2021/08/22に,前人未到の800 lbsベンチプレスに挑戦し,惜しくも失敗してしまったJulius Maddoxですが,その原因について考察している動画を見つけました.
今回は,その動画を皆さんとシェアしたいと思います.
Julius Maddoxが800 lbsベンチプレス失敗の原因について説明した動画
Julius Maddoxが800 lbsベンチプレス失敗の原因について説明した動画ですが,以下のインスタグラムの投稿によります.
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今回の動画で,以下の様に述べています.
“I need to make sure I maintain back tightness, building my back, because your back is a launching pad for big bench press. That’s where all your stabilizers are. The more stable you are with the weight, the more fluidly it will move,”
“Forearms could be a weakness. We noticed that my wrists were kind of gravitating back, bending a bit. Overall, I think it’s just that I need to cut down on travel.”
背中はベンチプレスの大きな武器になるので,背中の引き締めを維持し,背中を鍛える必要があります.背中にはすべてのスタビライザーがあります.体重が安定していればいるほど,動きがスムーズになります.
前腕は弱点かもしれません.手首が後ろに引っ張られて.少し曲がっていることに気付きました.全体的には,移動距離を減らす必要があると思います.
今回のJulius Maddoxの分析ですが,我々の様なレベルのトレーニーにとってもベンチプレスの重量を伸ばす上で大変示唆に富んでおり,非常に興味深いです.
今回の説明で,彼が今回失敗してしまった原因は,主に前腕にあるとし,その上で,背中も改善点であることが指摘されています.
説明の前に,今回の彼のベンチプレスですが,以下の動画で参照してください.
動画の作成元は,PRO SPORTというyoutubeチャンネルになります.
まず,前腕についてですが,私が見た限りでは恐らく最後の最後でベンチプレス台に戻すために押し切るところについて前腕が曲がってしまっているのかなと感じました.今回のJulius Maddoxのベンチプレスですが,本当に惜しいところまでいっており,あと5-10 cmくらいのところでベンチプレス台に戻し切ることができず,バーベルがやや顔側に落ちる様にして潰れてしまいました.
ここで,最後まで手首が活きて押し切ることができていれば,力をしっかりと伝えることができベンチプレス台にまでバーベルを戻すことができたと考えられます.
次に,背中ですが,ベンチプレスで押し切るときには三角筋後部で身体を支えるわけですが,ここで重要なのがJulius Maddoxが述べている「背中の引き締め」です.「背中の引き締め」が足りない場合,背中の全面がベンチプレス台と接触する様になり,こうなると力を大きれないだけではなく,肩を怪我するリスクが高まります.また,押し切る距離も大きくなることから,「背中の引き締め」は高重量のベンチプレスでは大変重要なテクニックとなります.
今回のJulius Maddoxの原因究明は我々にも重要
今回のJulius Maddoxが指摘するベンチプレス失敗の原因究明は,前述した様に,我々の様なレベルのトレーニーにとっても非常に重要です.
ベンチプレスというと,基本的には大胸筋のエクササイズになるため,「高重量を上げるためには大胸筋を鍛えれば良い」という勘違いを起こしがちですが,それは間違いです.そもそも,大胸筋は小さい筋肉ですし,ベンチプレスが多関節種目であることからもわかる通り,身体をうまく使って高重量を上げる必要があります.
その中で,大胸筋の拮抗筋となる背中を鍛えることが重要であるということは今回のJulius Maddoxの説明から明らかですし,もちろん,バーベルを直接把持する前腕を鍛えることは重要です.
特に,前腕に関してですが,私もベンチプレスの重量が頭打ちになっているときに,前腕のトレーニングをする様になってから急激に重量が伸びた経験があることから,前腕は鍛えることが面倒な部位ですが,ベンチプレスで高重量を扱う上では大変重要な筋肉になります.
終わりに…
改めて,今回の800 lbsベンチプレスの失敗は本当に惜しく,確かに,Julius Maddoxが指摘するいくつかのポイントを微修正すれば800 lbsを成功させるのも夢ではないと思います.
ただ,今回の失敗で,再びトレーニングに集中するということも述べられていたため,ベンチプレスの世界記録が800 lbsに到達するにはもう少し時間が必要かもしれません.