オリンピアにおいて,男子ではその最多優勝記録についてリーヘイニーとロニーコールマンが8度でタイ記録として並んでいます (女子を含めると,アイリスカイルの10度が最多になります.).
ここで,恐らく,多くの人が疑問に思ったことがあるかもしれませんが,「果たして,リーヘイニーとロニーコールマンはどちらが優れているか」ということです.
多くの人は,90年代後半から2000年代初頭がボディビルディングの黄金期であったということからロニーコールマンを挙げそうですが,実際はどうなのでしょうか.
今回は,この疑問に対して,リーヘイニーと同じく80年代に活躍したリッチギャスパリがその疑問に答えている動画を見つけたため,皆さんとシェアしたいと思います!
リッチギャスパリとは
リッチギャスパリとは,1963年,アメリカ生まれのプロボディビルダーであり,身長は172.5 cm,体重は111-115 kgだった様です.
彼は,リーヘイニーと同じく1980年代に活躍した選手であり,リーヘイニーのトレーニングパートナーでもあったことで有名です.彼は,リーヘイニーのトレーニングパートナーに留まらず,ボディビルディングの競技でも非常に高い実力を持っていました.事実,1986年から1988年のミスターオリンピアまで,リーヘイニーに次ぐ第2位となっています.ただ,最終的には,トレーニングパートナーであるリーヘイニーの壁を超えることができず,オリンピアで優勝することができませんでした.
彼は,引退後は経営者としても優れた能力を発揮します.彼は,言わずもがな,ギャスパリニュートリションの経営者でもあり,ギャスパリの代表的な選手には日本人初のプロボデイィビルダーである山岸秀匡選手がいらっしゃいますね.
リーヘイニーとロニーコールマンはどちらが優れているか
「リーヘイニーとロニーコールマンはどちらが優れているか」という質問に対するリッチギャスパリの回答は以下になります.
今回の動画で,リッチギャスパリは,「多少のバイアスがかかっているが」と前置きした上で,「”身体”という観点ではロニーコールマンだが,”絶対的王者”という観点ではリーヘイニーである」と回答しています.その理由としては,以下の点を挙げています.
- 非常に若くしてチャンピオンになったこと
- ロニーコールマンは,カムバックに失敗していること
- ドリアンイェーツを容易く退けていること
リーヘイニーは非常に若くしてチャンピオンになったこと
まず,リーヘイニーは非常に若くしてチャンピオンになったことを挙げています.
リーヘイニーは引退時が31歳ですから,若干24歳でミスターオリンピアに輝いたということになります.一方,ロニーコールマンは34歳でミスターオリンピアに輝いたということになります.両者では,活躍している年代が異なるため,競技者のレベルも異なることから単純な比較は難しいですが,20代前半でチャンピオンになるとは凄すぎますね.
24歳という若さにも関わらず,巨大な身体,完璧なシンメトリーを有していたリーヘイニーはやはり圧倒的だったのでしょう.
ロニーコールマンは,カムバックに失敗していること
次に,ロニーコールマンは,カムバックに失敗していることを挙げています.
これは,具体的には2007年ということになるでしょう.この年は,前年敗れたジェイカトラーに挑んだのですが,まさかの4位に終わりました.長いミスターオリンピアの歴史の中でも一度タイトルを失ってカムバックできた選手は2009年のジェイカトラーしかおらず,それはロニーコールマンですら成し遂げられなかったことになります.
一方のリーヘイニーは,8度のオリンピアを制した後,周りからは「まだ余力があるだろう」と思われている中で若干31歳という若さで引退します.この様な引き際で優劣があると感じているのでしょうね (動画でも述べられていますが,リッチギャスパリは8度目のタイトルを獲得した年のロニーコールマンは議論を呼ぶものであったと述べており,そこからも最後も圧倒的に勝って引退したリーヘイニーの方が優れていると考えているのでしょう.).
ドリアンイェーツを容易く退けていること
最後に,リーヘイニーがドリアンイェーツを容易く退けていることを挙げています.
ドリアンイェーツといえば,同じくミスターオリンピアを5度制したレジェンドになりますが,彼は1991年 (リーヘイニーが8連覇目をした年)にリーヘイニーに敗れます.
一方のロニーコールマンは,1994年から1997年までドリアンイェーツに敗れ続けます.1998年に初めてタイトルを勝ち取りますが,その年にはドリアンイェーツは引退しています.
以上を鑑みて,ロニーコールマンよりもリーヘイニーが優れていると考えていますね.
終わりに…
今回のインタビューで非常に印象的だったのが,やはり,「リーヘイニーがボディビルディング界のマイケルジョーダンである」というコメントですね.やはり,リーヘイニーが非常に若くして8連覇を成し遂げたことも彼を神格化している要因の一つであると感じました.