基本的だが非常に効果がある!POF法解説

pof

トレーニング種目は,筋肉の稼働の仕方で刺激の入り方が大きく異なります.それを利用したトレーニング方法がPOF法です.

今回は,POF法のやり方からメリット,デメリットをご紹介します.

POF法とは

POF法とは,Positions Of Flexionの略称であり,これを日本語訳すると「屈曲する位置」となります.これは,POF法の特徴を端的に表しており,単一の種目,例えばアームカールでを肘を屈曲させる位置を変えることで,異なる刺激を筋肉に与えることが可能となります.

POF法は,比較的,最近に提唱され始めたトレーニング方法であり,トレーニング雑誌IRONMANにて紹介されたのが発端であり,現在では,トレーニング初心者から上級者までが取り入れるトレーニング方法になっています.

POF法のメリット

POF法のメリットとして,以下の2点が挙げられます.

  • 可動域全体を使って満遍なくトレーニング可能である
  • トレーニングがマンネリ化しにくい

まず,POF法は,後述する様に,可動域全てを使うようにトレーニングの種目を決定するため,トレーニング全体で可動域全てで刺激を入れることができ,これにより,非常に効率的なトレーニングを行うことが可能です.自分で何も考えないでトレーニング種目を考えると,慣れていないと種目が偏る傾向があるため,POF法を知っているだけで,この問題を防ぐことが可能です.

次に,POF法は,後述する様に,刺激の種類が大きく異なった種目を実施します.このため,トレーニングをしている中でマンネリ化がしにくくなり,飽きにくくかつ,効率よくトレーニングを実施することが可能となります.

POF法のデメリット

POF法のデメリットとして,以下の2点が挙げられます.

  • トレーニングに時間がかかる.
  • 怪我の原因となることがある.

まず,POF法は,後述する様に,3つの可動域のトレーニングを基本にトレーニングメニューを組み立てる必要があります.このとき,各種目で1セットのみしか実施しないということはあまり考えらえず,基本的にはアセンディング方で実施すると考えると1種目は最低でも5セット実施することになります.それを3種目実施することから,トータルで最低でも15セット実施することになり,POF法を2倍の6セットで組んだ場合にはその2倍の30セットとなります.

こうなるとインターバルを含めて,1時間以内にトレーニングを終えることができるか,かなり怪しくなり,トレーニング時間がかかるという問題点があります.

次に,POF法では,後述する様に,1種目目にパワー種目を設定します.このため,トレーニングに慣れていないと,1種目終わった段階で力をかなり使い切っている状態であり,この状態で2種目のストレッチ種目,3種目目のコントラクト種目を実施することになります.

こうなると,特にトレーニングに慣れていない初心者の方は,力を出せない状態でトレーニングを続ける必要が発生し,これは怪我の原因となることがあります.

POF法のやり方

POF法では,ミッドレンジ種目,ストレッチ種目,コントラクト種目の3つを,この順番で取り入れてトレーニングを実施します.

ミッドレンジ種目は,ミッド (=Mid),つまり,可動域の中盤で最も刺激が入る種目であり,これは一般的に,以下に示す大きな力を必要とする種目が分類されます.

  • Ex. ベンチプレス,ショルダープレス,バーベルカール, etc.

ストレッチ種目は,ストレッチ,つまり,筋肉が伸展しているときに最も刺激が入る種目であり,これは一般的に,以下に示す小さな負荷でも十分に刺激が入る種目が分類されます.

  • Ex. ダンベルフライ,オーバーヘッドエクステンション,プリーチャーカール, etc.

コントラクト種目は,コントラクト,つまり,筋肉が収縮しているときに最も刺激が入る種目であり,これは一般的に,以下に示す種目が分類されます.

  • ペックフライ (やり方による),レッグエクステンション,キックバック, etc.

トレーニング種目によっては,やり方によってコントラクト種目になったりストレッチ種目になったりする種目もあるため,POF法を実施しようと考えている方は,予め,自身が予定しているトレーニング方法がどれに分類されるのかを調べてから実施するのが良いです.

21レップ法との違いは?

以上を見ると,トレーニングに良く精通している方は,21レップ法と何が異なるのかということを疑問に思うかもしれませんが,本質的には,21レップ法と同じであると考えて差し支えありません.

21レップ法も,パーシャル (極めて限定的な可動範囲),ミドル (中ぐらいの可動範囲),フルレンジ (最大の可動範囲)を各7回ずつ実施するトレーニングであり,それぞれが,コントラクト種目,ミッドレンジ種目,ストレッチ種目である考えられ,本質的には同じです.

異なるのは,1セットの中で実施するか,複数のセットに分けるかであり,21レップ法は,POF法のデメリットである時間が長いという問題点を解決できますが,高重量を扱いにくいという問題点があり,どちらを選ぶかはトレーニーの目的によって異なると言えます.

終わりに…

POF法は,トレーニング方法としては非常に基本的な考え方ですが,実際に実践すると非常に効率よく筋肉量を増やすことができるため,トレーニングレベルに関わらずお勧めの方法です.

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