ロニーコールマンが取り入れていたテクニック!21レップ法のやり方

一般的に,トレーニングにおいて適切な回数設定は12-15回と言われることが多いです.その一方で,「21回」という中途半端な回数を設定して実施するトレーニング方法もあり,これが「21レップ法」と呼ばれるトレーニングテクニックです.

今回は,21レップ法についてご紹介します.

ロニーコールマンとは

Ronnie Coleman(ロニーコールマン)は,1964年アメリカ生まれのプロボディビルダーです.身長は180 cm,体重は134 kg-149 kgです.

 

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彼は,間違いなく最も有名なプロボディビルダーの一人であり,その理由としては,ミスターオリンピアをLee Haney(リーヘイニー)史上最多タイの8連覇を成し遂げたためでしょう.1990年代は,ボディビルディングはGoleden Era(黄金時代)と呼ばれており,その中でも圧倒的な強さを誇ったロニーコールマンを別格と考える人は,現在でも多いです.

彼は,サイズ,コンディション,バランスなど全てが高次元に両立した選手ですが,特筆すべきはその圧倒的なサイズでしょう.そのサイズをつけるため,常軌を逸した高重量のトレーニングを実施していたことは非常に有名であり,その弊害では現在,様々な後遺症に悩まされています.

そのトレーニングの一環で取り入れていたのが21レップ法であり,今回紹介するロニーコールマンのEZバートレーニングの21レップ法はあまりにも有名です.

21レップ法とは

「21レップ法」のレップとは,「repetitions」で「回数」を意味しており,「21レップ法」とは「21回,特定の種目でレップを刻む方法」です.

21レップ法は,淡々と21回のレップをこなす筋トレ方法ではありません.パーシャル (極めて限定的な可動範囲),ミドル (中ぐらいの可動範囲),フルレンジ (最大の可動範囲)からなるトレーニングを1セットで各7回ずつ行うトレーニング方法を指します.すなわち,合計で21回行うため21レップ法といいます .

トレーニングでは,回数が多い種目は遅筋を発達させ,回数が少ない種目は速筋を発達させると言われているため,21レップ法の回数だけに着目すると遅筋を発達させる印象を持ちます.ただ,実際には,全ての可動域で筋肉を稼働させることを目的としており,各レンジでの回数は7回自体と少ないため,必ずしも遅筋を狙ったトレーニングではないことに留意しましょう.

21レップ法のやり方

21レップ法は,前述したように,パーシャル (極めて限定的な可動範囲),ミドル (中ぐらいの可動範囲),フルレンジ (最大の可動範囲)で特定の種目をそれぞれ7回ずつ実施します.

実施する21レップに対して,レストポーズなどを組み合わせる方法もないとは言い切れませんが,基本的にはセット中には休憩を挟まないで実施します.ただし,7レップ毎に可動域を変更するためにレストポーズを取ることができるため,基本的には7回休まないで実施することを目標に実施します.

21回もの高回数を実施するため,セットの後半になるとどうしてもフォームが崩れやすくなります.しかも,最後に実施するのはフルレンジであり,どうしてもチーティングを使いがちになってしまうことが多いため,特にセットの後半はフォームが崩れないように注意して実施するようにしましょう

21レップ法が適する種目

21レップ法は,EZバーカールで実施することがほとんどです.

そもそも,21レップ法はEZバーカールのレパートリーの一つとして,ロニーコールマンが実施していたのが非常に有名であり,その影響もあって21レップ法で実施する種目は基本的にはEZバーカールです.

ただし,21レップ法とは,「パーシャル (極めて限定的な可動範囲),ミドル (中ぐらいの可動範囲),フルレンジ (最大の可動範囲)で特定の種目をそれぞれ7回ずつ実施」するトレーニング方法であることから,実施する種目はEZバーカールに限定されている訳ではありません.基本的には,可動域が広い種目では,その可動域を分けることで21レップ法を実施することができます

一方,可動域が狭い種目は,結果としてパーシャル (極めて限定的な可動範囲)とフルレンジ (最大の可動範囲)が大きく変わらないというため,あまりおすすめできません

21レップ法のメリット

難易度が高くない

21レップ法のメリットとして,難易度が高くないことが挙げられます.

