チーティングは「悪」なのか?チーティングの正しい取り入れ方

トレーニングのテクニックの一つにチーティングというものがあります.

チーティングは,高重量を扱うことができる様になるトレーニングテクニックですが,はたから見るとフォームがめちゃくちゃですよね.実際に,トレーニングにチーティングを取り入れることは果たして正しいのでしょうか.

今回は,そのチーティングについて,その正しい取り入れ方について皆さんとシェアします!

そもそもチーティングとは

チーティング(Cheating)とは,直訳すると,「反則をすること」という意味になります (よく,ゲーム界隈では改造することを「チート」と言いますが,それと同じ意味です.).ただし,トレーニングで言う,チーティングとは単純に反則,ズルをすることではなく,フォームを変えて限界を超えると言うことを意味します

すなわち,トレーニングでは,チーティングをすることが必ずしも「悪」ではありません

チーティングのメリット

一般的なトレーニングの場合,フォームを重視して実施するため,どうしても重量を扱えないことがありますが,チーティングを取り入れることによって,普段では扱えない重量を扱うことができます.そのため,チーティングのメリットとしては,以下が挙げられます.

  • 普段と異なった刺激を与えることが可能
  • 高重量を扱うことが可能

チーティングは,日本のトップ選手がよく使っている印象があります.また,海外の選手でチーティングを実施することで有名な選手といえば,やはりBranch Warrenですよね.

例えば,Branch Warrenが行っているバーベルショルダープレスですが,ボトムポジションでバウンドさせてトップ位置に復帰させています.

教科書通りのバーベルショルダープレスならば,ボトムの設定は顎の位置くらいにし,ボトムで一瞬静止してからトップに復帰するため,高重量が扱いにくいという問題点があります.

このようにボトムポジションでバウンドさせるという様にフォームを崩すことで高重量を扱うことが可能になります (動画では約165kgを扱っています….).ただ,Branch Warrenのトレーニングは,基本的に高重量でチーティングがすごいため,あまり参考になりません (プロボディビルダーであるため,ステロイドを使っており,それによりこの様な高重量トレーニング可能となります.)

(余談ですが,Branch Warrenのトレーニングマナーは真似しないようにしましょう笑.)

チーティングのデメリット

チーティングは,非常に高度なトレーニングテクニックが必要となります.トレーニングテクニックがない状態でチーティングを実施しても,対象部位を疲弊させることは困難です.また,チーティングでは比較的重りを振り回すようにしてあげる ( = 一見すると重量をコントロールしない様に)ことが多いため,怪我のリスクが付きまといます.

すなわち,チーティングのデメリットとしては,以下が挙げられます.

  • 対象部位に効かない恐れ
  • 怪我をするリスクが増大

以上のリスクから推察されるように,チーティングは気軽にできるトレーニングテクニックではないため,初心者にはおすすめできません

チーティングの正しい取り入れ方

ステップ1:まずは,正しいフォームを身につける

チーティングを取り入れる前に,その種目でのフォームを固め,正しいフォームを身に付けましょう

ジムでフォームを崩しながらトレーニングをしている人の多くは,「チーティングを行っている」と言い張りますが,単純にフォームが固まっておらず,正しいフォームが身についていない状態です.この状態でチーティングをしても,対象部位の筋肉は疲弊せず,特に関節などの怪我をするリスクが増えるだけです.

ステップ2:疲労した状態からのチーティングの実施

正しいフォームが身についたならば,まずは,正しいフォームでできなくなる回数までトレーニングを行います.その後,チーティングにより,場合によっては,振るように重りを上げ下げすることで普段よりも回数を多く実施します.これにより,筋肉を最大限に疲弊させることが可能となります.

また,チーティングに慣れていないうちは,最初からチーティングをしないと扱えないような重量設定を行わないことも重要です.慣れれば1回目からチーティングをしても効きを感じることが可能となりますが,疲れている状態の方がチーティングの効きを実感しやすいため,チーティング初心者のうちはセットの最後で取り入れることをお勧めします.

ステップ3:チーティングの効果をもっと出したいなら

より効果を追求したいならば,解剖学的アプローチを身につけるのが良いと思います.解剖学的アプローチを身に付けたいならば,IRONMANの鈴木雅選手のコラムが非常に分かりやすいためおすすめです.

また,解剖図鑑を一冊手に入れて,それを読み込むというのも手段の一つとしてあります.

終わりに…

チーティングは口で言うのは簡単ですが,実際にはかなり高度なトレーニングテクニックです (私も種目によってチーティングが得意/不得意なものがあります).チーティングを行う前に,正しいフォームを身に付けましょう!

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