ブランドンカリーに必要なのは,サイズではなくセパレーション

ブランドンカリー 改善点

ミスターオリンピア 2019のチャンピオンであるBrandon Curry (ブランドンカリー)について度々指摘されるのが,彼のサイズ感ですが,ミスターオリンピアを史上最多タイの8連覇を成し遂げたLee Haney (リーヘイニー)は,むしろセパレーションが重要であることを指摘します.

今回は,リーヘイニーが指摘するブランドンカリーが勝つために必要な要素について皆さんとシェアしたいと思います!

リーヘイニーとは

リーヘイニーは,1959年 アメリカ生まれのボディビルダーであり,身長は180 cm,体重は112-118 kgです.


彼は,80年代初頭から90年代初頭に活躍した伝説的なプロボディビルダーであり,ミスターオリンピアを史上最多タイの8連覇を記録しました.8連覇した当時の年齢が31歳と非常に若く,そこで引退してしまったこともあり,そのまま競技を続けていれば「8連覇以上していたのではないか」と言われています.リーヘイニーが8連覇目を達成したオリンピアでは,同じく伝説的なボディビルダーであるドリアンイェーツが2位であり,翌年は彼が優勝していることから,まさしく,90年代においてジャッジがサイズ重視になる前の最後のチャンピオンであることが言えます.

オリンピアの長い歴史に置いて,チャンピオンのライバルは良く話題になります.例えば,Phil Heath (フィルヒース)とKai Greene (カイグリーン),Ronnie Coleman (ロニーコールマン)とJay Cutler (ジェイカトラー),Arnold Schwarzenegger (アーノルドシュワルツネッガー)とFranco Columbu (フランココロンボ)といった具合です.リーヘイニーの最大のライバルは誰かと言うと,個人的にはリッチギャスパリかなと思うのですが,リーヘイニー自身はどの様に考えていたのでしょうか.

リーヘイニーがブランドンカリーの改善点について指摘した動画

リーヘイニーがブランドンカリーの改善点について指摘した動画は以下です.

動画の作成元は,Muscle and Fitnessです.

今回の動画の長さは1:55:40です.

ブランドンカリーに必要なのはサイズではなく,セパレーション

まず,リーヘイニーは,そもそもビッグラミーとサイズを比較するのが間違いであることを指摘します.

He’s got to be careful he doesn’t get into the size game. Nobody is going to outsize Big Ramy, you can forget that. It’s not going to happen

彼は,サイズゲームにならないように気をつけなければなりません..誰もビッグラミーに勝てるわけがない,そんなことは忘れてください.そんなことはあり得ないんです.

ブランドンカリーの長所である筋肉の形を,ビッグラミーが勝てないのと同様に,ビッグラミーの長所であるサイズにブランドンカリーが勝てるはずがないため,そもそも,「サイズを付ける」という発想が間違っているということを指摘します.

その上で,彼の「長所を活かす」というやり方の方が賢明であると述べており,そのためにはセパレーションをよりはっきりさせることが重要であると指摘しています.

What you have to do, and if the judge’s eyes are on that is create more muscle quality, more muscle separation. If Brandon can do this, and he gotta do it well — that’s the only way you can knock out the champion. You gotta hit them with a sledgehammer. That’s the only way you’re going to dethrone him. But he’s what I see now, as far as within the top two or three.

もし,審査員の目がそれを見ているとしたら,しなければならないことは,より筋肉の質を高め,より筋肉のセパレーションを良くすることです.もし,ブランドンがこれをうまくやることができれば,チャンピオンをノックアウトする唯一の方法です.強烈な力で殴るんです.今のところ,彼は上位2~3人の中に入っていると思います.

リーヘイニーがこのように述べているのは,恐らく,アーノルドクラシック 2022 in コロンバスオハイオでのブランドンカリーの仕上がりが芳しくなかったことも念頭にあると考えられます.彼は,自身の弱点を克服すべく,サイズを付けるようなトレーニングを実施してますが,それが逆効果となっており,むしろ,筋肉のセパレーションをはっきりさせて仕上がりを改善すべきということなのでしょう.

終わりに…

今回のリーヘイニーの助言は,多くの選手に言えることであり,ビッグラミーの得意な土俵では彼に勝つことは難しいということです.それならば,選手個々人の長所を伸ばして彼と戦うべきということなのでしょう.

関連記事