ミスターオリンピア 2020,2021を制したBig Ramy (ビッグラミー)について,多くの人は彼の圧倒的なサイズが目に入り,そこまで大きな弱点がないのではないかと考えています.
一方で,彼のコーチであるDennis James (デニスジェイムス)は異なる意見を持っているようであり,ビッグラミーの僧帽筋が弱点であると指摘します.
今回は,この情報を皆さんとシェアしたいと思います.
ビッグラミーとは
ビッグラミーは,本名がMamdouh Mohammed Hassan Elssbiayであり,1984年エジプト生まれのプロボディビルダーです.身長は175 cm,体重が133.8-140.6kgと言われています (これは,恐らく,オンシーズンの時の体重であると思われます.).
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彼は,2012年にプロカードを取得すると,それからすぐに頭角を現し,2013年の,2014年のNew York Proで優勝,オリンピア 2013,2014で8位,7位と順調にステップアップしていきます.
特に,オリンピアに関しては,オリンピア 2015で5位,オリンピア 2016で4位,オリンピア 2017で2位と順調に成績を伸ばしていましたが,オリンピア 2018はまさかのトップ5を逃し6位に終わります.
誰しもが,そこから成績を徐々に落とすのではないかと予想している中で,オリンピア 2020ではワイルドカードでの出場ながら初優勝を飾り,それからオリンピア 2021でも優勝し二連覇しています.
デニスジェイムスがビッグラミーの弱分部位について指摘した動画
デニスジェイムスがビッグラミーの弱分部位について指摘した動画は以下です.
動画の作成元は,Muscle and Fitnessです.
動画の長さは1:43:40です (動画のサムネイルは,左上からDennis James,Milso Sarcev,Chris Cormier,Troy Alvesです.).
今回の動画では,デニスジェイムスが自身に師事しているビッグラミーについて述べる他,ミスターオリンピア 2022の注目選手についても述べられています.
デニスジェイムスが指摘するビッグラミーの弱点部位
まず,ビッグラミーの弱点について述べる前に,ミスターオリンピア 2021においてビッグラミーはベストではなかったことを認めています.
No, he knows. He knows he wasn’t at his best. He was better Saturday, but he knows Friday he wasn’t on. He knows. He knows because there was over six months where he didn’t even train. So, three and a half, four months before the Olympia – trying to gain all that muscle back and get into shape at the same time — that’s not possible
いや,彼は知っています.自身がベストな状態でなかったことは本人もわかっていると思います.土曜日はもっと良かったが,金曜日は本調子でなかったことを彼は理解しています.オリンピアの半年以上,トレーニングしていない時期があったのだから,わかっているはずです.オリンピアの3ヵ月半から4ヵ月前に筋肉をつけ直しながら体型を戻すなんて不可能です.
ここで驚きなのが,彼がミスターオリンピア 2021の前に,6ヶ月近くトレーニングをしていない期間があったということです.ミスターオリンピア 2020でも,ビッグラミーは良かったとは言え,COVID-19に感染してトレーニングができない期間があったということであるため,実質,彼は2020年と2021年に,シーズンを通してトレーニングをしていたことはなかったということです.それであのサイズであるため,彼が如何に手強いかがわかりますね.
その2021年から,「ベストな」ビッグラミーなるためには,僧帽筋の改善が不可欠であることをデニスジェイムスは指摘します.
His back is better… but of course, there’s some muscle hat is atrophied. We went to this South Korean guy yesterday, he does active release therapy, So listen, I explained it to him, I had him do a back double bicep and I showed him. It used to be there. He thinks it’s coming because of the traps. Somehow this isn’t firing.
彼の背中は良くなった…しかし、もちろん(背中の)筋肉が萎縮しているところもあるんです.昨日,韓国の人のところに行き,彼はアクティブ・リリース・セラピーをやっているんです.彼に説明し,彼にバックのダブルバイセップスやってもらったんです.以前はそこにあったんです.彼の僧帽筋のせいでそうなったと思っています.どういうわけか背中が抜群には良くならないのです.
アクティブ・リリース・セラピーとは,能動的にアプローチする (押したり,曲げたりするということでしょう.)ことで,軟部組織を正常化させる働きがあるようです.ビッグラミーオン筋肉が萎縮しているかどうかはわかりませんが,確かに彼の背中があまり良くないのは事実です.
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これは,ミスターオリンピア 2020前の投稿です.彼の背中は,圧倒的の広いのですが,ディティールというのがいまいちです.正直,背中の完成度で比較すると,Phil Heath (フィルヒース)の方が圧倒的に良いです.
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逆に言えば,この背中の完成度が改善すると,もはやビッグラミーの弱点部位はないということであり,もしミスターオリンピア 2022でそのようになれば,彼は圧倒的なスコアで優勝することは確かです.
終わりに…
ビッグラミーは,サイズが素晴らしいのですが,やはりディテールという面では改善点があります.それでも,近年はコンディションも良いため,他の選手にとってはサイズとコンディションを両立しているだけでもかなりの強敵ですが,これでディテールも改善するととんでもないことになりますよね.