Samir Bannoutは現在の「サイズ至上主義」を糾弾する

Samir Bannout サイズ至上主義

Big Ramy (ビッグラミー)がミスターオリンピアを制した2020年から,オリンピアのジャッジにおいてサイズというのは非常に重要なファクターになっています.

そのジャッジ基準について,レジェンドの一人であるSamir Bannoutは間違っていると指摘している動画を見つけたため,皆さんとシェアしたいと思います.

Samir Bannoutとは

Samir Bannoutは,1955年レバノン出身のプロボディビルダーです.身長は,170 cm,体重は88.5 kg-93 kgだったと言われています.

彼は主に80年代に活躍した選手です.

彼は,World Amateur Championships 1979, Light Heavyweightクラスで優勝することでプロカードを取得します.

プロ転向した翌年1980年からミスターオリンピアに出場し,ミスターオリンピアには1980年から1984年,1988年から1992年,1994年までの11回出場し (1984年と1988年の間にブランクがあるのは,他団体であるWABBAのコンテストに出場したための処分である様です.),ミスターオリンピア 1983年で優勝するなど素晴らしい成績を誇っています.

彼の体重を見ると分かりますが,1990年台の選手と比較すると著しく体重が軽いことがわかります.彼がミスターオリンピアを制した1983年において,彼の体重は196 lbs (=88.9 kg)であり,これがオリンピアで制した選手の中で体重が200 lbs (= 90.7 kg)以内だった最後の選手です (ここから,オリンピアは,Lee Haney (リーヘイニー),Dorian Yates (ドリアンイェーツ)とサイズ重視の時代に入っていきます.).

Samir Bannoutが「サイズ市場主義」を糾弾した動画

Samir Bannoutが「サイズ市場主義」を糾弾した動画は以下です.

動画の作成元は,Old School Labs™です.

今回の動画の長さは1:29:15です.

Samir Bannoutは「サイズ市場主義」を糾弾

まず,1980年代では,サイズが最もある選手が優勝していたわけではなかったことから,なぜ,それが現在に引き継がれていないのか疑問を呈します.

If it happened back in the 80s and the 90s, why shouldn’t it be happening right now?

Right now, the first call out is the big guys. That’s why I was talking about Flex Lewis. When Flex Lewis should have been easily acceptable or maybe runner-up, could have easily been in the winner’s circle, might have won the Mr. Olympia had he gone in. It’s like brainwashing the athletes, you know, ‘I’m only 212, there’s no way I’m going to beat the 280-pound guys.’ That’s wrong. They are brainwashing the athletes too.”

80年代、90年代に起こったことが,なぜ今起こってはいけないのでしょうか.

今、ファーストコールアウトでチョイスされるのはサイズがある選手です.だから,フレックスルイスの話をしたんです.フレックスルイスは本来であれば,準優勝か,優勝の可能性もあったでしょうし,ミスター・オリンピアに出場していれば優勝していたかもしれません.選手を洗脳しているようなものなんですよ.「俺は212lbsしかない,280lbsの選手に勝てるわけがない」なんてね.それは間違っているし,洗脳されてるんですよ.

フレックスルイスは,ミスターオリンピア出場を目指していたものの,体調が万全ではなく,結局は競技から引退するという選択をしました.ただ,彼は,サイズはオープンクラスの選手には劣るものの,バランス,コンディションが素晴らしく,彼が出場していればかなりの成績が残せたことは想像に難くありません.

 

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彼の仕上がり体重はまず間違いなく,300 lbsはないはずであることから,それを考えると,サイズだけが勝負になってしまうのはおかしいということをSamir Bannoutは指摘しているのでしょう.

このことから,Samir Bannoutはオリンピアのジャッジの基準を変更する必要性を述べます.

I don’t get it. All these bullshit classes. It does irritate me. What are you going to do with a guy whose 5″7′, how is he going to be 300 pounds. Why isn’t he allowed to be among the best on the planet and one show take it all, Mr. Olympia. Why not? Come on. We got to make some adjustments to the rule. It’s just not right

理解できない.こんなでたらめなジャッジばかり.イライラします.身長が高い選手に対して,どのようにするのでしょうか.どうやって300 lbsになるんですか.なぜそれで世界一になることが許されないのか.1つのショーですべてを手に入れるオリンピアですよ.なぜダメなのでしょうか.ルールに調整を加えなければならなりません.

つまり,彼は,サイズではなく,仕上がりを評価すべきであるという強い意見があり,だからこそ,現在のサイズに重きが置かれたジャッジは間違っていると述べたいのだと思います.

終わりに…

オリンピア直前でのGeorge Petersonの死から,オリンピアはコンディション重視のジャッジを見直そうとする動きがあり,これは,今回,Samir Bannoutが指摘することとは全く逆のことです.

一概にどちらが正しいということは言えず,私個人としては,2020年,2021年はサイズとコンディションのバランスが良かったビッグラミーが優勝したのは,真っ当なジャッジだったと思います.

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