デッドリフトの公式の世界記録は,2022/08/18時点でHafthor Bjornsson (ハフソーユリウスビョルンソン)が記録した501 kgですが,これを打ち破るために様々な挑戦がなされています.
その中で,今回,2人の若い選手が従来のデッドリフトの世界記録を更新する505 kgに挑戦したようなので,その情報を皆さんとシェアしたいと思います.
505 kgのデッドリフトに挑戦した動画
今回,505 kgのデッドリフトに挑戦した動画は以下です.
動画の作製元は,Giants Live STRONGMANです.
動画の長さは3:56です.
この505 kgという数値ですが,前記録保持者のEddie Hall (エディホール)に配慮した結果だと思います (ハフソーユリウスビョルンソンは,その記録に対して僅か1 kgしか上回らない重量で実施し,世界記録を更新することで,エディホールと揉めていましたもんね….).
今回,505 kgのデッドリフトへの挑戦が行われたのはWorld Deadlift Championshipsであり,505 kgに挑戦したのは1997年生まれのPavlo Nakonechnyyと1991年生まれのIvan Makarovであり,2人とも非常に若いのが特徴的です.
まず,Pavlo Nakonechnyyですが,以下に示す通り,彼は475 kgのデッドリフトを実施できます.
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また,Ivan Makarovの自己記録は490 kgである様です.
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以上の記録から推察される通り,自身の持つ記録に対してかなりの重量となったPavlo Nakonechnyyは505 kgのデッドリフトが,まったくびくともしていないことが分かりますが,Ivan Makarovはあともう少しまでのところまで引くことができています.
以上から分かる通り,今回の挑戦は両者失敗に終わりました.Pavlo NakonechnyyとIvan Makarovの逞しい肉体を見てデッドリフトの失敗を見ると,この505 kgという重量が如何に難しい重量であるかが分かります.
500 kgは人類の限界重量なのか
人間の骨格を考えると,デッドリフトの世界記録は更新され続けてはいますが,無限に重い重量を扱えるわけではなく,この500 kg近くが限界重量に近いのではと感じてしまいます.これは,ストロングマンが,基本的に,骨格的も筋肉量も優れた超人の集まりですが,その彼らでさえ,これだけ苦戦しているためです.
今回,彼らが実施しているのはデッドリフトの中でもコンベンショナル方式と呼ばれるデッドリフトの方法であり,欧米人の選手が得意とする方法です.我々日本人は,コンベンショナル方式はかなり苦手で,重量を扱うならば基本的にはスモウ方式を実施することが一般的ではあり,彼らも異論はあるかと思いますが,スモウ方式を実践すればより高重量を扱えるような気もしなくもありません.
実際に,Krzysztof Wierzbickiというパワーリフターが非公式記録で更新した502.5 kgはスモウ方式で記録したものであり,それを考えると,スモウ方式で実施すればより高重量を扱えそうです.
ただし,コンベンショナル方式で考えた場合には,500 kgを優に超す記録は難しそうです.
ストロングマンは,身長が2 m近くあり,体重も200 kg近くある選手が多く,501 kgのデッドリフトの世界記録を持つハフソーユリウスビョルンソンがその最たる例でしょう.ただし,今回のIvan Makarovの実施後の立ち眩み状態や,過去のエディホールの500 kg実施した後の状態を見ると,骨格的に限界が近いと想像できます.
身長が2m30cm位で,体重が250 kgの様な選手が出てくれば,また話が違うような気もしますが,そこまで来ると,人間の限界の身長に近くなるレベルであるため,そもそもそれに該当する人がいないという問題が出てきますよね.
終わりに…
トレーニング理論及び栄養学の進化により,特にストロングマンが実施するデッドリフトの記録はここ数年で急激に伸びた印象がありますが,それでも,ここから記録を伸ばすことはやさしいことではない気がします.
今回の状態を見ていると,505 kgは達成する選手がでてもおかしくありませんが,それ以降となると,果たしてどうなるのかというのは気になるところではあります.