過去に4度のオリンピアを獲得し,2000年代においては,あのロニーコールマンの最大のライバルと言われたJay Cutler (ジェイカトラー)がクラシックフィジークについて語っている動画を見つけました.
今回は,その動画の内容を皆さんとシェアしたいと思います!
ジェイカトラーが語るクラシックフィジーク
ジェイカトラーが語るクラシックフィジークの動画ですが,以下の動画になります.
動画の作成元は,Generation Ironになります.
今回の動画の構成ですが,前半にジェイカトラー自身が解説するクラシックフィジークの概要,中盤にジェイカトラーのクラシックフィジークに対する見解,後半にクラシックフィジークに転向する選手に対する見解が語られています.
今回,なんといっても興味深いのがジェイカトラーのクラシックフィジークに対する見解だと思います.
ジェイカトラーのクラシックフィジークに対する見解
ジェイカトラーのクラシックフィジークに対する見解ですが,動画のサムネイルにある通り,「面白みを感じない」と評価しています.
この評価を下す前に,ジェイカトラーは,自身がコンテストを主催しており,クラシックフィジークという競技の質は高いと断った上で,以上の様に述べています.
クラシックフィジークとボディビルディングの違い
まず,クラシックフィジークとボディビルディングの違いについて,クラシックフィジークでは身長に対して体重制限が設けられているため,これにより,身体が大きくなりすぎることがないということが述べられています.
そもそも,クラシックフィジークのコンセプト自体が,「細いウエストを持った伝統的なボディビルダーを評価しようとするカテゴリ」ですから,これは当然であり,身長に対して体重が決まっていることで身体の美しさが際立つカテゴリーであるということが述べられています.これに伴い,ボディビルディングとポージングも異なり,ボディビルディングでの筋肉の迫力を魅せるポージングというよりは,身体の美しさを魅せるポージングであると述べられています.
以上のコンセプトにより,クラシックフィジークとボディビルディングの間には,筋密度,サイズで大きな違いがあると言われており,クラシックフィジークは両者においてボディビルディングに劣ることが述べられています (一方で,コンディションについては,両競技でで非常に近いレベルであることが述べられています.).
ジェイカトラーが指摘するのはこの点であり,ジェイカトラーの考えでは,「限界を超えたモンスターどうしの戦いを見たいのに,クラシックフィジークでは体重制限により突出した身体を作り様がないため,面白みがない」と述べています (これに加えて,クラシックフィジークでは,選手間の身長が多種多様であり,どの選手を基準にして審査をしているのかいまだに良くわからないとジェイカトラーは述べていますね.ボディビルディングでは,身長差のハンデをなくすために212 (旧202)lbsクラスが作られた経緯がありますから,身長が違いすぎる選手間の評価を一定基準で行うのは極めて難しいことなのでしょう.).
観客と競技者の間のニーズの差異
これはあくまで,ボディビルディングの競技者だったジェイカトラー自身の意見であるため,クラシックフィジークを専門に行っていた選手だと,また違った意見になりそうですが,アメリカでビッグラミーが大人気である背景を考えると,ジェイカトラーが述べていることもあながち間違いではないのかなと感じてしまいます.
となると,近年のクラシックフィジーク競技の人気の説明がつかないのですが,恐らくこれは今回の動画でも述べられている通り,観客と競技者の間で認識にズレがあるということなんでしょうね.
クラシックフィジークが取って変わることはない
以上の競技者と観客のニーズのズレを考慮して,ジェイカトラーは,近年クラシックフィジークが人気と言ってもボディビルディングにとって変わることはないと断言しています.
クラシックフィジーク,メンズフィジークを総称したフィジーク競技は世界的に非常に人気であり,特にアマチュアでそれが顕著である様です.これにより,過去にジェレミーブエンディアとデキスタージャクソンが口論していた例からも分かる通り,フィジーク競技がボディビルディングを駆逐するという意見が一定数あります.
ただ,今回述べられている競技者と観客の間のニーズのズレというものがあり,これにより,ボディビルディングが主流であることには変わりないと考えているのでしょう.
終わりに…
今回の動画の中で,ジェイカトラー が「モンスターどうしの戦いを見たい」という話をしている中でビッグラミーが出てきます.ビッグラミーについて,ジェイカトラーはロニーコールマンに匹敵する選手と非常に高く評価しているのですが,この動画が公開されたのが2020/08/25とオリンピア 2020以前の話になります.
皆さんも知っての通り,オリンピア 2020においてビッグラミーは優勝することになりますから,やはり,ジェイカトラーの選手を見る目は確かだということができるでしょう.