2001年のロニーコールマンは急激な脱水で「砂漠の様だった」

ロニーコールマン 2001

ミスターオリンピアを史上最多タイの8連覇を成し遂げたRonnie Coleman (ロニーコールマン)は,ミスターオリンピア 2001の直前に脱水症状で死を覚悟したという話があります.

この話について振り返りながら,レジェンドの一人であるSamir Bannoutが水抜きの危険性について指摘する動画を見つけたため,皆さんとシェアしたいと思います.

Samir Bannoutとは

Samir Bannoutは,1955年レバノン出身のプロボディビルダーです.身長は,170 cm,体重は88.5 kg-93 kgだったと言われています.

彼は主に80年代に活躍した選手です.

彼は,World Amateur Championships 1979, Light Heavyweightクラスで優勝することでプロカードを取得します.

プロ転向した翌年1980年からミスターオリンピアに出場し,ミスターオリンピアには1980年から1984年,1988年から1992年,1994年までの11回出場し (1984年と1988年の間にブランクがあるのは,他団体であるWABBAのコンテストに出場したための処分である様です.),ミスターオリンピア 1983年で優勝するなど素晴らしい成績を誇っています.

彼の体重を見ると分かりますが,1990年台の選手と比較すると著しく体重が軽いことがわかります.彼がミスターオリンピアを制した1983年において,彼の体重は196 lbs (=88.9 kg)であり,これがオリンピアで制した選手の中で体重が200 lbs (= 90.7 kg)以内だった最後の選手です (ここから,オリンピアは,Lee Haney (リーヘイニー),Dorian Yates (ドリアンイェーツ)とサイズ重視の時代に入っていきます.).

Samir Bannoutが水抜きの危険性について指摘する動画

Samir Bannoutが水抜きの危険性について指摘する動画は以下です.

動画の作成元は,Old School Labs™です.

今回の動画の長さは,1:32:43です.

Samir Bannoutが振り返るロニーコールマンの脱水症状

Samir Bannoutは,ミスターオリンピア 2001に向けて準備する際のロニーコールマンの脱水症状について以下のように述べています.

Look I was there I saw Ronnie Coleman and he was sliced beyond your imagination. Ronnie was as dry as the desert sand. I walked into the room that day I can tell you the truth — I saw about 24 gallons of water. 24 maybe more. It was all around the room, water everywhere. I swear to God

私はそこでロニーコールマンを見ましたが,彼はあなたの想像を絶するほど痩せていましたよ.ロニーは砂漠の砂のように乾いていました.あの日部屋に入った時,24ガロンの水を見たんです.24ガロン,いやもっとかもしれない.部屋中が水でいっぱいだったんです.神に誓って本当です.

ミスターオリンピア 2001に向けて,ロニーコールマンは極度の脱水症状に陥ってしまったのですが,この問題に対して,彼のコーチであるChad Nichollsは,彼にすぐに水を飲むように指示しました.

(そのために、ロニーコールマンの仕上がりは微妙になってしまったわけですが….).

だからこそ,今回,Samir Bannoutは「ロニーコールマンの部屋が水でいっぱいだった」という表現をしているのでしょう.

その水の量ですが,24ガロン,約90.8Lになります.つまり,2Lペットボトルが45本あったということであり,これを全て飲んだとは考えづらいですが,進行する脱水を食い止めるためにかなりの量の水を飲んだことが推察されます.

インスリンの服用が脱水を進行させる

以上の問題からもわかる通り,水抜きは仕上がりをよくする一方で,大変な危険があります.また,現代では,肥大化するために,インスリンの服用が一般化していますが,インスリンの服用が脱水をより進行させていると指摘します.

You know sometimes you need water to look better. Then they make the stupid dumb mistake, the dehydrates you even more and that leads to deadly consequences. Sometimes drinking water is going to make you incredibly better.

This is why you need to be with a capable coach.

見栄えを良くするために水が必要な時があると知っているはずです.それから彼らは愚かな間抜けな間違いを犯し,インスリンがさらに脱水を引き起こし,それが致命的な結果につながるのです.水を飲むと信じられないくらい良くなることがあるんです.

これが有能なコーチと一緒にいる必要がある理由です.

以上の指摘から,インスリンによる脱水症状は,思いがけない速度で進むということが予想でき,これによる急激な脱水を防ぐという安全面も考慮してコーチの存在があるということを指摘しています.

 

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ただ,現状,それでも急激な脱水から選手を完全に守ることはできておらず,それが2021年に発生した著名選手の突然の死去にも関係しているとSamir Bannoutは指摘します.

終わりに…

今回,Samir Bannoutは,本来,水抜きの指示は医師が行うべきであるということを指摘しており,生理学に精通していない一般人が実施すべきでないことを述べています.

実際,アマチュアのコンテストでも水抜きは実践されていますが,それを正しく実施することはかなり難しく,場合によっては生命を脅かす可能性があるということには留意する必要があります.

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