心臓,血圧の問題と高重量トレーニングの相関関係は?

ナチュラルのボディビルダーとして,世界的に非常に有名なMike O’Hearn (マイクオハーン)は,ドラッグを使っていないことから,非常に健康体であることが知られています.

そんな彼が,ボディビルダーが抱える「心臓の問題」と「血圧の問題」に関して,それが競技由来のものなのか言及している動画を見つけたため,皆さんとシェアしたいと思います.

ボディビルダーの心臓及び血圧の問題に対するマイクオハーンの見解の動画

ボディビルダーの心臓及び血圧の問題に対するマイクオハーンの見解の動画ですが,以下の動画になります.

今回の動画の作成元は,Generation Ironになります.今回の動画では,前半では心臓及び血圧の問題に対するマイクオハーンの見解,後半では,フィットネス業界に影響を与える人についての話になっています.

今回の動画ですが,冒頭にて,インタビュアが心臓専門医から以下の二点を指摘されたということから話が始まっています.

  • 何年も高重量を扱うトレーニングをすると心臓に良くない.心臓は筋肉とは異なり,発達することができない.
  • 高重量を扱うトレーニングは血圧に良くない.現に,多くのボディビルダーが血圧の問題に悩まされている

以上の観点に対して,マイクオハーンが自身の見解を述べています.

ボディビルダーの心臓及び血圧の問題に対するマイクオハーンの見解

以上の問題に対して,自身の例を上げながら,マイクオハーンは両問題ともに高重量を扱うウェイトトレーニングとの相関関係があるとは必ずしも言えないと述べています

心臓の問題

まず,心臓の問題について,マイクオハーン自身の心臓が健康であるということを述べるとともに,彼が別の心臓専門医から「ウェイトリフティングは健康に良い」という旨を聞いたことから彼の解説は始まります.

心臓ですが,心臓も年齢と共にその働きが弱まる様ですが,心臓が弱まったときに問題が生じるのは心臓のポンプ作用 (=血液を送り出す作用)です.この作用についてですが,体重負荷のかかるトレーニングで改善することができると言われており,その点,ウェイトトレーニングは非常に有効であることが述べられています.

また,ウェイトトレーニングが健康に良くないという問題の反例に対して,一部のマラソンランナーを例に挙げています.マラソンは,基本的に健康に良いと言われていますが,「マラソンランナーの中には35-40歳で心不全で亡くなる人もいる」ということを指摘しています.

ただ,ボディビルダーで心不全で亡くなっている人がいるのも事実であり,以上を考えると,トレーニング内容で心臓に問題を抱えるかどうか判断するのは困難であり,むしろ,喫煙習慣や飲酒習慣というトレーニング以外のことで問題があるのではないかということを暗に指摘しています (対象者の生活習慣を同一にすることができないため,この手の比較というのは非常に難しいですよね.).

血圧の問題

次に,血圧の問題に対して,マイクオハーン自身の血圧が正常であるということを述べており,その理由として,彼のトレーニング方法にあると述べています.

マイクオハーンのトレーニングは,基本的には最低限の内容しか実施せず (すなわち,トレーニング時間も短い),有酸素運動もこまめに行い,食事も年間を通してクリーンなものにする様に気を遣っている様です.

その一方で,多くの人は,必要以上のトレーニングのために,ジムで2-3時間のトレーニングを行い,その過程で多くのカロリーを消費していることが述べられています (動画では明言されていませんでしたが,血圧という問題に関しては,消費したカロリーを食事の大量摂取にて補っているというのが問題なのでしょう.).

だからこそ,少ない時間で成長できる様なトレーニングをすべきであるとマイクオハーンは述べており,これに関しては私も完全に同意です.

終わりに…

マイクオハーンですが,彼のトレーニング動画を見たことがある人ならわかるかと思いますが,本当にとんでもない重量を扱ってトレーニングをしており,そんな彼がウェイトリフティングと心臓及び血圧の問題に相関関係が見られない (但し,適切なトレーニング時間,内容を守っていれば)ということを述べていると,非常に説得力があります.

ただ,それでも,実際に心臓発作で亡くなるボディビルダーもしくは元ボディビルダーが多いというのも事実であり,今回のマイクオハーンの解説が事実ならば,ウェイトトレーニングは問題ないということになり,そうなると,やはり疑わしいのはドラッグ関係になります.

例えば,一般的にはステロイドを使用すると内臓の肥大や内臓脂肪が多く蓄積されるということが言われますが,それが心臓発作の原因になっている可能性はありそうですよね.,

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