2023年に久しぶりに開催されるマスターズオリンピアについて,往年の名選手の一人であるLee Priest(リープリースト)はその年齢要件について疑問を呈します.
今回は,この情報を皆さんとシェアしたいと思います.
リープリーストとは
リープリーストは,1972年生まれのオーストラリア出身のプロボディビルダーです.身長は,162.5 cm,体重は102.1 kg-106.6 kgだったと言われています.
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彼は,1990年代初頭から2000年代初頭にかけて活躍した選手です.すなわち,ボディビルディングで黄金期と言われた1990年代を戦い抜いたということがわかります.
彼の身長は,前述した通り約163 cmであり,この身長は現在のボディビルダーと比較してもかなり低い部類に分類されます.その中で,1990年代でマスモンスターと形容される選手と互角以上に戦ってきたというのは凄まじいとしか言いようがありません (当時は,202 クラス (212 lbsクラスの前身)もなかったため,オープンクラスに出場するという選択肢以外ありませんでした.).
彼は,Mr. Australiaのタイトルを若干19歳で獲得しましたが,年齢制限のためにIFBBプロカード取得には至りませんでした.ただ,20歳で出場したNiagara Falls Championshipsで優勝し,IFBBプロカードを取得しました.
若干20歳でプロに転向しましたが,やはり,1990年代ということで,プロカードを取得した後はかなり苦労したことが伺えます.彼にとって飛躍の年となったのが1997年であり,この年は精力的にコンテストに出場してオリンピアの出場権を獲得し,6位となります.
そこから,オリンピアには1998,1999,2000,2002,2003と出場し,オリンピア 2000,2002では6位に入賞します.
その後も精力的にコンテストに出場し続けましたが,2018年に首の怪我が理由で身体が以前の状態に戻らないため,引退宣言をしていました.
リープリーストを語る上で,彼は身長163 cmの中にとんでもない量の筋肉が敷き詰められていた選手ですが,やはり彼の特筆すべき点は腕だったと思います.彼の腕の強さは,当時の選手と比較しても全く遜色なくむしろ強みであったという点は,彼の身長を考えるととんでもないことだと思います.
ちなみに,彼は,現役を引退してから,身体全身に刺青を入れたことでも有名です.
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ここまで刺青を入れてしまうと,身体の陰影がはっきりしなくなるため,現役当時には刺青をいれなかったことが推察されますが,顔まで刺青を入れているということは相当に刺青をいれたい願望があったのでしょうね.
リープリーストがマスターズオリンピア 2023について述べた動画
リープリーストがマスターズオリンピア 2023について述べた動画は以下です.
動画の作製元は,RxMuscle — The Truth in Bodybuildingです.
今回の動画の長さは59:06です.
リープリーストはマスターズオリンピア 2023の年齢要件が適切ではないと考える
今回の動画にて,リープリーストはマスターズオリンピア 2023の年齢要件が適切ではないと指摘しています.
I’m still upset though it’s 40 and over, To me, Masters should be 50 above and you haven’t competed for at least 2 or 3 years. Seeing that $229,000, $9,000 goes to the Masters.
出場要件が40歳以上であることにまだ動揺しています.私にとっては,マスターズは50歳以上で,少なくとも2,3年競技をしていない人が対象です.229000ドルのうち,9,000ドルがマスターズに支払われるのならなおさらでしょう.
近年では,選手の高齢化が顕著であるため,今回,マスターズオリンピアの出場要件として設定された「40歳以上」という数値は正直,「マスターズ」として設定するのには低すぎるという考えは同感です.
また,年齢だけではなく,今回の出場要件では引退後の年数も考慮されていないことから,現役選手も出場できるということも問題だと思います.
つまり,リープリーストが指摘しているとおり,今回のマスターズオリンピアのルールでは「マスターズ」というよりは単純に若い選手を振り落としただけのコンテストになっている可能性が高いと言えます.
リープリーストはKamal Elgargniの圧倒的優位を予想
今回の動画にて,リープリーストはKamal Elgargniの圧倒的優位を予想します.
I think Kamal is going to be very hard to beat just because he hasn’t been out of the sport. He’s been competing consistently. It’s going to be hard for guys that haven’t competed in a bunch of years to come back and look that great, especially at that age.”
Kamal Elgargniは現役で,倒すのは非常に難しいと思います.彼は現役で,一貫して競技を続けているのです.特にあの年齢で,何年も試合に出ていない選手が戻って来て,あれほど素晴らしい姿を見せるのは難しいだろう.
実際,Kamal Elgargniは,現状,212 lbsクラスでもオープンクラスでもトップレベルの実力を持っている選手です.
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高齢化が進むボディビルディングでも彼の年齢でここまでのサイズ,仕上がりを披露することは現役選手でも非常に難しいと言えます.言い換えれば,現役を引退した選手がそれを披露するのはより困難であると言え,今回のラインナップではKamal Elgargniが圧倒的に優位でしょう.
終わりに…
今回のマスターズオリンピアでビッグネームの参戦が実現しなかったのは,この年齢制限と引退してからの年数の制限が緩かったからでしょう.
多くの選手は出場するからには優勝を狙っているのは当然であり,そのためには,やはり出場する選手ができるだけ平等である必要があります.
その問題に対して,年齢制限と引退してからの年数の制限が緩いというのが死活問題だったことが伺えますね.