トレーニーの間では,高重量のトレーニングを実施する際には,もはや常識になっているパワーグリップですが,どうやら,巷で模造品が出回っている様です.
今回は,その情報についてみなさんとシェアさせて頂きます.
パワーグリップの正規品と模造品の違いについて
パワーグリップの模造品の流通について,ゴールドジムで注意喚起の紙が貼ってあったため知りました.この情報については,ゴールドジムのサイトにも掲載されています.
正規品と模造品ですが,以下の通りになります.
どうやら,ゴールドジムからの情報を読むと,正規品と模造品の違いは以下の通りです.
- 素材,縫製
- 左右のグリップでの仕様が逆
まず,写真を確認しただけだと,素材・縫製で劣っているということは確認できませんが,実際に確認すると劣っているのでしょう.高重量を扱う際に,パワーグリップが重量を受け持つため,素材及び縫製の質が悪いのは非常に危険です.特に,パワーグリップには,廉価タイプ (正規品であり,今回の模造品とは全くの別物)だと,「使用中に切れた」というレビューも見たことがあります.そのため,正規品でさえ,廉価版だと切れるのに,今回の問題となっている模造品ではそもそも素材・縫製に問題があると言っているため安全上,大きな支障が出ると考えられます.
次に,左右のグリップの仕様が逆になっているということですが,要は右手につけるものが模造品では左につける様になっているということです.この点について,パワーグリップの使いたてだと,左右を逆につけていてもほとんどの違和感がありませんが,使い慣れてくると,左右逆に装着すると非常に違和感があります.掌をみると,掌は親指がある方に開いた様な構造になっているため,それに追従するために,パワーグリップも親指のある方向にパワーグリップのラバーがあります.
今回の模造品では,それが逆になっているということで小指側にラバーがきます.
この様に,左右逆の仕様になると,そもそも,バーに巻きつけるのが大変になるのではと思ってしまいます.正規品の仕様だと,親指部分に隙間があるため,バーベルやダンベル,マシンのアタッチメントに巻きやすくなっているのですが,模造品の仕様だとそのメリットがなくなってしまいます.結果的に,手首に無理な負担がかかる可能性が大きいため,怪我のリスクが増大します.
ただ,今回の模造品の厄介なところは,ゴールドジム側が発表している様に,「全てが全て,左右が逆になっているわけではない」という点です.そのため,知らず知らずのうちに,自分が模造品を使っている可能性があるということですよね….
今回,「全てが全て左右逆になっているわけではない」という点を考えると,かなり生産ラインでの管理がずさんであることが推察されます.そもそも,模造品を作っている時点で,かなりずさんな工程であることは考えられますが….
パワーグリップの模造品発生の発端について考える
今回の模造品について,比較の画像を見る限り,正直言って区別することは難しいですね.恐らく,パワーグリップをかなり使い慣れている人でないと区別することが難しく,恐らく初めてパワーグリップを購入した方判別は不可能であると考えられます.
ここからは推測なのですが,パワーグリップを買い換えようとした方が「購入したものが以前使っていたものと仕様が違う」とゴールドジムに問い合わせたのが発端なのかなと思います.その問い合わせがいくつもあって,ゴールドジム側が商品を発送してもらって,商品を精査したら今回の様な欠陥が見つかったのではないでしょうか.
それにしても,手口がかなり巧妙ですよね.
パワーグリップ自体は,ゴールドジムが製造しているのではなく,あくまでもVersa Grippsが製造し,それに「GOLD’s GYM」と刻印を入れているため,今回の模造品はゴールドジムだけではなく,Versa Grippsに対しても責任を負うことになりますよね (ゴールドジムのパワーグリップをよくみると,Powered by Versa Grippsという烙印がされているのを見ることができると思います.).そうなると,今回の模造品を生産している会社が摘発されたときにすごいことになりそうです.
終わりに…
ゴールドジム側の注意喚起があるとおり,しばらくはゴールドジムが販売していると確認できるところ以外でパワーグリップを購入することはしばらく控えた方が良いかもしれません (特に,アマゾンなどの通販サイトは気軽に購入できますが注意が必要だと思います.).これは,パワーグリップ自体が7000円くらいするため,間違えて模造品を買った場合,出費としては小さくないためです.
これから,パワーグリップの購入を考えている方は気をつけてください.