クリスディッカーソン死去.享年82歳.

オリンピア 1982,マスターズオリンピア 1994の50歳以上のカテゴリーでも優勝し,レジェンドの一人に数えられるChris Dickerson (クリスディッカーソン)が死去しました.

今回は,この情報を皆さんとシェアしたいと思います.

クリスディッカーソンとは

クリスディッカーソンは,1939年アメリカ生まれのプロボディビルダーであり,身長は167.5 cm,体重は83.9-88.5 kgだった様です.

彼は,1965年のミスター・ロングビーチに出場することでボディビルダーとしてのキャリアをスタートし,この大会では3位に入賞しました.その後,1973年にプロに転向し,オリンピア 1980,1981ではそれぞれレジェンドであるArnold Schwarzenegger (アーノルドシュワルツネッガー),Franco Columbu (フランココロンボ)に敗れ2位に終わりますが,オリンピア 1982では初優勝を果たします (つまり,彼は,43歳でオリンピアを獲得したことになり,オリンピア初タイトルの年齢ではショーンローデンに並ぶ最高齢になります.ただ,正確にはショーンローデンの方が数ヶ月遅い様ですね.).

オリンピア 1982の後の成績は,それまでと比較すると奮いませんが,マスターズオリンピア 1994の50歳以上のカテゴリーでも優勝し,オーバーオールでも4位に入り,これが彼の最後のコンテストとなりました.

2000年には,IFBBプロリーグで殿堂入りを果たし,その後はセミナーなどを通じてアスリートとも交流を行っていた様です.

クリスディッカーソン死去の情報

クリスディッカーソン死去の情報ですが,以下の動画によります.

動画の作成元は,大人気youtubeチャンネルであるNick’s Strength and Powerになります.

クリスディッカーソンについては,前述しましたが,この動画でも非常によくまとまっています.

クリスディッカーソンの死因

クリスディッカーソンの死因は,どうやら肺炎の様です.彼の年齢が82歳だったことを考慮に入れると,肺炎が死因というのはそこまでイレギュラーなわけではありませんが,調べてみると,彼も晩年は他のボディビルダーと同様に健康問題に悩まされていた様です.

2020年3月,クリス・ディッカーソンは自宅で転倒し股関節を骨折してしまった様です.入院中,彼は大規模な心臓発作に見舞われペースメーカーに頼らざるを得なくり,入院中にCovid-19ウイルスにも感染しましたが,以上の問題をどうにか克服しました.しかし,2021/12/23にとうとう力尽き,肺炎で亡くなってしまった様です.

こうしてみると,クリスディッカーソンはきちんと年をとって,亡くなったという印象が強いです.近年のボディビルダーは,George Peterson (ジョージピターソン)やShawn Rhoden (ショーンローデン)を筆頭に30-40代でなくなる選手が多く,しかも,その死因がコンテストに関連したものであることから,近年のボディビルディングの潮流が健康に悪影響を与えていることは明白でした.

1982年に,クリスディッカーソンがオリンピアを優勝した後,1984年にはレジェンドであるLee Haneyが初優勝を果たし,そこから1991年までは彼の時代が続きます.そして,1992年から,”Game Changer”とも言われるDorian Yates (ドリアンイェーツ)が登場し,ジャッジの潮流は一気に変化します.恐らく,ドリアンイェーツの登場あたりから,選手のサプリメントや栄養のプロトコルが大きく変化したところであると考えられ,そうなると,今後,むしろクリスディッカーソンの様にきちんと年をとって亡くなるというケースは少なくなってくるのかもしれません.

終わりに…

クリスディッカーソンは,アーノルドシュワルツネッガーとほぼ同時期に活躍した選手であり,アーノルドシュワルツネッガーが非常に華があったことを考えると,彼は非常にいぶし銀的な立ち位置だったと思います.

実際に,アーノルドシュワルツネッガーは身長が188 cmあり,体重が100 kg以上あったことを考えると,クリスディッカーソンは非常に小柄な選手ではありましたが,その分,部抜群のコンディションで勝負する選手であり,非常に玄人好みの選手でした.

近年は,前述した通り,早くに亡くなってしまうという選手が多かった中で,ボディビルダーとしてきちんと80代を超えて生を全うしたことには敬意を表します.

ご冥福をお祈りします.

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