ダイエットを行う際に,まず最初に考えることが,「有酸素運動の量を増やすこと」,「食事の量を減らすこと」の2点ですが,漫然とやっているといつまでたっても成果が出ないことがあります.
また,バルクアップを行う際には,「食事を増やす」ということを考えますが,こちらも漫然にやっていても成果が出ないことがあります.
そのため,ダイエットもしくはバルクアップに限らず,以上の行動を起こす前に,まずは,自身の状態について知ることが重要となります.
今回は,ダイエット及びバルクアップを行う上で非常に重要な基礎代謝量と総消費カロリーの計算方法について皆さんとシェアしたいと思います.
基礎代謝量 (BMR)と総消費カロリー (TDEE)がなぜ重要か
ダイエットの基本は,「摂取カロリーよりも消費カロリーを大きくする」ということにあり,バルクアップの基本は「消費カロリーよりも摂取カロリーを大きくする」ことにあります.以上の原則が守れていれば,身体は自然と変わってくるはずです.
ダイエットをしている中で,「有酸素運動をしている」もしくは「食事の量を減らしている」にも関わらず,「体重が減らない」と悩んでいる方の多くは,当たり前ですが,「消費カロリーよりも摂取カロリーが大きくなっている」状態です.すなわち,きちんとBMRとTDEEの計算を行っていない可が故に,有酸素運度の強度及び食事制限が十分でない可能性が考えられます.
一方,バルクアップしている中で,「自分の中では食べている」にも関わらず,体重がうまく増加しないと悩んでいる方の多くは,こちらも当たり前ですが,「摂取カロリーよりも消費カロリーが大きくなっている」状態です.すなわち,これも,きちんとBMRとTDEEの計算を行っていない可が故に,摂取している食事量が十分でない可能性が考えられます.
以上より,ダイエットをするにも,バルクアップをするにも,その前に,BMRとTDEEを計算することが非常に重要となります.
基礎代謝量 (BMR)の計算方法
基礎代謝量 (Basal Metabolism Rate, BMR)とは,何もしないで消費されるカロリーのことです.
人は,心拍,呼吸,体温の維持などを無意識で行っていますが,この際にカロリーが使われています.そのため,一日のカロリー摂取でまず目安となるのが,基礎代謝量になります.理論上は,この値のカロリーを摂取しておけば,生命活動は過不足なく行うことができます.
BMRは,先行研究においていくつかの計算方法が提案されているのですが,最も一般的なのがハリスベネディクトの式になります.ハリスベネディクトの式において,日本人のBMRは以下の通りに計算することができます.
- BMR (男性) = 66 + 13.7 × 体重 (kg) + 5.0 × 身長 (cm) – 6.8 × 年齢
- BMR (女性) = 665 + 9.6 × 体重 (kg) + 1.7 × 身長 (cm) – 7.0 × 年齢
(女性で右辺の一項目で665となっていますが,間違いではありません.)
他にも多数の計算式が提案されていますが,以上の式が最も一般的です.
実際にそこまで計算するのは面倒ではありませんが,インターネット上に計算するツールがたくさんあるため,そちらを利用しても良いと思います (ただ,サイトによって出てくる数値が微妙にことなることがあります.これは,前述した通り,BMRを計算するために用いている計算式が異なるためになります.).
総消費カロリー (TDEE)の計算方法
総消費カロリー (Total Daily Energy Expenditure, TDEE)は,運動などの日常的な行為を含んだ一日の総消費のカロリーのことです.
前述したBMRとは,あくまでも人間がただ生きているだけで消費するカロリーでしたが,実際にはそれに加えて,我々は運動をするため,運動の強度に応じて総消費カロリーは個々人で異なります.そのため,TDEEは,BMRを基準にして計算されます.
TDEEは,以下の計算式で求められます.
- TDEE = BMR × 運動レベル係数
運動レベル係数ですが,以下の様にまとめられます.
運動レベル | 運動状況 | 運動レベル係数 |
---|---|---|
運動レベル1 | 運動をほとんどしない人 | 1.2 |
運動レベル2 | 週に1-2日,運動を行う人 | 1.375 |
運動レベル3 | 週に2-3日,運動を行う人 | 1.55 |
運動レベル4 | 週に4-5日,運動を行う人 | 1.725 |
運動レベル5 | 週に6日以上運動を行う人 | 1.9 |
ここでポイントですが,自身の運動レベル係数を高くも積もらないことです.そのため,特にダイエットを行う際には自身の運動頻度に対して一つレベルを下げるくらい厳しく見積もっても良いと思われます.
終わりに…
これから初めてダイエットを行おうとする方は,まずは,今回紹介した方法を基にして自身のBMRとTDEEを計算してから,ダイエット計画を立てましょう.
BMRとTDEEからもわかる通り,まさしく,「己を知り敵を知れば百戦危うからず」ですね.