トレーニングベルトは,一般的には,腹圧を補助するトレーニング道具と言われており,高重量のスクワット,デッドリフト,ベンチプレスなどのトレーニングには欠かせません.
その一方で,色々なトレーニング動画を見ていると,腹圧をそこまで要するわけではないトレーニングにもかかわらず,トレーニング中,トレーニングベルトを巻いている選手が多いのに気づきます.
これには,何らかの理由があるのでしょうか.
今回は,この疑問に対して,トップコーチの一人に数えられるCharles Glassが解説している動画を見つけたため,皆さんとシェアしたいと思います!
Charles Glassがトレーニングベルトの着用について説明した動画
Charles Glassがトレーニングベルトの着用について説明した動画ですが,以下になります.
動画の作成元は,Charles Glassのyoutubeチャンネルになります.
今回の動画ですが,全体としては2:42と非常に短い動画になりますが,動画の前編と後編では,Charles Glassの異なる動画の素材を用いており,何れでもトレーニングベルトを着用する理由について述べられています.
トレーニングベルトは,ウエストをタイトに保つために効果がある
まず.動画の前半では,Charles Glassとオリンピアの司会でお馴染みのBob Chicherilloがトレーニングベルトの着用について議論を行っています.
Bob Chicherilloですが,冒頭で述べた疑問と同様に,「腹圧がそこまで必要なトレーニングでもないのにトレーニングベルトを着用する意味はあるのか」というニュアンスの疑問をCharles Glassに投げつけ,それについて,彼は以下の様に答えています.
If you leave it on, it’s easy tighten it up once you take it off and quit first thing happen you start to breathe the through the abdomen not so much the diaphragm and so that waist is gonna do what expand a little more.
つけたままにしておけば,外したり,装着をやめない限り,簡単にウエストを締めることができます.ベルトを締めることで,横隔膜ではなく腹部から呼吸を始め,腰がもう少し伸びるような動きをします.
つまり,ベルトをトレーニングしないでトレーニングを続けた場合,腹部も筋肉になりますから,腹圧をかける様なトレーニングをすると腹部が肥大することになり,そうなった場合はウエスト周りが太くなります.それをトレーニングベルトをすることで,外圧を加えることで外側に肥大することを抑制することが可能となります.要は,トレーニングベルトにてコルセットによる腹部矯正を実施している様なイメージになるのでしょう.
これに対して,多くの人が反対する意見ですが,Bob Chicherilloが引用している様に,「ベルトの着用により,体幹が鍛えられなくなる」ということです.
この反対意見に対するCharles Glassの見解ですが,後半の動画にて以下の様に説明しています.
you can work your core without it but bottom line, it only takes that one time to get hurt and when you hurt that back you’re done
トレーニングベルトであなたの体幹を働かせることができますが,最終的には,一度で体幹は傷つきます.そうなった場合,それを傷つけた時点で終わります.
すなわち,腹圧を鍛えるという目的でトレーニングベルトを着用しないで怪我をするリスクを考えた場合,トレーニングベルトは確実に装着した方が良いということが述べらえています.
一方で,パワーリフター,ストロングマンの様な選手の場合はまた異なり,彼らの動作というのは”solid foundation”,すなわち,体をガチガチに固めて基盤を作った状態にするために腹圧でウエストが広がるのを押さえつけることで力を出しやすくしているということも述べられています.
終わりに…
トレーニングベルトですが,コンテストに出場する選手の中には,直前期においてトレーニングベルトをしながら有酸素運動をするという選手もおり,こういった選手は,今回述べた様なウエストラインの引き締め効果を狙っているのでしょう.
ウエストラインは,身体をVテーパーに見せる上で,大変重要な役割を果たしますから,だからこそ,トレーニング中にトレーニングベルトを常時着用するという手法をとっているのでしょう.