ミスターオリンピア 2022でのセンセーショナルな出来事の一つとして,2021年の覇者であるBig Ramy (ビッグラミー)が大きく成績を落としたことが挙げられます.
この理由について,オリンピアのヘッドジャッジであるSteve Weinberger (スティーブワインバーガー)が指摘する動画を見つけたため,皆さんとシェアしたいと思います.
ビッグラミーとは
ビッグラミーは,本名がMamdouh Mohammed Hassan Elssbiayであり,1984年エジプト生まれのプロボディビルダーです.身長は175 cm,体重が133.8-140.6kgと言われています (これは,恐らく,オンシーズンの時の体重であると思われます.).
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彼は,2012年にプロカードを取得すると,それからすぐに頭角を現し,2013年の,2014年のNew York Proで優勝,オリンピア 2013,2014で8位,7位と順調にステップアップしていきます.
特に,オリンピアに関しては,オリンピア 2015で5位,オリンピア 2016で4位,オリンピア 2017で2位と順調に成績を伸ばしていましたが,オリンピア 2018はまさかのトップ5を逃し6位に終わります.
誰しもが,そこから成績を徐々に落とすのではないかと予想している中で,オリンピア 2020ではワイルドカードでの出場ながら初優勝を飾り,それからオリンピア 2021でも優勝し二連覇しています.
しかし,3連覇を狙ったミスターオリンピア 2022では,まさかの5位に終わりました.
スティーブワインバーガーがミスターオリンピア 2022でのビッグラミーの敗因について語った動画
スティーブワインバーガーがミスターオリンピア 2022でのビッグラミーの敗因について語った動画は以下です.
動画の作成元は,OlympiaTVです.
今回の動画では,ビッグラミーはもちろんですが,ミスターオリンピア 2022の結果全般について議論が交わされています.
スティーブワインバーガーはビッグラミーが何らかの問題を抱えていたと考える
ミスターオリンピア 2022でビッグラミーの順位が5位だったことからわかる通り,ビッグラミーが本調子ではないのは明らかであり,この問題についてスティーブワインバーガーはビッグラミーに何らかの問題があったのではないかと指摘します.
I think the 2020 was the best Ramy and the New York Pro was the second best Ramy but those two were a lot closer to 2021 and 2022. 2021 and 2022 were not the real Ramy that we know. I don’t know whether he has a back injury or a shoulder injury but there’s some problems somewhere with him. I don’t know what it is, but something is not right.
2020年は最高のラミーで,ニューヨークプロは2番目に最高のラミーだったと思いますが,その2つは2021年と2022年にかなり近いものでした.2021年と2022年は,私たちが知っている本当のラミーではありません.背中を痛めているのか,肩を痛めているのか分かりませんが,どこかに問題があるのでしょう.それが何かは分からないが,何かがおかしいのです.
ビッグラミーについて語る上で,もちろん,初優勝を果たしたミスターオリンピア 2020は言わずもがな素晴らしいのですが,今回,スティーブワインバーガーはNY Proを挙げています.このNY Proですが,恐らく,2013年の話だと思います.
動画の作成元は,Bodybuilding and Beyondです.
この動画のビッグラミーは既に十分な大きさですが,確かに現在と比較するとサイズは控えめではあります.ただ,その分,バランスが良く,コンディションも悪くありません.
この動画と比較して,2022年のビッグラミーですが,やはり筋肉がはっきりしていなかった印象があります.この問題について,スティーブワインバーガーはその理由についてはわからないと指摘しますが,実は,ミスターオリンピアの最中に以下のような動画が公開されていました.
動画の作成元は,大人気筋トレyoutubeチャンネルのNick’s Strength and Powerです.
この動画では,ビッグラミーの友人が,「ビッグラミーが肩の怪我をしている」ということを述べています.実際,スティーブワインバーガーも,この動画を確認しているか定かではありませんが,彼の肩の問題について述べており,恐らくこれは事実なのだと思います.
スティーブワインバーガーはビッグラミーのコンディショニングに問題があったと指摘
以上を踏まえて,スティーブワインバーガーはビッグラミーのコンディショニングに問題があったと指摘します.
It was very disappointing. His legs were not what they should have been. His back wasn’t what it should have been. His condition was off. His body parts were off. Honestly, it did not look like the Ramy of 2020, more of the Ramy from 2021 just in even worse condition. He came down even worse.
とても残念な結果でした.彼の脚は本来あるべき姿ではありませんでした.背中の状態も,本来あるべき姿ではありませんでした.コンディションが悪かったし,身体の部位が違っていました.正直なところ,2020年のラミーのようには見えず,2021年のラミーをさらに悪くしたような感じでした.彼はさらに悪い状態でステージに上がったのです.
個人的には,ビッグラミーがそこまでコンディショニングが悪かったとは思いませんでした.コンディショニングというよりは,筋肉のセパレーションがなくなり,溶けているような感じがし,それはコンディショニングというよりは,むしろ「より根本的な問題を抱えているのでは」と感じてしまいました.
以上が肩の怪我なのかどうかわかりませんが,少なくとも,彼はステージに上がるある程度前までは比較的良い状態を披露していたという情報もあるため,この原因がなんなのかは謎が深まるところではあります.
終わりに…
「コンディション」と一口に言っても結構様々な要素があり,今回のビッグラミーは確かにコンディションが良くなかったのは事実ではありますが,その原因は根が深そうです.
個人的には,彼はある一定以上,サイズをつけてしまうとこのような仕上がりになる傾向があるため,やはり,ビッグラミーの場合には「やや小さくしすぎ」くらいで仕上げるのが最も良いのではないかと思いました.