最も基本的なトレーニング方法.アセンディングセット法のやり方

トレーニング方法には色々ありますが,今回はその中でも一番基本的と言われているのがアセンディングセット法 (= ピラミッドセット法)です.

今回は,アセンディング法の特徴,やり方,どんな人におすすめかについて皆さんに公開します!

アセンディングセット法とは

アセンディングセット法は,通称「ピラミッドセット法」と呼ばれ多くのトレーニーに採用されているトレーニング方法です.

アセンディングセット法は,別名ピラミッドセット法と呼ばれる名の通り,重量を段階的に上げる方法です.このため,いきなり本番セットを行わずに,ウォームアップセットで対象筋肉及び関節を温めるため怪我をし難いという利点があります.

アセンディングセット法のやり方は人それぞれですが,以下が一般的なやり方です.

  1. Max重量の50%で12回程度
  2. Max重量の60%で10回程度
  3. Max重量の70%で8回程度
  4. Max重量の80%で6回程度
  5. Max重量の85%で4回程度

すなわち,4セットかけてウォームアップして,最後の1セットが本番セットとなるようにしてセットを組むのが基本的なアセンディングセット法のやり方です.

アセンディングセット法のメリット

アセンディングセット法のメリットは以下の3点が挙げられます.

  • 怪我をしにくい
  • 正しいフォームを習得し易い
  • 様々な筋繊維を刺激可能

怪我をしにくい

アセンディングセット法は,例えば,ヘビーデューティ法などと比較して怪我をしにくいというメリットがあります

アセンディングセット法は,いきなり高重量を扱うのではなく,しっかりとウォームアップをしながら徐々に扱う重量を増やします.このため,筋繊維はもちろんですが,関節に対して一気に負担がかかってしまうことを防止することが期待でき,結果として怪我をしにくいというメリットがあります.

正しいフォームを習得しやすい

アセンディングセット法は,徐々に負荷を増やして実施するため,適切なフォームを習得しやすいというメリットがあります

トレーニングは,まずは非常に軽い負荷でフォームを固めますが,それだけ実施していても高負荷になったときにフォームが崩れることがあります.この問題に対して,アセンディング法は徐々に負荷を増やして実施することから,より高い負荷がかかった場合においても徐々にフォームを固めることができ,結果として正しいフォームを習得しやすいというメリットがあります.

様々な筋繊維を刺激可能

アセンディングセット法は,低重量高回数のセットと,高重量低回数のセットを実施するため様々な筋繊維を刺激できるというメリットがあります.

筋繊維は,大別して2種類あり,遅筋と速筋です.筋肉をバランス良く鍛えるためには両者を鍛える必要があり,遅筋は低重量高回数で鍛えることができるのに対して,速筋は高重量低回数で鍛えることができます.アセンディングセット法は,1つのトレーニング方法で,いずれのセットも設定することができるため,両者をバランス良く鍛えることができるというメリットがあります.

アセンディングセット法のデメリット

アセンディングセット法のデメリットは以下の2点が挙げられます.

  • 時間がかかる
  • 本番セットでは疲れ果ててしまう

時間がかかる

アセンディングセット法は,どうしてもセット数が多くなってしまうため時間がかかるというデメリットがあります.

アセンディング法は,少なくとも5セット設定する必要があり,本番セットを複数セットすると8セット以上になり,インターバルを含めて考えるととんでもない時間になってしまいます.このことから,アセンディングセット法は時間がかかるトレーニング方法であるとも言えます.

本番セットでは疲れ果ててしまう

アセンディングセット法は,どうしてもセット数が多くなってしまうため,適切なレップを設定していないと本番セットで疲れ果てて,力を出しきれないというデメリットがあります.

アセンディングセット法は,レップの設定も重要であり,本番セットで高重量を扱うためにはレップはできるだけ少なく設定する必要があります.もしくは,ウォーミングアップのセット数を少なくして本番セットを設定する必要があります.いずれにせよ,アセンディングセット法で高重量を扱いたい人は,教科書通りのアセンディングセット法では難しいという点には留意する必要があります.

アセンディングセット法はどんな人におすすめか

アセンディングセット法は,トレーニング初級者の方から上級者の方まで幅広い方々におすすめできるトレーニング方法です.

個人的には,「前述した基本に乗っ取ってアセンディングセット法を組んでいる人はかなり少ない」という印象があります.基本的に,個人で自分の体調に合わせて重量を決めている人がほとんどです.

特に,高重量を扱うスクワットなどのトレーニングでアセンディングセット法を取り入れる場合,本番に行くまでにはセットは刻むものの,レップ数は1-2回程度のものが多いなど,教科書的なアセンディングセット法とは大きく異なります

このことから,トレーニングレベル,種目に応じて,アセンディングセット法の組み方は決定する必要があります.

どんな種目でアセンディングセット法はおすすめか

基本的に全ての種目でおすすめですが,特にマシンだとアセンディング法を組みやすくおすすめです.これは,マシンの場合,重量の変更はピンを差し替えるだけのため,手軽に行えるためです.

フリーウェイトの場合最終的な重量を計算しながら重りを装填する必要があるため,慣れていないと面倒であると言う問題があります.また,ジムによっては,特にダンベルの種類を多く取り揃えていないところや,自分でダンベルの重さを設定しなければならないジムもあるため,そういったところではアセンディング法を取り入れるのは少し煩わしいです.

アセンディングセット法の組み方の例

その日の体調によって異なりますが,私の場合,以下の様に組んでいることが多いです.

  1. Max重量の30%で15回
  2. Max重量の80%で10回
  3. Max重量の100%で6回を3セット
  4. Max重量の80%で12回
  5. Max重量の60%で15回

重量や回数は週で異なる様にトレーニングしているのであまり参考になりませんが,以上のようなイメージで行うようにしていることが多いです.特徴としては,本番セットに行くまでに多くのウォームアップをこなさないこと,本番セットは3セット行うこと,本番セットの後にフォームの確認の意味合いも込めて軽い重量で行うことです.

以上を言い換えると,アセンディング法をした後に,ドロップセットをするとも言えます.

終わりに…

アセンディング法は,最も基本的なトレーニング方法であるのと同時に,筋トレ初心者から上級者までが適用するトレーニング方法です.

自身で試行錯誤して,ぜひ,自分にあったアセンディング法を見つけるのが良いでしょう.

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