「結局スクワットはなにが正しいのか」シリーズの第5弾になります.
前回までは,カイグリーン,鈴木雅選手.Sadik Hadzovic,ジェイカトラーのスクワットを解説してきました.
今回は,ジュラシック木澤選手のスクワットを見ながら,スクワットについて考えてみたいと思います.
関連:
結局スクワットは何が正しいのか (1)…?カイグリーンのスクワットで考える
結局スクワットは何が正しいのか (2)…?鈴木雅選手のスクワットで考える
ジュラシック木澤選手のスクワット動画
ジュラシック木澤選手のスクワットの動画ですが,以下の動画になります.
今回の動画です,2020/07/07に解説した木澤選手のyoutubeチャンネルで公開されています.撮影場所ですが,木澤選手が経営するジムであるジュラシックアカデミーになります.
今回の一連の動画では,脚トレの解説を行っています.その脚トレの内容自体は,以前,なかやまきんにくんが公開していた動画とほとんど同じ内容になっています.
この動画自体は,前半はスクワットで後半はマシンスクワットになっています.
ジュラシック木澤選手のスクワットの特徴
ジュラシック木澤選手のスクワットの特徴ですが,以下の通りになります.
- パワーベルト,パワーグリップを装着
- バーベルの担ぐ位置はローバー
- ボトムは大腿と床が平行
- スタンスは肩幅,つま先は外向き
- つぶれるまで実施
パワーベルト,パワーグリップを装着
まず,パワーベルト,パワーグリップを装着します.これは,いままで紹介した選手にはない特徴ですね.
パワーベルトですが,これは幅広であるため,特に高重量を担いだ際に非常に安定感が出ます.木澤選手は200 kgを担いでいるため,パワーベルトでしっかり安定感をだそうという意図があると考えられます.ただ,個人的にはパワーベルトはそんなに好きではない点,特に海外の選手はレザーベルトでも200 kg以上を担いでいることことから,好き嫌いが分かれそうです.
パワーグリップですが,これは珍しいです.スクワットをするときに,リストラップを巻く人は多いですが,パワーグリップはそこまで多数派ではないと思います (いないわけではないですが).パワーグリップは手首に巻くため,リストラップほどではないものの,手首を補助できる点,バーベルを滑らず固定できる点にメリットがあります.
バーベルの担ぐ位置はローバー
次に,バーベルの担ぐ位置はローバーです.
鈴木雅選手のスクワットの解説でも述べた通り,日本人に向いているとされているローバーですが,やはり腰への負担が大きいのと手首への負担が大きいことから個人的にはそこまで導入に関しては積極的ではありません.
ただ,やはり,ローバーですと高重量を扱えるというのはメリットであると思います.
スタンスは肩幅,つま先は外向き
次に,スタンスは肩幅でつま先は外向きです.
これは,ジェイカトラーと同じくらいの設定ですね.ただ,木澤選手のスクワットを見ていると一番力を出せる位置に設定しており,それが肩幅のスタンスでつま先が若干外向きになると考えた方が良さそうです.
ボトムは大腿と床が平行
次に,ボトムは大腿と床が平行になります.
これは,ローバースクワットの性格上,最大に下げた部分になりますね.それ以上下げると,怪我の原因になることから,大腿が床と平行になる部分にセーフティーバーを設定しています.
つぶれるまで実施
最後につぶれるまで実施しています.
これに関して,「つぶれぐせがつくのでは」という問いに対して,「どうあがいても上がらない」回数であり,それを考慮してつぶれていると回答しており,その様な場合には「ネガティブを意識してつぶれる」という様に回答しています.
これは,言うのは簡単ですが,やはり,下げたらどうしても「もう一回」という気持ちが先行することから,ネガティブを疎かにして上げようとするため,結構難しいですよね.恐らく,木澤選手の場合,下げる前にもう回数を続けることが不可能であることが分かっており,その様な場合はあえて終わりにするのではなく,ネガティブを意識してつぶれるということなんでしょう.
終わりに…
木澤選手のスクワットですが,1セットしか実施しないところが非常に興味深かったです.恐らくですが,この1セットでどれくらいできるかが調子をはかるバロメーターであると同時に,凄まじい集中力で「出し切る」というイメージなのではないでしょうか.
それにしても,トレーニングのかなり後半で,しかも,200 kgのスクワットを5回以上実施するとは,やはり木澤選手はとんでもない筋量の持ち主であることが伺えます.