「まるで呼吸回数を数えるかの様」ハニーランボットの調整方法とは

オリンピア 2021の212 lbsで優勝したDerek Lunsford (デレクランスフォード)は,2021年にコーチとしてHany Rambod (ハニーランボット)を招聘し,劇的にコンディションが良くなりました.

ハニーランボットと言えば,The Pro Creatorと言われるほど,コンテストの戦いを熟知しているのですが,彼がどの様にして選手の調整を行っているのかということは比較的,謎に包まれていました.

今回,デレクランスフォードが,彼が行ったコンテスト前の調整方法について述べている動画を見つけたため,皆さんとシェアしたいと思います.

デレクランスフォードがハニーランボットの調整方法について語った動画

デレクランスフォードがハニーランボットの調整方法について語った動画ですが以下になります.

動画の作成元は,Generation Ironになります.

今回の動画は,10:19であり,前半はオリンピア 2021に向けて実際にどの様な調整方法を行ったのか,後半は,FST-7トレーニングは実際どの様なものだったのか,ハニーランボットと仕事をするプレッシャー,今後の展望等について述べられています.

オリンピア 2021に向けたハニーランボットの調整方法

オリンピア 2021に向けたデレクランスフォードに対するハニーランボットの調整方法について,彼は「まるで呼吸の回数を数えるかの様」と表現しており,それだけ,何をするにも細かく設定されていたということが述べられています.

まず,デレクランスフォードは,Jay Cutler (ジェイカトラー)の動画を見て,ハニーランボットのトレーニング (= FST 7トレーニング)については熟知していたということですが (元々を辿っていくと,ハニーランボットはジェイカトラーのコーチでした.ハニーランボットの指導を受けることで,ジェイカトラーがオリンピア 2009で驚異的な仕上がりを見せたのは非常に有名な話です.),実際にコーチングを受けて,サプリメントとトレーニングのトータル的な指導が非常に役に立ったと述べています (意外かもしれませんが,プロ選手の中にはトレーニングコーチとサプリメントコーチを別々で雇う選手もおります.それは,コーチが必ずしもサプリメントや栄養学について精通しているわけではないということを意味しています.).

デレクランスフォードは,ハニーランボットの調整の真骨頂はコンテスト2-3週間前に凝縮されていると述べています.この2-3週間の間では,有酸素運動,昼寝,食べるもの,何時にシャワーを浴びるか,どんなタンパク質をとるか,どんな脂質をとるか,どんな炭水化物をとるかかが事細かに指示があり,だからこそ,「まるで呼吸の回数を数えるかの様」と表現したのでしょう.

この指導により,デレクランスフォードはオリンピア 2021で優勝するわけですが,この優勝について,かつてハニーランボットが指導を行った選手達とは微妙に立ち位置が異なる様です.この理由ですが,ハニーランボットが指導を行った,Phil HeathやJeremy Buendiaは,彼らがオリンピアで優勝する前に数試合,ハニーランボットとコンテストに臨み,ハニーランボットが選手の特徴を熟知した上で調整を行うことでオリンピアにピークを合わせ,オリンピアで優勝することができた様です.その一方で,デレクランスフォードの場合,ハニーランボットと契約したは良いものの,オリンピアまでコンテストに出場することなく本番を迎え,ハニーランボットは恐らく,かなり手探りな部分も多かったと考えられます.そんな状態でも,オリンピア 2021で結果を出したというのが,やはり,さすがハニーランボットといったところでしょう.

だからこそ,デレクランスフォードは,2022年以降,ハニーランボットが自身の身体をより熟知することで,自身がもっと良いコンディションをオリンピアのステージで披露できると述べられています.

終わりに…

私の先入観として,デレクランスフォードが述べている様に,コーチというのは1から10まで事細かに指導するのが普通なのかと思っていたのですが,今回のデレクランスフォードの発言を聞く限りでは,むしろ,必要最低限のことを行ってあとは選手の最良に任せるというコーチの方が多いのでしょう.

その一方で,ハニーランボットは,自身のフィロソフィーが確立されており,だからこそ,選手に対して事細かに指示をだしているのだと考えられます.それで,選手の仕上がりも良いわけですから,やはり,ハニーランボットのコーチングスキルというのはとんでもないほど高いレベルにあると思います.

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