スクワット編第2弾です!
カイグリーンのスクワットは,教科書に書いた様な丁寧なハイバースクワットでしたが,ボトムポジションの設定の難しさ,高重量を扱えないもどかしさから,個人的にはあまり向いていないと感じました.
それでは,根本的に,ハイバースクワットではなく,高重量を扱えるローバースクワットならばどうなるのでしょうか.
ローバースクワットは,海外の選手で採用している人はほとんどいないため,教科書は必然的に日本人選手となります.その中でも,日本のトップ選手である鈴木雅選手を取り上げます.
今回は,鈴木雅選手編です!
関連:
結局スクワットは何が正しいのか (1)…?カイグリーンのスクワットで考える
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鈴木雅選手のスクワット動画 (かなり短いですが…)
鈴木雅選手のスクワット動画は非常に短いですが以下になります.
日本の選手は,基本的にトレーニング動画を商品として販売しているため,この様な動画しかありません.こういったところは,海外のプロボディビルダーを真似して「もっとオープンになれば良いのに」といつも思っています….
鈴木雅選手のスクワットの特徴
鈴木選手のスクワットの特徴は以下になります.
- ローバースクワット
- スタンスは狭め,つま先は若干外向き
- ボトムポジションは太ももと床が平行くらい
- 下げる時はゆっくりで,あげるときは早く
- アップで回数をかけすぎない
- ボトムで静止しない
- 手でバーを押す
(大変申し訳ありませんが,私自身,彼のスクワットの完全版を動画で見たことがあるため,今回紹介した動画では確認できないものもあります…)
ローバースクワット
鈴木選手のスクワットはローバースクワットになります.
トレーニング雑誌で,鈴木選手曰く,「日本人と,欧米人はそもそも骨盤のつき方が異なるため,どうしても日本人にはハイバースクワットがやりにくい」みたいです.そのため,ローバーにして,むしろ子供を背中で担ぐ様なイメージでやったほうが良いとおっしゃっていました.
その影響か,多くの方がスクワットをローバーでやる傾向があると感じています.これが良いのか悪いのかわかりませんが,少なくともローバーで実施するとどうしても腰に負担がかかるということを留意する必要があります.特に,セットの最終付近は注意が必要で,脚に力が入らなくなるとどうしても身体を煽って重りを上げようとしてしまうため,腰を痛める可能性が出てきます.
スタンスは狭め,つま先は若干外向き
鈴木選手は,基本的にスクワット系の種目のスタンスは結構狭い印象があります.そのため,スクワットは外側広筋を狙うことになるのですが,鈴木選手曰く,「スクワットは脚の特定の部位を狙って行う種目ではない」らしいため,あまりそういうことに意識を置いてないと考えられます.
むしろ重要なのは,パワー種目ですので,どれだけ力が入るかという点です.そのため,自分が一番力が発揮できるスタンス,足の向きが良いということになります.
ボトムポジションで下げすぎない
下げすぎると力が抜けて,あげられなくなるためでしょう.スクワットはフルレンジといっても,実際の有効レンジは実は想像以上に狭いということに留意しなくてはなりません.
下げる時はゆっくり,あげるときは早く
これは,あまり動画では確認できませんが,アップの重量だとこれを確認することができます.トレーニングの基本は,下げる時はゆっくり ( = ネガティブ意識),あげる時は早く (=ポジティブ意識)なので,それを実践しているのだと思います.やはり,スクワットだと,ネガティブ意識するのは難しいですよね…
アップで回数をかけすぎない
この動画では確認できませんが,アップでは回数をあまりかけません.これは,あくまでも本番セットに全力をかけるという意味合いで,途中は脚に重さを慣れさせるという意図があるためだからだと考えられます.
途中で140kgとかでアップをしているのですが,1-2回しかやらないセットもありますしね.
ボトムで静止しない
ボトムでは静止しません.ボトムでは,むしろ反動を使ってあげる様なイメージです.
恐らく,これは,200 kg近くでスクワットをしているため,ボトムで静止すると戻ってこれなくなるためです.あくまでも,1回の質よりは回数を行うというイメージなのだと思います.
手でバーを押す
この動画だとそこまで顕著ではありませんが,別の動画では肩甲骨を寄せて入念にセットしていることから,手でバーを押すこともイメージしていると思います.こうすることで,押さない場合よりも高重量を扱うことができます.
ただ,手で押す分,手首が非常に痛くなります.個人差があると思うのですが,私はそれがかなり顕著でした….
実際にやってみた
実際にローバースクワットを採用してみましたが,確かに高重量を扱うことができます (個人的には,ハイバーよりも40kgくらい重いのが扱える印象です.).ただ,どうしても,きつくなってくると身体を煽ってしまうため,注意が必要です.特に,私は腰がそこまで芳しくなく,ローバー自体も腰に負担がかかるフォームであるため,実施した翌日は結構な腰痛が来ます.
また,どうしても高重量を扱いたくなるため,バーを強く押すことになります.そうすると,前述した様にスクワットをしている時に手首が痛くなるため,足のトレーニングをしているのか手首のトレーニングをしているのかわからなくなります.そうなると,スクワットに集中できなくなるため,私はローバーの採用を諦めました.
終わりに…
ローバーは腰と手首に負担がかかるため,やはりハイバーという結論に至っているのですが,手首の方は工夫次第ではもっと負荷を少なくして実施できるのかもしれません.
とにかく重量を扱いたいという人にはオススメなフォームですね.