電撃的なニュースが入ってきました.
2019年の日本選手権を制した横川尚隆選手がFWJに参戦し,将来的にはIFBBプロはもちろんのこと,オリンピアでの優勝を目指すようです.
今回は,この情報を皆さんとシェアしたいと思います.
横川尚隆選手とは
横川尚隆選手は,1994年生まれで身長は170 cm,体重は77-97 kgです.
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横川尚隆選手については,私よりも読者の皆さんの方が詳しいかもしれませんが,元々はメンズフィジークにルーツを持つ選手です.2015年のJBBFのオールジャパンメンズフィジーク 172 cmカテゴリで優勝すると,2016年にボディビルディングに挑戦し,2017年,2018年,2019年の日本選手権で6位,2位,優勝という輝かしい戦績を誇ります.
個人的にではありますが,横川尚隆選手と言えば日本選手権 2019で披露したquad stompが忘れられません(シェアすることができませんが,youtubeで探すと出てきます.).quad stompと言えば,ミスターオリンピア 2009のJay Cutler(ジェイカトラー)が言わずもがな有名ですが,JBBF所属,つまり,ナチュラルの選手で「ここまでしっかり出るのか」と非常に驚いた記憶があります.
つまり,横川尚隆選手はボディビルディングに転向して数年で日本選手権を制したということであり,そのポテンシャルの高さは多く人々に認知されていました.
そこからは,競技者として一線を退き,バラエティ番組で目にすることが多くなった彼ですが,競技者に復帰する際に,これまで所属していたJBBFではなく,FWJに所属し,IFBBプロカードはもちろんですが,オリンピアの出場,優勝を狙っている様です.
横川尚隆選手がFWJに参戦するという情報
横川尚隆選手がFWJに参戦するという情報は以下のyoutubeの動画で知ることができます.
この動画は横川尚隆選手のyoutubeチャンネルのものです.
以上の動画のサムネイルですが,IFBBプロリーグのコンテストである東京プロで1シーンであり,ここで彼のFWJへの参戦が明らかとなりました.
横川尚隆選手が戦うFWJとは
FWJとは,日本のフィットネス団体の一つであり,NPCJという団体が母体です.
2019年の段階で,NPCJが包括契約を結んでいるIFBBプロリーグから世界の各団体の名称を変更する様に通達があり,Fitness World Japan (FWJ)に名称を変更しました.
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日本には,日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF),ベストボディジャパン(BBJ),そして今回紹介するFWJなど複数のフィットネス団体が存在します.この中で,横川尚隆選手がかつて所属していのはJBBFです.
以上の団体の細かい違いについては割愛しますが,今回,最も重要な点はFWJとJBBFの違いです.これが,横川尚隆選手がFWJに転向した最大の理由であり,それは,「IFBBプロリーグと包括的な契約の有無,つまり,IFBBプロカードを取得できるか,できないか」です.
ボデイビルディングで最も認知されており権威がある大会は,ミスターオリンピアと考えられており,オリンピアに出場するためにはIFBBプロリーグが主催するコンテストで所定の成績を収める必要があり,そのコンテストに出場するためにはIFBBプロカードが必要です.このIFBBプロカードは,JBBFが主催するコンテストでは取得することができません(非常に分かりにくりものに,「IFBBエリートプロ」なるものがありますが,全く別物です.).
このため,横川尚隆選手は自身の真価を証明するためにはオリンピアで優勝する必要があり,そのためにはIFBBプロカードが必要ということで今回,FWJに参戦することを決めたと考えられます.
横川尚隆選手のコーチはなんと,山岸秀匡選手
以上の動画で,初戦は2025年の9-10月,11月のオリンピアアマチュアでIFBBプロカードの取得を狙っていることが明らかとなっていますが,そのためのコーチとして,レジェンドの一人である山岸秀匡選手を招聘することが明らかとなっています.
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多くの選手はプロカードを取得してからコーチをつけることが多い中で,そもそも,プロカードを取得するための段階からコーチをつけることが日本人としては珍しく,しかも,それがレジェンドである山岸選手というのが非常に驚きです.
山岸選手はこれまでに多くの選手が師事してきていますが,その中でも,横川尚隆選手は間違いなく,最もレベルの高い選手の一人であり,だからこそ,コーチとしての役割を引き受けた可能性が高そうです(同じ日本人で,オリンピアを熟知しており,横川尚隆選手ほどののレベルの選手をコーチングできるのは山岸選手しかいないと思います.).
横川尚隆選手が挑戦するカテゴリは212 lbs
今回の動画にて,横川尚隆選手が挑戦するのは212 lbsクラスであることが明らかとなっています.
212 lbsクラスとは,212 lbs(= 96.16 kg)を体重制限とするカテゴリであり,元々は,身長が低い選手がオープンクラスで戦うことが難しいとされ創設されました.
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近年では,元々は212 lbsクラスだったHadi ChoopanやDerek Lunsfordがミスターオリンピアのタイトルを獲得していることからわかるとおり,212 lbsクラスとオープンクラスのレベルは非常に高いレベルで拮抗しています.
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横川選手の身長は170 cmであり,ボディビルダーとしては決して身長が低いとは言えず,もちろん,サイズがつけばオープンクラスでも十分に戦うことができる可能性があると思います.ただ,横川尚隆選手の武器はその素晴らしいプロポーションにあり,それに加えて,彼のこれまでのボディビルディングでの活躍,コーチとして山岸選手を招聘している点を考え,212 lbsクラスを最適解として導き出したのではないかと思います.
また,現状,競技から大きく離れている彼がオープンクラスで活躍しようとすると,非常に長い時間がかかってしまうと思います.以上を考慮した上で,まずは212 lbsクラスに挑戦し,個人的には,その活躍次第ではオープンクラスへの挑戦というのも十分にありうるのではないかと思います.
終わりに…
今回,IFBBプロ,つまり,世界に挑戦することを表明した横川尚隆選手ですが,彼がIFBBプロに挑戦することについては,以前から彼の言動からまことしやかに囁かれていました.
IFBBプロに挑戦するということで,恐らく,激励だけではなく,批判の声も非常に多いと思いますが,日本人トップ選手がIFBBプロリーグでどこまで戦えるのかは非常に気になるところです.
このために,まずはIFBBプロカードを取得することが目標となるため,今後の横川尚隆選手の活躍に注目ですね.