ジェイカトラーが考える史上最高のミスターオリンピア

「史上最高のミスターオリンピアは誰か」という問いに対して,多くの選手は敬意を持ってArnold Achwarzenegger (アーノルドシュワルツネッガー)と答えます.

今回は,この問いに対して,Jay Cutler (ジェイカトラー)が考える史上最高のミスターオリンピアについて語っている動画を見つけたため,皆さんとシェアしたいと思います!

ジェイカトラーとは

ジェイカトラーは1973年アメリカ生まれのプロボディビルダーです.身長は175 cm,体重は124-140 kgでした.

ジェイカトラーは,1996年のNPCナショナルズ・ヘビー級で優勝することでプロカードを取得しました.当時は,現在と比較してIFBBプロになるのが非常に難しい時代であり,通常,多くの選手が10年以上かけてIFBBプロを目指すところを,彼は23歳で成し遂げました.

プロデビュー戦となった1998 IFBB Night of Championsは11位と成績は奮いませんでした.翌年,なんとかしてオリンピアに出場した彼は14位に終わりますが,そこから,2013年まで2002年と2012年を除いて出場し続け,4度の制覇,6度の2位 (そのうち,4回はロニーコールマンに敗れています)という素晴らしい成績を残しました.

彼を語る上で,避けて通れないのがオリンピア 2009です.彼は,前年にDextor Jacksonに敗れており,一度オリンピアで敗れた選手がもう一度オリンピアに返り咲いた例はなかったことから,「ジェイカトラーの時代は終わった」と当時は考えられていましたが,驚愕の仕上がりでオリンピア 2009を制します.

 

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これがジェイカトラーを語る上で,彼が最高だった年の一つであり,この大腿四頭筋のポージングはあまりにも有名です.

ジェイカトラーが過去のオリンピンについて語った動画

ジェイカトラーが過去のオリンピンについて語った動画ですが,以下になります.

今回の動画は,Jay CutlerのPodcastであるCutler Castです.

今回の動画は48:04と長めの動画になります.

ジェイカトラーが考える史上最高のオリンピアについて

ジェイカトラーが史上最高のオリンピアを語る上で,アーノルドシュワルツネッガー,Dorian Yates (ドリアンイェーツ),Ronnie Coleman (ロニーコールマン)の名前が出てきます.

アーノルドシュワルツネッガーについて

まず,冒頭で述べたアーノルドシュワルツネッガーについては以下のように述べています.

“It’s crazy that when eras get further and further… Arnold (Schwarzenegger) isn’t really spoken about like the greatest bodybuilder of all time anymore. You notice as we get… 20 years ago everyone was like Arnold’s the greatest.”

アーノルド(シュワルツェネッガー)が史上最高のボディビルダーであるかのように語られることはもうないんだ.20年前は誰もがアーノルドが最高だと言っていた.

アーノルドシュワルツネッガーは,7度のオリンピアに輝いており,これは優勝回数ではLee Haney (リーヘイニー)とロニーコールマンに次ぐ回数になっています.

今回,ジェイカトラーはこのように述べていることから,彼も史上最高の選手はアーノルドシュワルツネッガーではないと考えていることがわかります.この理由としては,以下のように述べています.

To win seven (Mr. Olympia titles) you know… I mean the competition I’ve heard at that (time)… Arnold didn’t have to defend his title against anyone. People don’t know that. I would love the historians to chime in on this and tell me how many Olympias Arnold won without a competitor against him.

当時,アーノルドは誰ともタイトルを守る必要がなかったと聞いている.みんなそれを知らないんだ.歴史家の人たちに、アーノルドがライバルなしでいくつのオリンピアを獲得したか教えてもらいたいものだ.

そもそも,アーノルドシュワルツネッガーが活躍していた時代というのは,そもそもボディビルディングの黎明期であり,競技者も現在と比較して大変少なかったと聞いております.また,彼自身,オリンピアで何回か”疑惑の判定”で優勝していることもあり,その影響もあってジェイカトラーは彼についてここまで懐疑的なのでしょう.

ロニーコールマン,ドリアンイェーツについて

今回の動画で,ロニーコールマンとドリアンイェーツには甲乙つけ難い判断をしています.

“Dorian Yates, I would say, he freaked me out more than Ronnie Coleman did… When I saw Dorian Yates and how big his back was and the calves and everything… I remember seeing him and thinking gosh! How can someone get this big, you know.”

“Let’s put it this way. Ronnie had the best back, the best double bicep. I didn’t… He was… Dorian Yates’ was so wide. His lats bro were… there was nothing like it. I couldn’t believe how developed they were. If you compared their lats, Dorian Yates’ lats blew away Ronnie’s in my opinion. Ronnie Coleman had more detail, which is just like Phil Heath did.

ドリアン・イェーツは ロニーコールマンよりも圧倒的でした.ドリアンイェーツの背中やふくらはぎの大きさを見て,どうしたら こんなに大きくなれるんだ と思いました.

こう言い換えましょう.ロニーコールマンは最高の背中と二頭筋を持っていた.ドリアンイェーツは背中の幅が広かった.彼の胸筋は他に類を見ません.信じられんよ 2人の広背筋を比べたら,ロニーコールマンよりドリアンイェーツの方が上だ.ロニーコールマンはもっとディテールがあって、それはフィルヒースと同じくらいだ.

つまり,どちらが優れているのかというのは,「何を見るか」によって異なるということです.

背中で比較すると,やはり,ドリアンイェーツなのでしょう.

 

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ロニーコールマンも背中は素晴らしいですが,広さ,厚さを総合的にみるとドリアンイェーツなのは納得できます.

一方,腕を見るとロニーコールマンです.

 

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彼は自分から腕が強いと自負していましたが,実際に改めてみるととんでもない大きさです (腕に関しては,ドリアンイェーツが上腕二頭筋を切ってしまい,以前のようなサイズ感が戻らなくなったというのは有名な話であるため,それも影響しているかもしれません.).

終わりに…

ジェイカトラーは1996年にプロカードを取得しているため,ドリアンイェーツと同じ舞台で競ったことはないのかもしれませんが,やはり,ほぼ同時期に活躍していたドリアンイェーツの姿というのは非常にセンセーショナルだったのかもしれませんね.

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