シャイニー薊こと薊優希さんと言えば,youtubeでマッスルグリルとして活動している日本のトップフィジーカーの一人ですね.
個人的に,薊さんはここまで有名になる前から度々トレーニング動画を拝見させて頂くことがあったため,知っていたのですが,一躍有名になったのは昨年のJapan pro Weekendのプロクオリファイの舞台で見せた「バッキバッキ」のコンディションからではないかなと思っています.
そこから,薊さんが食べている”沼”なる食事が大ヒットしましたね.
今回は,そんな薊さんがマッスルグリルの企画の一つで,新しいマシンを考案・作製するというものを見つけました.個人的には,非常に興味深かったため,その内容について皆さんとシェアさせて頂きます!
マッスルグリル,油圧 + フリーウェイト複合マシン開発
今回の動画はこちらになっています.
基本的に,日本のジムに入っているマシンの多くは海外製であり,日本の向上でマシンを作っているというのは非常に珍しいです.
今回,薊さんたちが依頼した三星工業所は,オーダーメードでマシンを作成している日本では数少ないところの一つです.
一般的に,日本のジムで導入されているマシンの多くは,ウェイトスタック式 (ピンでウェイトをさすマシン)もしくはプレートローディング式 (プレートを装填するマシン)です.ただ,一部の日本のジムでは,怪我をした方,高齢の方,女性の方でも問題なく扱える油圧式のマシンというものが取り入れられています.
今回,マッスルグリルで作製をお願いしているのは,これらのハイブリットマシンです.
油圧とは
油圧とは,作動流体に油を用いたエネルギー伝達機構であり,一般的には油圧ジャッキやショベルなど,重いものを動かすものに使われます.その他に,作動流体に水を用いた水圧,空気を用いた空気圧などが一般的ですね.水圧は,油圧による油漏れを嫌う場所,例えば食品関係で用いられ,空気圧は重さが比較的軽いものを動かす際に使われまおす.
今回は,油圧マシンということであるため,油圧本来の「重いものを動かす」という仕様用途ではありません.ただ,油圧には,「重いものを動かす」という以外に,「動かした力に比例した抵抗力が生まれる」という特徴があります.そのため,早く動かせばその分だけ大きな抵抗力が生まれるということですね.
油圧マシンは,以上の特徴から,どれだけ早く押そうとしても一定の速さで動きます.そのため,軽い重量でも,重い重量でも押しているときの速さは一定になります.一方,戻す時には不可がかかりません.すなわち,油圧のプッシュ系のマシンは基本的には収縮をターゲットとしたマシンになります.
以上より,従来の油圧のマシンでは,ネガティブ動作時に負荷がかからないというデメリットがありました.その問題を克服するために,ウェイトスタック式と組み合わせた訳ですね.
油圧とウェイトスタックのハイブリットマシン
今回の施策は,チェストプレスのマシンです.動画中にもありますが,ウェイトスタックのマシンに油圧ってかなり簡単に取り付けることができるんですね.
動画中で実演していますが,特に押す時がかなりきつそうですね.重い重量に対してかなり力をかけようとしたのを,油圧で抵抗力で制限するということなので,実質,ウェイトスタックの重さの数倍の力がかかっていることになります.また,戻す時にはウェイトスタックの重さがかかるため,かなりきついですよね.
これに対して,動画中で薊さんは以下の様に述べています.
“夢でなんかさ,早く走りたいのになんかゆっくりになっちゃうみたいな”
これを聞いたときに,「なるほど!そういう感覚なのか」と思いましたね.
2020/11/03追記:
実際に,このマシンを体験してみた感想からして,この表現は非常によくこのマシンの特徴を表していると思います,力を入れた分だけ抵抗がくるというのは非常に新しいと思います.
油圧とウェイトスタックのハイブリットマシンの今後
今回は試作品ということで,ここから微調整を加えたものが商品として完成するはずです.
このマシンですが,マッスルグリルがアンバサターを務めているGAIA GYMに配置するのでしょうか (ちなみに,GAIA GYMはご存知の方が多いと思いますが,ひばりヶ丘にあるRexx Fitnessの提携ジムになります.).
ただ,GAIA GYMは,確か,SHUAという中国製のメーカーで統一されていた様な気がします.そこにマッスルグリル独自のマシンがくるとなると,ジムの統一感という観点ではあまりよろしくないかもしれないので,薊さん達には何か策がありそうですね.
今後,このハイブリットマシンですが,動画の最後での会話からレッグプレスやショルダープレスなどのプッシュ系のマシンに適用範囲を拡大するという話でしたね.個人的には,ハックスクワットに油圧を導入したらやばいことになりそうだなと感じました.
終わりに…
なんでもそうですが,やはり時代は一点ものをつくるという流れが来ていますね.自分好みのチューニングをしたマシンも,私もいつかは作ってみたいです!