ストリクトカールの世界記録更新に異議がある

2021年8月末に,EZバーでどれだけ重い重量を扱えるかを競うストリクトカールの世界記録が立て続けに更新されましたが,世界記録更新に異議がある選手がいる様です.

今回は,この情報を皆さんとシェアしたいと思います!

ストリクトカールの世界記録に意義がある理由

今回,ストリクトカールの世界記録更新について,異議を申し立てているのは”現状,世界最高の重量を挙げた”Nizami Tagievになります.彼は,以下の様なメッセージを公開しました.

“I don’t wanna be a hater!
I just want to say that if everyone compete for the world record then the rules should be the same for everyone.

I believe that LeRoy @lwthemachine is a strong athlete, but I do not recognize his record, just as Denis Tsyplenkov @cyplenkovden does not recognize him. This is not pride or vanity! If I saw a clean rise there, I would strive for it simply and accept the challenge with dignity!
There’re too much questions:
the elbows are bent too much, the assistants serve the barbell, the grip is narrow, the wall is narrow, honestly I have a lot of distrust of the weights on the barbell.

I ask the organizers of the Arnold Classic, @arnoldsports which will be held in March ‘22 in the USA, to be seriously about all of that🙏🏾 I repeat once again, the rules and judging should be the same for everyone! I am for fair sport and for justice! Respect for all athletes from different countries! And let’s be honest with ourselves firstly!

If you’re agree with my thoughts, repost it!

The weight that I lift on the video is 110kg and my own weight is 107,5kg“

= 私は嫌われ者にはなりたくありません.
私が言いたいのは、もし誰もが世界記録を競うのであれば,ルールは誰にとっても同じであるべきだということです.

@lwthemachine ( = Leroy Walker)は強いアスリートだと思いますが,@cyplenkovden ( = Denis Cyplenkov)が彼を認めていないように,私は彼の記録を認めません.これはプライドや虚栄心ではありません.もし私がそこで何の疑惑も持てない綺麗なバーベルの挙上を見たのならば.私は単純にそれを目指して努力し,尊厳を持って挑戦を受け入れるでしょう.
質問が多すぎます.
肘が曲がりすぎていたり,補助者がバーベルを出したり,グリップが狭かったり,壁が狭かったり,正直,バーベルの重さに不信感を持っています.

2022年3月にアメリカで開催されるアーノルドクラシック(@arnoldsports)の主催者には,これらのことを真剣に考えていただきたいと思います.何度も言いますが,ルールやジャッジは誰もが同じであるべきだと思います.私はフェアなスポーツと正義のためにいます!様々な国の全てのアスリートに敬意を払いましょう.そして,まず自分自身に正直になりましょう!

私の考えに賛同していただける方は,ぜひシェアしてください.

ビデオの中で私が持ち上げている重量は110kgで,私自身の体重は107.5kgです.

今回,Nizami Tagievがこの様に述べている理由としては,彼がLeroy Walkerを上回る115 kgのストリクトカールを実施したのにも関わらず, National Powerlifting Committee (NPLC)によって認可されたコンテストの中で実施したわけではないことから,正式には世界記録としては認められなかったためであると考えられます.

彼が問題視しているのは,Leroy Walkerのストリクトカールがストリクトカールのルールを逸脱しており,それを世界記録として扱うのはおかしいということであり,この点については,前世界記録保持者であるDenis Cyplenkovもロシア語で非難しています.

そのためには,同一のルールの中で白黒をつける必要があり,そのコンテストとして,アーノルドクラシック 2022を挙げています.

Leroy Walkerのストリクトカールが非難される理由

今回,Nizami Tagievが述べているLeroy Walkerのストリクトカールの問題点について,非常によく分かる動画を見つけたため,皆さんとシェアしたいと思います.

動画の作成元は,PRO SPORTというトレーニング系のyotubeチャンネルになります.

改めて,Leroy WalkerとDenis Cyplenkovのストリクトカールを比較すると,かなり異なることが分かります.実際に,Nizami Tagievが述べている様に,Leroy Walkerのストリクトカールはグリップの幅が狭いこと,壁が小さいことを確認することができます.また,肘の角度というのは正直よく分かりませんが (グリップ幅が狭いため,必然的に肘の角度は内旋しているということでしょうか.),EZバーを補助者が持ってきているということについては,終了したあとに元の位置に補助者がEZバーを元に戻していることから,恐らくそうなのでしょう.

以上の問題点について,ストリクトカールのレギュレーションを確認すると,以下の様なルールがあります.

  • Your upper back and butt must stay in contact with the wall on the way up and on the way down. Taking a wider stance slightly decreases the chance of your butt moving off.
  • The heels have to be 12 inches from the wall or less.
  • Your head, upper arms, and wrists can move as much as you want.
  • 背中上部と尻は,EZバーを上げ下げしている間,壁に接触している必要がある.広めのスタンスをとると,尻が離れる可能性が減少する.
  • かかとと壁の距離は12インチ以内である必要がある.
  • 頭,上腕,手首は自由に動かせる.

以上を確認する限り,今回,Leroy Walkerのストリクトカールはレギュレーション違反とはならないわけですが,前世界記録保持者であるDenis Cyplenkovが厳しい条件で記録を出していることから,確かに,その条件と合っていない今回の記録を世界記録として認めることに異論があるということは理解できます.

終わりに…

Nizami Tagievが指摘することを動画で確認すると,確かに,Leroy Walkerの世界記録に異議があるのは確かです.

この疑惑を晴らすべく,アーノルドクラシックでストリクトカールで争うというのは良案だと思います.

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