セット中に休憩するのは良いのか.レストポーズ法のやり方

トレーニングの基本は,「種目中に絶えず対象部位に刺激を与え続けること」ですが,実はこの基本とは真逆のことを推奨するトレーニング方法こそレストポーズ法です.

レストポーズ法は,的確に取り入れると非常に有効なトレーニングテクニックとなります.

今回は,レストポーズ法のやり方について皆さん公開します!

レストポーズ法とは

レストポーズ法とは,レストポーズと表現されることが多く,英語で「rest pose」,つまり「休憩のポーズ」を意味し,種目中に休憩時間を設けるトレーニング方法です.

トレーニングの基本は,動作,セット中にターゲットの部位に対して常に負荷を与え続けることです.すなわち,レストポーズ法とは,このトレーニングの基本とは真逆の方法を行います

レストポーズ法は一般的に高重量のトレーニングで取り入れられることが多いです.

例えば,ベンチプレスをマックスの重量で6回行うとします.基本通りならば,6回を連続で行う必要があると考えるのですが,レストポーズ法を取り入れると実施方法が異なります.つまり,レストポーズを取り入れた場合,4回は連続でやって (この4回目の時点で自身の力を使い切っていることが前提です),トップのポジションで若干の休憩を入れたのち,残りの2回を行います

このようにすることで,通常,実施することができない回数で実施することができ,より高負荷のトレーニングを実現することができます.

レストポーズ法のメリット

(比較的)高重量,高回数を実現可能

レストポーズ法は,比較的高重量を高回数の実施を期待できます.

高重量のセットにおける回数は比較的少ないことが多いですが,レストポーズを取り入れることで高回数の高重量のセットを組むことも理論上可能です.これにより,エクササイズ強度を高めることを期待できます.

ただし,レストポーズ法を取り入れたとしても,セットの後半はパーシャルレップになってしまうことが多いという点には留意する必要があります.

息を整えることが可能

レストポーズ法は,息を整えることを期待できます.

特に,スクワットを考えるとわかりやすいですが,実施していると筋肉が疲労することに加えて息が上がるという問題があります.レストポーズ法を取り入れることで,筋肉を休ませることに加えて,息を整えることができるというメリットがあります.これにより,筋肉が疲労した状態,息が上がった状態ではできなかった回数を実施でき,自身の限界を超えることを期待できます.

レストポーズ法を取り入れる上での注意点

最初の1回目からレストポーズを入れる必要がある場合,その重量は重すぎるため減らしてトレーニングを行った方が良いということです.

1回目からレストポーズが必要な重量は,自身のテクニックで扱える重量の範疇を超えている可能性が高く,それに伴って正確なフォームで実施できない可能性が非常に高いためです.この場合には,重量をやや減らして,最低でも2〜3回実施し,レストポーズを入れることができる重量を選択するようにしましょう.

レストポーズ法の時間

レストポーズの時間は正直,個々人の差が大きいです.

例えば,海外のプロボディビルダーならば,その多くはコーチとトレーニングしているため,コーチがレストポーズの時間を管理します.コーチは,実際に選手がどのような特性を持っているかを認識しているため,適切なインターバルの時間を指示することができます.

一方,我々の様に個人で行う場合には,インターバルを取りすぎるのではなく,もう1回か2回位できるまで回復させる時間でインターバルを設定するのが良いでしょう (個人的な経験談として,「2回くらいできるな」と自分で感じても実際には1回,場合によってはできないと言うケースの方が多いです.).

レストポーズ法の実際の取り入れ方の例

レストポーズ方の取り入れ方ですが,以下の動画を参考に考えてみます.

この動画は,主にプロボディビルダーのFlex Lewis(フレックスルイス)が彼のコーチであるNeil Hillとトレーニングをしているものになります (2014年のミスターオリンピア10日前のトレーニングですね.).

まずは,レッグエクステンションですが,回数設定は20回になります.これに対して,フレックスは,12回→レストポーズ→4回→レストポーズ→4回という様なメニューを組んでいます.レストポーズの秒数ですが.5秒程度ですね.そのため,かなり短めのレストポーズであることが分かります.

次に,プレートローディングタイプのハンマーストレングス社の45度レッグプレスです.この種目は,回数設定等の詳細情報については分かりませんが,少なくとも,レストポーズを入れていることが分かり,レストポーズを入れた後のセットはパーシャルレップ気味になっていることがわかると思います.

以上の様に,フレックスルイスが行うトレーニング ( = Neil Hillが提唱するY3Tトレーニング)は,レストポーズが多いイメージがありますね.

レストポーズ法はどんな人におすすめか

レストポーズ法は,中・上級者のテクニックであり,初級者にはおすすめすることができません

この最大の理由としては,先ほども述べたようにレストポーズ法がトレーニングの基本に則ってないからです.初心者がレストポーズ法を用いた場合,レストポーズをとった後にフォームを大きく崩す危険があります.また,レストポーズをしなければならないほどの重量を正しいフォームで扱っているとは考えにくいです.また,レストポーズをするタイミングというのも結構シビアであるためです.自身の力を使い切ったところでレストポーズをするという感覚は意外と初心者の方には難しいと思います.

したがって,レストポーズ法はフォームがしっかりと習得したトレーニング中級者以降の方におすすめです.

終わりに…

レストポーズ法は,トレーニングの基本に則ってきた方には最初は非常に抵抗があると思います.

しかし,慣れて,適切なインターバルを設定することができれば非常に効果的なテクニックです.ぜひ,レストポーズ法を取り入れることにより,限界を超え,さらにレベルアップした肉体を手に入れましょう.

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