ミスターオリンピア 1983を制したSamir Bannoutは,ミスターオリンピアがサイズアップする前の最後のチャンピオンです.
彼は,1990年台を代表するマスモンスターの一人であるDorian Yates (ドリアンイェーツ)と何度か戦いました.
今回,Samir Bannoutがドリアンイェーツについて回顧する動画を見つけたため,皆さんとシェアしたいと思います!
Samir Bannoutとは
Samir Bannoutは,1955年レバノン出身のプロボディビルダーです.身長は,170 cm,体重は88.5 kg-93 kgだったと言われています.
この投稿をInstagramで見る
彼は主に80年代に活躍した選手です.
彼は,World Amateur Championships 1979, Light Heavyweightクラスで優勝することでプロカードを取得します.
プロ転向した翌年1980年からミスターオリンピアに出場し,ミスターオリンピアには1980年から1984年,1988年から1992年,1994年までの11回出場し (1984年と1988年の間にブランクがあるのは,他団体であるWABBAのコンテストに出場したための処分である様す.),ミスターオリンピア 1983年で優勝するなど素晴らしい成績を誇っています.
彼の体重を見ると分かりますが,1990年台の選手と比較すると著しく体重が軽いことがわかります.彼がミスターオリンピアを制した1983年において,彼の体重は196 lbs (=88.9 kg)であり,これがオリンピアで制した選手の中で体重が200 lbs (= 90.7 kg)以内だった最後の選手です (ここから,オリンピアは,Lee Haney (リーヘイニー),Dorian Yates (ドリアンイェーツ)とサイズ重視の時代に入っていきます.).
Samir Bannoutがドリアンイェーツについて回顧した動画
Samir Bannoutがドリアンイェーツについて回顧した動画は以下です.
動画の作成元は,Old School Labs™です.
今回の動画の長さは1:30:21です.
今回の動画では,John Hansen,Nick Trigilim,Samir Bannoutがトレーニングやコンテスト全般について語り,その一部でドリアンイェーツの話が上がります.
Samir Bannoutもドリアンイェーツについて解雇するのは「背中」
ドリアンイェーツについて,多くの人が指摘するのはあの圧倒的な背中ですが,それについてはSamir Bannoutも同様の意見である様です.
Dorian’s back side was really what won him the Olympia six times. That’s my honest opinion. I mean, his legs were great. His back, his hamstrings, and his calves were incredible. His back was awesome
ドリアンは背中でオリンピアで6回も優勝しているんです.それが私の率直な感想です.つまり,彼の脚,ハムストリングス,ふくらはぎも素晴らしかったんですが,とにかく,背中が別格だったんです.
ドリアンイェーツを語る上で,背中を鍛えるマシンであるDYロウのDYは”Dorian Yates”から来ているということからも分かる通り,彼の背中は現在でも非常に優れていたと考えられています.
ただ,それは,一般人の視点からの考えになりますが,実際に同時期にコンテストにたったことのあるSamir Bannoutも同様の指摘をするということは,彼の背中が如何に異次元だったかがわかります.
この投稿をInstagramで見る
この優れた背中こそが,彼をミスターオリンピアで6度優勝することに導いた筋肉であると述べており,当時,Samir Bannout自身も彼の背中に相当触発された様です.
He did heavy bent over rows. He did chin ups and he trained with vengeance.
“This kind of training really energized me and made me push a little harder. This is really what activates the deep muscle fibers when you go all out. That was common. I think Dorian… look at some of Dorian’s videos. He was a fuc**ng bull. Dorian was crazy. He was crazy. That’s why he was gnarly because he would train his ass off.”
彼は高重量のベントオーバーロウをしていました.彼は,チンニングをし,とんでもない強度でトレーニングをしていました.
このようなトレーニングは活力を与えてくれ,私がもう少し頑張ろうと思わせてくれました.これは本当に思いっきりやると深層筋の繊維が活性化し,こういうことはよくあることなんです.ドリドリアンイェーツのトレーニングビデオをいくつか見てみてください.彼はとんでもなく強かったんです.ドリアンイェーツはクレイジーで,本当にクレイジーで, だからすごいんですよ,本当にハードにトレーニングするんだから.
ドリアンイェーツが実践したトレーニング方法は,マイクメンツァー考案のヘビーデューティ法です.この方法は,とんでもない重量で,かつ,低レップで短時間で筋肉に負荷を与えるエクササイズ方法です.
だからこそ,扱う重量はとんでもないものであり,そのようなトレーニングを見聞きすることでSamir Bannoutがかなり影響を受けたのでしょう.
終わりに…
当時,ドリアンイェーツはイギリスのバーミンガムにある通称「地下拷問場」と呼ばれるTemple Gymでトレーニングをしており,そのトレーニング姿はほとんど公開されていないことも彼をThe Shadowと言わしめる要因の一つでした.
以上を考えると,今回,Samir Bannoutがドリアンイェーツのトレーニングに影響を受けたというのは,現在の様にインターネットが普及していない1990年台で,どのように情報を手に入れていたのか少し不思議に感じました.