またもや,NPCのコンテストに出場した「ある選手」が物議を醸す

NPC National Championships 2022

フィットネスの本場アメリカのアマチュアコンテストにおいて,特にレベルが高いと言われているのが「NPC National Championships」ですが,NPC National Championships 2022に出場したとある選手が物議を醸しています.

今回は,この情報を皆さんとシェアしたいと思います.

NPC National Championships 2022に出場した「ある選手」の情報

NPC National Championships 2022に出場した「ある選手」の情報ですが以下の動画です.

動画の作成元は,大人気筋トレyoutubeチャンネルであるNick’s Strength and Powerです.

今回,NPC National Championships 2022に出場した「ある選手」ですが,今回の動画のサムネイルの真ん中にいる選手です.

NPC National Championships 2022に出場した「ある選手」が物議を醸す理由

NPC National Championships 2022に出場した選手について問題になっている理由は以下の2点が挙げられます.

  • 「National Championships」というコンテストのレベル
  • 出場した選手の身体の仕上がり

「National Championships」というコンテストのレベル

「National Championships」は,そもそも非常に格式高いコンテストであり,希望する選手全員が出場できるわけではありません

(事実,他のカテゴリはレベルが高いです.)

「National Championships」は,基本的には地方大会に相当するコンテストを勝ち抜かないと出場できません.そのため,出場する選手のレベルはある程度,篩にかけられているはずなのですが,今回の動画を見る限りでは選手のレベルがかなり低いことが分かります.

出場した選手の身体の仕上がり

今回,問題になっている選手の身体の仕上がりは以下です.

NPC National Championships 2022

以上の写真を見れば明らかなとおり,今回,物議を醸している選手は,ボディメイキングを実施しているというよりは,ジムで趣味程度にトレーニングをしているのではないかと推察されます(筋肉のつき方からして,全くトレーニングをしていないということはなさそうですが,それでも筋肉がかなり付いているかと言われるとそれも微妙なレベルだと思います.).実際に,ボディメイキングでは必須となる減量をした形跡というのが今回の写真からは明らかに感じることができません

問題は選手よりも,むしろNPCの制度

今回,NPC National Championships 2022にコンディションが悪いまま出場した選手の問題について,むしろNPCが制度的に問題を抱えているのではないかと思います.

現状のNPC National Championships 2022のクオリファイでは,「特定のコンテストに出場し,その上位に入賞すること」が要件にありますが,そのコンテストのカテゴリにおける出場者数についての詳細な取り決めがないと思います.

実際,今回,問題となっている選手が出場したのは「ボディビルディングのスーパーヘビーウェイト級」というカテゴリです.近年では,ボディビルディングの人気が低下しており,かつ,その中でも体重が重い選手が出場するスーパーヘビーウェイトとなると,出場する選手の人数がかなり限られてしまい,これにより「出場=入賞」という事態が発生することが想定されます (実際,今回問題になっている選手がどのような過程を経て出場することになったのかは不明ですが,少なくとも,競争原理は働いてなかったのではないかと推察します.).

これにより,NPC National Championshipsに出場した選手は,「選抜されたのではなく自動的に出場した」ということになり,NPCが意図する各コンテストでのカットオフ制度が機能していないことになります.

以上の問題ですが,2021年にも問題になっています.

動画の作成元は,同じく,Nick’s Strength and Powerです.

2021年に問題になった選手も,体重が重いクラスの選手であることから,体重の重いカテゴリにおいてNPCの現状の制度は成立しなくなっていることがわかります.

つまり,2021年と2022年と連続で以上の様な問題が発生しているため,NPCとしてもNational Championshipsのクオリファイ要件については検討する必要があると言えます.

終わりに…

日本では,近年,メンズフィジークの人気が急速に高まっていますが,これは世界的な流れであると言われています (世界的には,クラシックフィジークの方が人気があると言われているところもありますが,いずれにせよ,フィジーク競技が人気であるということです.).これに伴い,フィジーク系の出場する選手の数が多いカテゴリの競争力は高いですが,ボディビルディングなどの出場する選手が少ないカテゴリの競争力は低下しています.

「フィットネスの本場アメリカ」というと,むしろ,ボディビルディングに挑戦する選手が多く,しかも,彼らの身体はアマチュアでもびっくりするほど大きい選手が多いというイメージがあります.しかし,実際には,今回の様な問題が発生しているということは,アメリカでもボディビルディング離れは深刻な問題であり,特に,体重が重いクラスに出場する選手が少ないということなのでしょう.

関連記事