ステロイドではない.”バブルガット”の原因について科学的に迫る

現代のボディビルディングにおいて度々問題となるのが,ミッドセクションの問題,すなわち”バブルガット”になります.”バブルガット”はステロイドが原因と多くの人が考えていますが,実は異なる様です.

今回は,バブルガットの形成について科学的に解説されたインタビュー動画を見つけたため皆さんとシェアしたいと思います!

バブルガットとは

そもそもバブルガットとは,お腹が以上に出た状態を指します.

そのお腹の出方も一般的に肥満と言われている人のそれとは異なり,腹筋があるものの不自然にお腹が出ている状態を指します (具体的には,今回の記事のアイキャッチ画像,もしくは以下で紹介する動画のサムネイルが分かりやすいです.).

基本的にはフロントポーズをとった際には,お腹に力が入っているため分からないのですが,バックポーズをとっている際にはお腹の力を抜いているため,かなり目立ちます.バックポーズをとっている際には,フロントは見えないため本来ならば気にならないはずなのですが,カメラワークなどでバックポーズをとっている際に微妙に斜めからフロントの状態が映るとそれが顕著に見られ,問題視されます.

現役の選手では,特に,ローリーウィンクラー,フィルヒース,カイグリーンがバブルガットで批判を浴びることが多いですよね.

バブルガットはどの様に形成されるか

「バブルガットはどの様に形成されるか」ということを解説した動画ですが以下になります.

かくある私も,バブルガットの原因はアナボリックステロイドの多量摂取により内臓肥大と考えていたのですが,実際は異なり,主にインスリンが原因の様です.

インスリンは,そもそも血糖値を調整する役割を持っており,食事をしたときなどに急激に血糖値が上昇するのを防ぐ役割があるのですが,インスリン自体がホルモンを活性化させて筋肉増強作用があるため,特に海外では多くの選手によって摂取されています.インスリンが体内で分泌される成分であることから,「摂取してもドーピングの検査で引っかかりにくい」という点からも多くの選手が利用する要因となっています.

インスリンがバブルガットに与える影響

インスリンがバブルガットに与える影響について,前述したインスリンの効果に対して.脂肪を蓄える効果があるためであると主張しています.

すなわち,脂肪分が多い様な食事を摂取した場合において,インスリンを摂取していると脂肪を余計に蓄える効果があることから.これにより腹腔内で内臓脂肪として蓄積されることになります.恐ろしいことに,今回のインタビューで述べられていることは,これは筋肉の有無にかかわらず全ての人で起こる現象であるということであり,すなわり,例え6パックがあったとしてもインスリンの摂取により,脂肪を余計に蓄えるということは避けられないことの様です.

また,インスリンとレッグプレス,スクワットの様な腹圧を上げる動作もしくはかなりの量の食事の併用がバブルガットに大きな影響を与える様です.ボディビルダーと腹圧を大きく使う高重量のトレーニングと大量の食事は切っても切れない関係にありますから,インスリンを併用してしまっていることで,バブルガットの形成が促されてしまうという悪循環が発生しているのでしょう.

ただ,バブルガットの形成は”可逆”である

ただし,以上で形成されたバブルガットですが,実はその形成は可逆過程であり体重を減らせばバブルガットを小さくする,もしくはなくすことが可能です.

今回のインタビューでは,バブルガットを減らすためには50lbs ( = 約22.6 kg)のダイエットが必要であると述べられており,実際に,プロの選手を見ても現役を引退して体重が減る ( = 筋肉が減る)ことでバブルガットが目立たなくなるという選手も多くいます.ただこれを考えると,バブルガットに相当する脂肪量もしくは筋肉量というのは相当な量ですよね….

インスリンの使用は極めて危険

以上で述べてきた通り,バブルガットを形成するというリスクがあるもののインスリンは筋肉増強に効果がありますが,その使用は極めて危険です.

そもそもインスリンは,血糖値を調整するために体内から分泌されるものであり,それを体外から摂取するということは,正常値以上に血糖値を下げる恐れがあり,こうなると,最悪昏睡状態になり死に至ます.あの有名な筋トレyoutuberだったリッチピアーナの死因についてもインスリンの大量摂取が原因とされており,安易に手を出すのは非常に危険としか言いようがありません.

終わりに…

バブルガットについては,長らくステロイドが原因であると考えていたため,今回の解説は非常に参考になりました.やはり,インスリンは筋肉の増強には非常に強力ですが,それに応じた副作用が非常に大きいという印象です.

何はともあれ,インスリンには手を出すべきではないと思います.

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