フレックスルイス,現役引退

フレックスルイス 現役引退

衝撃的なニュースが入ってきました.

オリンピア 212 lbsクラスで絶対的な強さを誇ったFlex Lewis (フレックスルイス)が現役を引退するというニュースです.

今回は,この情報を皆さんとシェアしたいと思います.

フレックスルイスとは

James “Flex” Lewisは,1983年生まれのウェールズ出身のプロボディビルダーです.身長は166 cm,体重は96-107 kgと言われています.

 

この投稿をInstagramで見る

 

Flex Lewis™(@flex_lewis)がシェアした投稿

彼は,2007 British Nationalsのオーバーオールクラスで優勝し,プロカードを取得します.

翌年,2008年からプロコンテストに出場し,プロデビュー当初はオープンクラスのカテゴリーと,以降彼が活躍する212 lbsクラスの前身である202 lbsクラスに出場します.

2012年以降は,212 lbsクラスに出場し,オリンピア 2012から2018まで7連覇を含む素晴らしい成績を残します (ちなみに,彼は2012年からコンテストでは負けなしであり,212 lbsクラスにおいて絶対的な王者だったことが言えます.実際に,彼の身体の特徴としては,212ポンドとは思えないバルクと,コンテスト時の異次元のコンディションです.どこの部位のバルクもすごいですが,個人的には特に腕周りのバルクは目を見張るものがあると感じています.また,コンディションについては,カーフからハムストリングにかけてが別次元でした.).

オリンピア 2018で彼が尊敬するArnold Schwarzenegger (アーノルドシュワルツネッガー)に並ぶ7連覇を成し遂げた後,オープンクラス転向を表明し,そのためも準備を続けてきました.

フレックスルイス,現役引退の情報

フレックスルイスの引退の情報ですが,以下の動画です.

動画の作成元は,フレックスルイスのyoutubeチャンネルです.

今回の動画の長さは,1:07:46です.

フレックスルイス,現役引退の理由

フレックスルイスが現役を引退する理由については以下のように述べられています.

This one in particular, I just want to let everyone know, for me, I’ve had an issue with my appetite my whole career, even as a 212 guy. Whatever was in front of me, would kind of suffice, but switching from the 212 to going to the Open class was… hard

For the last six months, probably more. I would say it started off with a couple a times a week to then, every single day. No days off. I’d wake up with nausea, dry heaving. I’d train, change my food styles, changed my frequency of meals, I didn’t eat for the first couple hours.

特に,これは皆さんに知ってもらいたいのですが,私の場合,212 lbsの選手時代からずっと食欲に問題があったんです.目の前にあるものなら何でもよかったのですが,212 lbsからオープンクラスに転向するのは…大変でした.

ここ半年,いやもっとでしょうか,最初は週に2,3回だったのが毎日になりました.休む暇もない.朝起きると吐き気や腹痛があるんです.トレーニングしたり食事のスタイルを変えたり食事の回数を変えたり最初の2、3時間は食べないようにしていました.

フレックスルイスは,2018年に212 lbsクラスから引退した後,オープンクラスへの転向を表明しましたが,オープンクラスで戦うためにはサイズが必要であり,そのためにはかなりの食事を摂る必要があったと考えられます.

その一方で,今回,彼が述べている通り,彼はそこまで食欲旺盛であるわけではないことから,サイズアップのために大量の食事を摂るのは非常に難しかったのでしょう.それが,直接的な引き金かどうかは分かりませんが,腹痛や嘔吐といった症状で彼が十分に食事摂ることができないようになっていった様です.

I tried everything. I pulled out this, I put in that, I mean everybody had a piece of advice and you hone in on the smallest things. ‘Oh it’s gotta be this’ please, and you put so much stock into something, and when that doesn’t pay off, you’re left with that same feeling every single day. I don’t care what you say, if you’re nauseas every single day, it rubs off on whoever it is around you.

There is no way you can divide how you feel and you’re energy and what’s around you. I’m around a lot of people in and out of sports. Image coming to the gym and I would tell her, ‘oh babe, I feel so nauseas, I really feel so nauseas’, but I got this meet and I just had to fake it until I made it.

One of the things is now, I’ve actually been changing up my diet in the last eight weeks, I’m down 25-lbs and let me tell you something, I feel fantastic

あらゆることを試しました.みんなにアドバイスをもらって些細なことに目を向けました.「ああ,これじゃなきゃダメなんだ」と何かに打ち込んで,それが報われないと,毎日同じ思いが残るんです。何を言っても毎日吐き気がしていたら,それが周りの人に伝わってしまいます.

自分の気持ちやエネルギーと周りにあるものを分けて考えることはできません.私はスポーツをする人,しない人,いろいろな人に囲まれています.想像してみてください.ジムに来て「すいません,私は本当に気持ち悪いんです」と伝えることを.しかし,それをどうにかして成功するまで成功するまでごまかすしかなかったんだです.

この8週間、食生活を見直した結果、体重が25 lbs (=11.3 kg)も減ったんです.

つまり,体重を増やそうとしても満足に増やすことができず,逆に腹痛や嘔吐を回避すべく,食生活の改善を行ったら体重が11 kg以上も減ってしまったということになります.

フレックスルイスとしては,10 kg以上の体重を増やす必要があったのにも関わらず,10 kg以上の体重が減ってしまったことで,オープンクラスで戦うために,もう打つ手がなくなり,引退を決断したと考えられます.

終わりに…

食事を満足に摂ることができないという症状ですが,これと似た様な症状を故Cedric McMillan (セドリックマクミラン)も経験していました.

今回のフレックスルイスの決断は,その様な問題を考慮した結果であると考えられます.

ただ,それにしても40歳を迎えずに現役を引退するというのは,ボディビルダーとしても非常に早く,これは,近年,40代前後のプロボディビルダーが急死しているということも考慮に入れて現役続行のリスクを取らなかったという判断だと思います.

率直な感想として,彼のオープンクラスでの活躍を見たかったのですが,何はともあれ,現役生活お疲れ様でした.

関連記事