として初めてオリンピア 2007に出場し,13位となります (オリンピア 2007に出場したということは,Jay Cutler,Ronnie Colemanとともにステージに立っているということであり,このことから,山岸選手がとんでもない選手であることがわかります.).

(これは,Holland Grand Prix 2006のものになりますが,レジェンド2人と同じステージに立っていること自体がすごいです)

その後,アーノルドクラシック 2007には日本人選手として初めて出場し,オリンピアは2007,2009-2016,2019,2020と10回出場し,オリンピア 2015では3位に入賞します.

また,アーノルドクラシック 2016では優勝を果たしています.

以上の戦績から分かる通り,山岸選手は,IFBBプロの中でもトップレベルの実力を持った選手でした.

山岸秀匡選手引退の情報

山岸秀匡選手引退の情報ですが,以下の動画になります.

動画の作成元は,Muscle and Fitnessになります.

今回の動画は,49:06の長さになります.

山岸選手の引退の情報が触れられているのは,6:30-になります.

山岸秀匡選手引退を受けて

今回の動画にて,山岸秀匡選手は自身の引退について,以下のように述べています.

I’m officially retired, I’ve done everything I wanted. I did the 2020 Olympia, and during the prep, I knew it would be my last show. I was happy I did it, but I knew I didn’t belong there physique-wise.

私は正式に引退を宣言します.やりたいことは全部やりました.2020年のオリンピアに出場しましたが,準備期間中,これが最後のショーになると思っていました.オリンピアに出場することができて非常にうれしかった反面,私の体格的な側面を考えると,そこにいるべきではないと感じていました.

今回の発言を聞いて,「やっぱりか」と感じてしまいました.

オリンピア 2020の準備に向けて,山岸秀匡選手は自身のyoutubeチャンネルを積極的に更新し,優勝宣言をするくらい調子が良かったと感じていたのですが,結果的には,14位に終わり,ファイナルでのフリーポージングを行うことができませんでした.プレジャッジの段階でトップ選手と比較審査が中々されず,「過去最高」と感じていた中でのプレジャッジの採点に非常に落胆していたのを今でも覚えています.

これは,あくまでも個人的な見解ですが,アーノルドクラシック 2016で優勝した後,オリンピア 2016ではまさかの6位に終わり,このときくらいから,山岸選手の中での仕上がりとジャッジの判断の間に乖離があるように感じていました.

オリンピア 2020終了後に,「もういつやめても構わない」と言いつつ,「悔いは残したくない」ということも述べていので,個人的には,あともう一回オリンピアに挑戦するのかなと考えていました.最近では,オリンピア 2021で渡米した湯浅幸大選手の面倒をみたり,自身のyoutubeチャンネルで弟子をとるなどの企画を実施しており,コンテストに出場するというよりは後進の指導を行うことに注力していることに専念しており,もしかすると,そちらの方に情熱を感じられたこともあり,今回,正式に引退を宣言したのかもしれません.

終わりに…

山岸秀匡選手は,48歳で引退を行うということになるので,比較的,年を取った選手の方が有利とされているボディビルディングの競技でもかなりの年齢まで現役を続けていたということが言え,やはりとんでもない選手だっと思います.

何はともあれ,山岸秀匡選手,現役生活お疲れ様でした.

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