トレーニングをする際のグリップの種類について考える

バーベルやダンベル,マシンの持ち手を握る際に「どの様にして握るか (=グリップ)」は非常に重要です.

私もトレーニング初心者の頃は,何も考えずに漫然と持ち手をベタ握りにしていましたが,実はグリップを変えることで刺激が大きく変わることがあります

今回は,各種グリップの種類について説明します.

サムアラウンドグリップ

サムアラウンドグリップとは以下に示す様に,持ち手を完全に握りこむグリップです.

サムアラウンドグリップ トップサムアラウンド グリップ サイド

このグリップの特徴として,握力を大きく使えるため,高重量を扱い易いという特徴があります.そのため,ウェイトリフターのベンチプレスの握りを見てみると,サムアラウンドグリップにしている人が多いですね.ただ,このグリップは,重量を握力で受けるため,高重量を扱えるものの,「対象部位に効かせる」という目的では効果が劣ります.そのため,トレーニング中級者以降になると,サムアラウンドグリップを多用している人はあまり見かけませんね.

サムアラウンドグリップがおすすめの種目は以下の通りです.

  • 高重量のベンチプレス
  • 高重量のアームカール
  • リストラップ,パワーグリップを使わないデッドリフト
  • リストラップ,パワーグリップを使わないバーベルロウイング

etc.

以上を見れば分かる通り,基本的に高重量で握力の補助がないと難しい種目でサムアラウンドグリップを使うということですね.

と言いつつも,私はサムアラウンドグリップを用いることはほとんどありません.理由としては,プッシュ系の種目では,サムアラウンドにするとよくわかりませんが親指と人差し指の間が異常に痛くなってしまうことと,プル系の種目ではリストストラップもしくはパワーグリップを使って握力の補助をしてしまうためです.

サムレスグリップ

サムレスグリップとは以下に示す様に,サムアラウンドグリップから親指だけを外したグリップです.

サムレスグリップ トップサムレスグリップ サイド

サムレスグリップにすることで,握力をあまり使わずに重量を受けることができる様になります.そのため,対象部位に効果的に効かせることができます.ただ,握力で受けない分,手首で重りを受ける様になるため,手首に負担がかかりやすくなり,高重量のトレーニングでサムレスグリップを使うと怪我をしやすくなります

サムレスグリップがおすすめの種目は以下の通りです.

  • スカルクラッシャー
  • バーベルナロープレス
  • ダンベルフライ
  • 背中トレーニング全般

etc.

基本的に,胸,三頭筋の種目でプッシュする種目はサムレスグリップがおすすめです.いずれの種目もサムアラウンドグリップにすれば,高重量を扱いやすくなりますが,あえてサムレスグリップにすすることで,握力を使わない分,ボトムポジションでストレッチを感じやすくなるというメリットがあります

また,背中トレーニングでも有効です.背中のトレーニングは,とにかく握力を使わないで背中で引く感覚が重要であるため,握力を積極的に使おうとしないサムレスグリップがおすすめとなります.

私は,サムレスグリップは多用します.理由としては,前述した通り,握力を使わないで対象部位に直に重りの刺激を乗せることができるためです.昔までは,高重量のベンチプレスを行う際にはサムアラウンドグリップを用いていましたが,今はもっぱらサムレスグリップですね.

サムアップグリップ

サムアップグリップとは以下に示す様に,サムレスグリップの際に親指をバーベルもしくはマシンの持ち手に沿わせるグリップです (調べたところ,どうやらバトミトンで一般的なグリップの様ですね).

サムアップグリップ トップサムアップグリップ サイド

サムアップグリップにすることで,重量を上げる際に「内側への意識」が働きやすくなります (親指が目印になるため,より中央へ寄せて挙げるという意識が働くのだと考えます)

重量を上げる際に「内側への意識」が重要となるのは胸トレであるため,このグリップは主に胸トレの際に大きな効果を発揮します.大胸筋の内側は多くの人にとって苦手な部位なのですが,こうすることによって大胸筋の内側まで刺激を与えることが可能となります.

サムアップグリップがおすすめの種目が以下の通りです.

  • ベンチプレス
  • マシンプレス

etc.

基本的に,胸トレをする際に,サムアップグリップにすると良いと考えるのが手っ取り早いです.個人的な感想ですが,ベンチプレスの際にサムアップグリップを採用すると,扱える重量は減りますが,効きはサムレスグリップ等に比べて格段に良くなるため,ベンチプレスであまり大胸筋に刺激がこないと悩んでいる人にはおすすめのグリップです.

終わりに…

大きく分けてこれくらいのグリップがありますが,握る位置等を考慮に入れるとその数はもっと多くなります.初心者のうちは,中々,トレーニング中にグリップまで神経が行かないとは思いますが,トレーニングに慣れてきた方,中級者で停滞してしまっている人は,色々なグリップを試してみるのも良いかもしれませんね.

関連記事