ロープーリーロウは,背中の厚みを作る上で非常に有効なトレーニング種目になります.
今回は,ミスターパーフェクトこと,田代誠選手のロープーリーロウの解説を皆さんに公開します!
田代誠選手とは
田代誠選手は,1971年生まれであり,身長は164 cmです.
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田代誠選手は,日本のトップボディビルダーの一人としても非常に有名なのですが,彼は,THINK フィットネス,すなわち,ゴールドジムの運営会社の取締役を務めていることでも有名です.そのため,”超”がつくほど多忙であり,毎日極めて短い睡眠時間,コンビニで購入できる食品を摂取することで肉体を作ったということは,筋トレ界隈では非常に有名な話になります.
彼は,2000年代初頭に4連覇 (2001年-2004年)していたことからも分かる通り,ボディビルディングにおいて日本トップレベルの実力を兼ね備えています.一度はボディビルディング競技を引退したものの,現在では現役復帰しており,2019年の日本選手権では5位に入るなど,未だにトップレベルの実力を保っています.
彼は,”ミスターパーフェクト”という愛称から分かる通り,身体の完成度が極めて高いことでも有名です.
田代誠選手のロープーリーロウの動画
田代誠選手のロープーリーロウの動画ですが,以下になります.
動画の作成元は,IRONMAN JAPANになります.
動画のサムネイルになっている田代選手は,恐らく最近撮影されたものだと思われますが,動画自体はやや古めです.
撮影場所ですが,ゴールドジムの日本一号店である,イースト東京店ですね.
田代誠選手のロープーリーロウのポイント
田代誠選手のロープーリーロウのポイントですが,一点につきます.
それは,最大伸展,最大収縮です.
一般的に,ロープーリーロウは,終始,胸を張った状態で行います.そのため,ボトムポジションは,座面と上半身の前面の成す角度が75度位の部分になるのですが,田代誠選手の場合,「長座体前屈か」という位,伸展させます.
この方法ですが,ロープーリロウのバリエーションの一つとしては存在するのですが,高重量で実施する人は私は見たことがありませんでした.その理由としては,確かにこの方法は,最大限に広背筋を伸展させることができますから広背筋全体を刺激可能になるのですが,ボトムポジジョンでの負荷を広背筋で受けずに,むしろ,腰を支点にした下背部で受けることで腰への負荷が高くなるという問題点があります.
そのため,基本的に,本テクニックを使ってロープーリーロウを実施する際には,比較的軽い重量を用いて行うことが一般的であり,常人には負荷としてはそれで十分です.
ただ,田代誠選手のロープーリーロウが異なるのは,それを,高重量で行っている点にあります.しかも,今回,田代選手が用いているマシンはGalaxy Sportsのロープーリーロウであり,Galaxy Sportsのマシンはチェーンで重りを把持しているため,ケーブルで把持しているマシンよりも重量がダイレクトに伝わり易く,重く感じることで有名です.そのGalaxy Sportsのロープーリーロウをフルスタックで,かつ,最大進展で行っているのは田代選手だからこそできる芸当になります.
そのため,これは,田代選手の持つ圧倒的な腹圧が可能にするものであり,かなりの上級者レベルでない限り,高重量でこのフォームで実施することはお勧めできません.
一方,トップポジションでのフォームは標準的です.
トップポジションでは,身体の前面と座面のなす角度が100-110度位にして,身体を煽る勢いを少しだけ使って重りを引いてきます.
また,トップポジションで身体の前面でハンドルをキープしません.これは,高重量になるとより顕著になり,引き切った反動で腕が伸びきる状態まで戻し,その状態から前屈状態まで戻します.
つまり,以下になる様にまで引き切り,
反動で腕が伸びきるまで戻し,
長座体前屈をしてボトムポジションに戻ります.
一般的に,高重量のロープーリーロウは,トップポジションでの収縮意識が強くなる傾向が強いのですが,田代選手の場合は,むしろストレッチ意識であり,だからこそ,トップポジションでの切り返しはストリクトに実施していないのだと考えられます.
終わりに…
最大伸展ロープーリーロウは,非常に効果的なトレーニングなのですが,如何せん,私は腰があまりよろしくないため,実施するとしても50 kg位が限度になります.
定重量でも十分に効くエクササイズですから,実施を考えている方は,まずはかなり軽い重量から始めましょう.