21レップ法は,極論では,パーシャル (極めて限定的な可動範囲),ミドル (中ぐらいの可動範囲),フルレンジ (最大の可動範囲)でのトレーニングを7回ずつ実施すればよいだけになります.このため,実施するトレーニング種目を決定して,その動作をしっかりとマスターしていれば,以上を実施することはそこまで難しくありません.

難易度が高くないということは,筋トレ初心者でも実施できるということであり,特定の種目をマスターしたのならば,レパートリーの一つとして取り入れてみましょう

いつもとは異なった刺激を与えることが可能

21レップ法のメリットとして,いつもとは異なった刺激を与えることが可能であることが挙げられます.

通常,12-15回1セットが広く実施されている中で,1セットで21回もの回数を実施するのは筋肉にとって非常に珍しい刺激になり,これによりいつもとは異なった刺激を与えることを期待できます.

また,筋トレの種目は,ミドルレンジ(中ぐらいの可動範囲)で実施する種目が多いです.このため,パーシャル (極めて限定的な可動範囲),フルレンジ (最大の可動範囲)で実施するのが筋肉にとっては非常に珍しい刺激となり,効率的に筋肉を鍛えることを期待できます.

効率的に筋肉を鍛えることが可能

21レップ法のメリットとして,効率的に筋肉を鍛えることが可能であることが挙げられます.

前述したように,トレーニングの種目は特定のレンジで実施することが多いため,これに伴って入る刺激も特定の刺激に偏りがちになります.一方,21レップ法では,パーシャル (極めて限定的な可動範囲),ミドル (中ぐらいの可動範囲),フルレンジ (最大の可動範囲)の全ての可動域でトレーニングをすることができるため,様々な刺激を筋肉に対して与えることができ,効率的に筋肉を鍛えることを期待できます.

21レップ法のデメリット

高重量を扱いにくい

21レップ法は,高重量を扱いにくいという問題があります.

21レップ法は,パーシャルレンジ (極めて限定的な可動範囲)で実施することから,これが予備疲労法の役割を果たします.これは,エクササイズ効率を高めること,怪我をしにくくすることに寄与しますが,その一方で,重量を扱い辛くなります.このため,重量を扱ってトレーニングしたいときにはあまりおすすめできません.

また,「21回」という高回数を実施する必要があるため,これも高回数を実施できない原因です.

重量設定が難しい

21レップ法は,重量設定が難しいという問題があります.

21レップ法では,通常実施しないパーシャル (極めて限定的な可動範囲),ミドル (中ぐらいの可動範囲),フルレンジ (最大の可動範囲)で実施するため,重量設定が難しいです.中途半端な重量設定にすると,21回実施できない可能性が高いことから,まずは軽めの重量設定にして,自身がギリギリで実施できる重量を探りましょう.

21レップ法のやり方の例

ロニーコールマンのEZバーカール

21レップ法は,やはりロニーコールマンの実施しているものが最も有名であり,以下の動画です.少々古めの動画ですが,ロニーコールマンの腕トレーニングの動画であり,21レップ法を使っているEZバーカールは3:45-です.

今回のロニーコールマンのEZバーカールでは,ボトムからのパーシャルレップで7回,トップからのパーシャルレップで7回,最後にフルレンジでの7回での21レップ法を行っています.この順番に関しては,厳密な決まりはありませんが,最初にフルレンジでやると言う人はあまり見たことがありません.一般的にはショートレンジからフルレンジと言う様な順番で実施します

Sadik HadzovicのEZバーカール

21レップ法というと,ロニーコールマンがあまりにも有名ですが,Sadik Hadzovicもトレーニング方法の一つとして取り入れていたようですね.21レップ法は,1:32-2:56です.

Sadik Hadzovicの場合,トップからのパーシャルレップで7回,ボトムからのパーシャルレップで7回,最後にフルレンジでの7回での21レップ法を行っています彼曰く,トップポジションでは収縮を感じるのが重要みたいですね.そのために彼は比較的重量が軽いものを使って21レップ法を行っています.

終わりに…

ロニーコールマンというと,高重量のスクワットやデッドリフトがあまりにも有名ですが,21レップ法の様な比較的軽い重量で行うトレーニングも行っていた様です(それでも,w我々からすればとんでもない重量設定ですが….).

皆さんも21レップ法を取り入れて,もう一つ上の身体を目指しましょう.

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