ライアンテリーはメンズフィジークには体重制限が必要と考える

男子のボディメイキング競技は,基本的には,メンズフィジーク,クラシックフィジーク,212 lbsボディビルディング,オープンクラスボディビルディングに分かれています.

その中で,メンズフィジークは,一般的には最もサイズが必要ないカテゴリーだと思われていますが,近年のオリンピアでのジャッジの潮流からも明らかな通り,メンズフィジーカーのサイズアップが止まりません.

この問題について,トッププロの一人であるRyan Terry (ライアンテリー)は懸念を抱いている様です.

今回は,ライアンテリーのメンズフィジークの懸念について皆さんとシェアしたいと思います!

ライアンテリーがメンズフィジークの懸念事項について語った動画

ライアンテリーがメンズフィジークの懸念事項について語った動画ですが,以下の動画になります.

動画の作成元は,Generation Ironになります.

今回の動画は3:54と非常に短いものであり,前半ではライアンテリーのメンズフィジークに対する懸念事項,後半ではライアンテリーが理想とする選手について語られています.

ライアンテリーが考えるメンズフィジークへの懸念事項

ライアンテリーが考えるメンズフィジークへの懸念事項ですが,それはメンズフィジークとクラシックフィジークの境界が曖昧になっているということです.

この原因ですが,冒頭でも述べました通り,メンズフィジークの選手がどんどんサイズアップして巨大化しているためです.この問題ですが,よくよく考えてみると,実は,クラシックフィジークでは身長に対して上限の体重というのが決まっているのですが,メンズフィジークでは体重の制限がないことから,理論上は,どれくらいの体重があっても出場することができます (これは,アマチュアでも同様であり,身長によるカテゴリー分けはありますが,身長に対するリミット体重はありません.).

なぜ,この様な設定になっているのかという疑問ですが,これは,当初のメンズフィジークのコンセプトにあります.メンズフィジークが創設された当初、このカテゴリーのコンセプトはいわば,「浜辺で一番かっこいい身体をしているのは誰か」というものであり,事実,過去のメンズフィジークの出場選手の身体の仕上がりは,今のそれとは全くコンセプトが異なります

これが,いつのまにか,ボディビルディングの様に仕上がりはもちろんですが,サイズを重要視する様になり,これにより,メンズフィジークの選手の身体は大きく変化しました.ここで,従来までは,そもそもメンズフィジークでサイズアップするということは考慮にいれていなかったため問題にならなかった「メンズフィジーカーの巨大化」という問題が顕在化します.

実際,オリンピア 2018,2020,2021の覇者である,Brandon Hendrickson (ブランドンヘンドリクソン)やオリンピア 2019の覇者であるRaymont Edmonds (レイモントエドモンズ)はとんでもないサイズをしています.

最近では,このサイズアップの風潮に加えて,高身長というトレンドもありますから,ますますサイズが強調されていることは間違いないと思います.

こうなってくると,そもそもメンズフィジークよりもサイズがあるカテゴリーだったクラシックフィジークとの線引きというのが非常に曖昧になり,メンズフィジークの存在意義というのがわからなくなっているというのがライアンテリーの意見になります.

だからこそ,メンズフィジークにもクラシックフィジークと同様に,身長に応じた体重制限を設けるべきであるというのがライアンテリーの意見であり,この意見に関しては,そもそものメンズフィジークのコンセプトを考えると至極真っ当な様に感じます.

終わりに…

今回のライアンテリーの意見ですが,そもそも,ライアンテリーがサイズで勝負する様な選手ではなく,近年ではこのサイズ重視のジャッジの潮流で成績を落としていることから,今回の様な意見を述べているのだと考えられます.

ただ,今回のライアンテリーの意見は非常に的を得ている様な気がしており,実際にメンズフィジークの当初のコンセプトを考えると,現在のメンズフィジークというのは少々ボディメイキング競技寄りになりすぎており,この場合,確かにクラシックフィジークとの明確な線引きというのが曖昧になっているということには頷けます.

関連記事