脚のトレーニングと言えば,スクワットですが,私はスクワットが大の苦手です…
残りのBig3であるデッドリフトやベンチプレスは比較的得意なのですが,スクワットだけは非常に苦手で,色々と手探りでやっています.
私の様に悩めるトレーニーのために,様々なスクワットを比較していきたいと思います.
第一弾はカイグリーン編です!
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カイグリーンとは
カイグリーンは,2017年までミスターオリンピアを7連覇していたフィルヒースの最大のライバルです.
しかし,2014年を最後にミスターオリンピアの出場を取りやめています (スポンサーがどうのこうのの話らしいのですが,主催者側が正式な出場オファーを出しても彼自身が断っていると言うことから,もう彼をオリンピアで見ることはないのでしょう…).コンテストは,2016年のアーノルドクラシックを最後に出場しておらず,現在は,プロボディビルダーというよりも,実業家として活躍していますね.
彼の特徴としては,常軌を逸した大腿四頭筋でしょう.そんな彼はどうやってスクワットをしているのでしょうか.
カイグリーンのスクワットの動画
以下がカイグリーンのスクワットの動画になります.このスクワットは衝撃的です.
この動画を初めてみたときの衝撃は今でも覚えています.「これだけ高重量のスクワットをハイバーでしかも高回数でできる人がこの世にいるなんて…」と思いましたね.
カイグリーンのスクワットの特徴
カイグリーンのスクワットの特徴としては以下の点が挙げられます.
- ハイバースクワット
- 足幅は肩幅かそれより広いくらい
- つま先は外向き,膝はつま先より前
- トップポジションで膝をロックしない
- ボトムポジションは大腿と床が平行
- 手でバーを押さない
彼の場合,高重量になってもほとんどフォームが崩れることがありません.
また,これだけの高重量を扱っているのにも関わらず,トレーニングベルトをしていないとは,とんでもない腹圧の持ち主ですね… (むしろ,彼がトレーニングベルトを装着しているのを見たことがありませんが….).
ハイバースクワット
彼のスクワットは教科書に書いてある様なハイバースクワットです.
スクワットはシャフトを担ぐ場所によって2種類に分けられ,それがローバースクワットとハイバースクワットとなります.
ローバースクワットは,シャフトを三角筋の後部から僧帽筋中部辺りで支えるスクワットです.ローバースクワットのメリットとしては,高重量を扱えることができるという点です.一方,デメリットとしては,前屈姿勢になるため,刺激が抜けやすく,腰を痛めやすいという点です.
ハイバースクワットは,シャフトを僧帽筋上部 (首の下部)で支えるスクワットです.ハイバースクワットのメリットとしては,刺激を与えやすく,腰を痛め難いという点があります.一方,デメリットとしては,高重量を扱いにくいという点です.
その中で,カイグリーンはハイバースクワットを選択しています.ですが,信じられないくらいの高重量を扱っています (本番セットで220kgですね…).普通の人じゃまず無理です…
足幅は肩幅かそれより広いくらい
スクワットは,足幅によって効く部位が異なります.
足幅を狭くすることによって,外側広筋 (すなわち,太ももの外側)に効かせることができます.
一方,足幅を広くすることによって,内側広筋 (すなわち,太ももの内側)に効かせることができます.
カイグリーンのスクワットは比較的ワイドスタンスですが,一般的なワイドスクワットよりも狭いため,内側広筋をメインターゲットにして大腿四頭筋全体に効かせるイメージだと思います.これは,多くのボディビルダーは外側広筋が発達している人が多いのですが,内側広筋を弱点としている人が多いためであり,彼もそう考えてのことでしょう (ただ,信じられないくらい脚が発達していますが…).また,この足幅だと,臀部への刺激も大きくなります.やってみるとわかりますが,ボトムで臀部でのストレッチをかなり強く感じることができます.
つま先は外向き,膝はつま先より前
実施する際のつま先は,外向きで膝はつま先よりも前になります.
つま先の向きは,股関節の可動域に関連しています.
みなさんもかがむ時につま先の向きを変えてみるとわかりますが,つま先をを外に向けることで股関節が開きます.これにより,屈みやすくなります.
つま先を外に向けると,膝がつま先より前に出ます.一般的に,スクワットをする際には,膝をつま先より前に出さないということを言われますが,それは絶対ではありません.深く屈めば屈むほど,つま先が前に出ることは自然の現象であるため問題ありません.
トップポジションで膝をロックしない
「膝をロックする」というのは,膝を伸ばしきって休憩することを言います.トップポジションでも負荷を逃さない様にするためには一番の方法です.
この方法でスクワットをすると,一見,レンジが小さくなる様に見えるのですが,負荷がずっと入り続けるため非常にきついです.
ボトムポジションは大腿と床が平行
ボトムポジションの設定としては,大腿が床と平行になるくらいです.
カイグリーンのフォームならば,太ももはもう少し下げることができますが,床と平行になる部分で止めています.これは,下げすぎると,負荷が抜けてしまうのと,力を入れにくくなるためでしょう.
一見,かなり下げている様に見えますが,それは足幅を広めにとっているためだからです (それでもかなり下げていますが…).
手でバーを押さない
スクワットをする際の「手はほぼ沿えるだけ」です.
カイグリーンのスクワットは,手はあくまでバーを支えるためのものという認識だと思われます.
スクワットで高重量を扱う際には,手でバーを押すイメージでやることが多いのですが,それを行っておりません (だから,ジムでスクワットをしている人の中にリストストラップをつけている人がいるのです.).よく考えてみると,海外の選手であまりバーを押してスクワットをするという人はいませんね…
これにより,重さがダイレクトに体幹を伝って大腿四頭筋に入ります.
2020/01/29追記:
他方,Sadik Hadzovicは,スクワットをする際には力を出し切るためにバーをしっかり手で握りこむことを推奨していますね.どちらが良いのかは個人によりますが,私は基本的に手首が痛くなってしまうためあまり強く握り込む様にはしていません.
実際にやってみた
実際にやってみた感想として,まず重量は扱えません.だいたい120kgで6回くらいが個人的な限度でした.スクワットはパワー種目ですので,重量も回数も扱えないのは非常にストレスを感じると思います.
次に,実際に大腿四頭筋への刺激はどうかと言うと,きつい割にはそこまで刺激が入っていないかなと言う感じです.これは,恐らくボトムの設定が悪いためです.このフォームだとどうしても「下げよう下げよう」と言うイメージが先行してしまい,ボトムのポジションが下がってしまい,これにより休憩してしまうフォームになりがちです.
さらに,これは推測ですが,恐らくこのフォームでスクワットを続けると,「股関節を痛める可能性があるかな」と個人的に感じました.股関節が開いた状態で高重量がかかるため,やっていて結構怖いですね….
終わりに…
フォームとしては非常に良いのですが,大腿四頭筋への負荷が小さいのと,高重量を扱えない点からこのフォームは自分に合わないかなと感じました.それでも,フォームに散らばった工夫は参考になりますね.