オリンピア 2021の2日前にGeorge Petersonが亡くなったことを受け,「ボディビルダーと健康」ということについて幾つかの議論がされていますが,その問題に対して,Arnold Schwarzenegger (アーノルドシュワルツネッガー)が自身の意見を述べています.
今回は,この情報を皆さんとシェアしたいと思います.
アーノルドシュワルツネッガーがボディビルディングの問題点について言及
アーノルドシュワルツネッガーの今日のボディビルディングに対して,彼から発信されるMonthly letterで以下の様な意見を述べている様です.
“In the past 10 years, bodybuilding lost more competitors (14!) to early deaths than any other sport, including MMA and football. In fact, most football players that die from CTE problems die much older than bodybuilders, and with the exception of a tragedy this week, MMA fighters die at a much lower rate than bodybuilders,”
“You would think that the head trauma from MMA and football would outweigh the organ failure in bodybuilding, but bodybuilding is much, much worse. We need to fix that, because bodybuilding should be about promoting health and fitness. I don’t know if the answer is more testing or promoting the smaller divisions more. What do you guys think?”
過去10年間で,ボディビルはMMA (= Mixed Martial Arts: 総合格闘技)やフットボールを含む他のどのスポーツよりも多くの競技者(14人!)を早死にさせています.実際,CTE (=Chronic Traumatic Encephalopathy: 慢性外傷性脳症)の問題で死亡するフットボール選手のほとんどは,ボディビルダーよりもはるかに高齢で死亡しており,今週の悲劇を除いて,MMAファイターの死亡率はボディビルダーよりもはるかに低いです.”
MMAやフットボールの頭部外傷がボディビルの臓器不全を上回ると思うでしょうが,ボディビルの方がずっとずっと悪いのです.ボディビルは健康とフィットネスを促進するものであるべきなので,それを修正する必要があります.その答えが,より多くのテストを行うことなのか,小さな部門をもっと普及させることなのか,私にはわかりません.皆さんはどう思いますか?
アメリカンフットボールにおいて,その競技の特性上,何らかの脳疾患が多いというのは大変有名な話になり,それが原因で選手が引退後に亡くなるというケースもある様ですが,それはボディビルディングの死者数に比べると大変少ないというのが今回のアーノルドシュワルツネッガーの発言で分かります.しかも,それが直接身体的な接触を伴う総合格闘技よりも多いというわけですから,彼がボディビルの健康問題を特記事項として考えることは頷けます.
ボディビルディングの死因について,多くの人が考える通り,過剰な薬物摂取が原因であると考えられていますが,年々,その手口は巧妙化しているものもあります.例えば,アナボリックステロイドなんかは多量に摂取すると見た目で判断することができますが (もちろん検査でも検出できます.),薬物によっては通常の検査でも検出し難いものも存在しアーノルドが述べる検査というのがそもそも役に立つのかということを議論する必要があります.
また,IFBBプロリーグのコンテストは,興行という側面が大きく,オリンピアの運営で頂点に立つJake Woodは既存のルールの変更に対して非常に積極ではありますが,それに対して,IFBBプロリーグのその他のコンテストが追従するのかというのが疑問ではあります.
終わりに…
IFBBプロリーグの薬物に関しては,以前,ボディビルがオリンピック競技を目指したときに厳格に行おうとしましたが,現状を見ればわかる通りその考えは全く浸透しておらず,選手の悲惨な死が繰り返されている現状があります.
選手の死について,薬物が大きく関わっているのは事実であり,そのプロトコルを指示しているのはコーチであるケースが多いわけですから,コーチにも何らかの免許が必要なのかなと感じています.