ステロイド摂取はテストステロンの分泌にも悪影響有り

一般的に,筋肉増強作用のあるステロイドの摂取は,短いスパンで見れば筋肉の増大というメリットがありますが,長いスパンで見ると様々な悪影響があります.

今回は,ステロイド摂取とテストステロン分泌の関係について述べている動画を見つけたため,皆さんとシェアしたいと思います.

ステロイドの摂取とテストステロン分泌について語った動画

ステロイドの摂取とテストステロン分泌について語った動画ですが,以下の動画になります.

動画の作成元は,Generation Ironになります.

ステロイドとテストステロンの分泌の関係について述べている動画や記事はありますが,実際に,医師の視点から述べているという点がこの動画の新しさになります.

ステロイドの摂取とテストステロン分泌について

テストステロンブースター摂取とテストステロン分泌の関係

まず,厳密にはステロイドではありませんが,非常にグレーな製品が多いテストステロンブースターについて,価格の割に効果はほとんどないということが述べられています (テストステロンブースターは,本当に非常に多くのサプリメントブランドで販売されていますが,基本的には汚染度が高いため,摂取はオススメできません.).

テストステロンブースターは,その名前のごとく,テストステロンの分泌を助ける役割を果たすサプリメントになります.その成分としては,フェヌグリーク,トリビュランス,ビタミンDといった成分が多く,これらの成分からわかる通り,自然由来の成分が多いのが特徴です.そのため,実際には,効果があるのかどうか疑わしい製品が多く,これについては,多くのトレーナーが指摘していることと合致しています (その一方で,多くのトレーナーはサプリメント会社を運営していたり,サプリメント会社とスポンサー契約を結んでおり,それらの会社はほぼ必ずと言って良いほど,テストステロンブースターを販売しているのが不思議ですよね.).

このため,テストステロンブースターにより間接的にテストステロンの分泌を促すことと比較して,より効果を実感するためには直接テストステロンを摂取する方が有効であり,それこそがアナボリックステロイドの摂取になります.

ステロイド摂取とテストステロン分泌の関係

ステロイド摂取とテストステロン分泌の関係について,ステロイド摂取により体内で合成されるテストステロンの量は減少することが述べられています.

これは,単純に説明すると,身体の外から直接テストステロンが供給される状態 (=ステロイドを摂取すること)が続くと身体がそれに順応してしまい,体内でテストステロンが生成されにくくなるためです.そのため,長期的にステロイドを摂取した人は,自身の身体でテストステロンを生成する力が非常に弱まっていることから,テストステロン補充療法 (Testosterone Replacement Therapy, TRT)を必要とする人もいる様です.ただ,これは,個人差が非常に大きい様ですね.

そのため,多くの人にとっての関心事は,「どれくらいの期間,ストロイドを継続的に摂取するとTRTを必要とするか」という点ですが,この疑問について,10年が限界 (=最大で10年)ということを述べています.すなわち,20代でステロイドを始めた人は,30代でTRTが必要となってしまうということになります.この様に考えると,ステロイドの摂取がいかに危険かわかりますね.

また,ステロイドの摂取は,一時的なテストステロン値の増大にしか寄与しないということが述べられています.確かに,ステロイドを摂取すると,一時的に,爆発的にテストステロン値が増大するものの,その効果が切れてしまうと,ステロイドを摂取する前よりもテストステロン値が低い状態になります.これにより,この低くなりすぎたテストステロン値を元に戻すために,さらにステロイドを摂取し,それがまた更に低い値に戻って,ステロイドを摂取する…ということを繰り返す様になり,これが継続することで体内でのテストステロンの分泌作用が低下するというメカニズムになっています.

これを考えると,ステロイドは,一回でも摂取してしまうと,ステロイド摂取の泥沼から抜け出せない様な構図になっており,これが,一種のステロイド依存性の様なものに繋がってしまっているのかなと感じました.

終わりに…

それでは,体内のテストステロン値を増大させるための最良の手法は何なのかという疑問について,今回の動画では,食生活を改善することで中長期的に改善していくしかないということが述べられています.

今回の動画で明らかな通り,ステロイドは即効性はありますが,持続性はなく,また,より長期的なスパンで見た場合には,むしろ,体内のテストステロンの分泌作用を弱める様な役割をしますから,安易に手を出すべきではないでしょう.

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