【チャールズグラス解説】肩の怪我を防ぐビハインドネックプルダウン

トレーニーならば,背中のトレーニングで恐らく一度はやったことある種目の一つにラットプルダウン (プルダウン)があります.

プルダウンは,非常に多くのバリエーションがある一方で,実は,あまり推奨されていない方法があり,それがビハインドネックプルダウンになります.

今回は,”Trainer of Champions”こと,チャールズグラスが怪我をしないためのビハインドネックプルダウンを山岸秀匡選手と実施している動画を見つけたため,皆さんとシェアしたいと思います!

ビハインドネックプルダウンが敬遠される理由

ビハインドネックプルダウンが敬遠されるのは,肩周りを怪我しやすいという理由からです.

プルダウンという種目ですが,実は教科書的にはバーを胸前に持ってくるフロントのプルダウンが正しいとされています.プルダウンの形状を見ると,バーを首の後ろに持ってくるビハインドネックプルダウンが正しいかの様に思えますが,実際は逆になります (これについては,私がまだ筋トレ初心者だったときに間違えていた記憶があります….).

フロントのプルダウンが推奨されているのは,ビハインドネックプルダウンと比較して重量を重くしても怪我をしにくいという点になります.

ビハインドネックプルダウンは,実際にやってみると分かりますが,フロントと比較して肩周り,及び首回りへの負荷が高くなります.特に,肩周りについては,骨格の問題で首の後ろに物を持ってくる動作が自然な動作ではないため,負荷が高くなり,高重量を扱うと怪我をしやすいという問題点があります

だからこそ,特に初心者の方にはフロントのプルダウンが教科書的なエクササイズであることを伝える方が多いのですが,実際に国内外の色々なトレーニーを見ていると,ビハインドネックのプルダウンをエクササイズをやっている方は結構多いのが現状です.

チャールズグラスと山岸秀匡選手のトレーニング動画

チャールズグラスと山岸秀匡選手のトレーニング動画ですが,以下の動画になります.

本動画の作成元は,チャールズグラスのyoutubeチャンネルになります.

動画の公開日は,2021/01/21ですが,実際に使われている動画自体は結構古く,少なくとも山岸選手がチャールズグラスとコーチング契約を結んでいた2014年あたりの動画であり,実際にyoutubeでチャールズグラスと山岸選手のトレーニング動画を検索してみると,2016年から2017年のものがヒットします.

本動画の構成ですが,基本的にはビハインドネックラットプルダウンの解説に主眼が置かれています.

動画の最初で,ビハインドネックラットプルダウンを山岸選手,ショーンローデンを含めた3人が行った後,ツーハンドでのインクラインベンチを使ったダンベルロウイング,ナローグリップでのラットプルダウン,ロープーリーロウ,バーベルロウが行われているのですが,今回は,冒頭から1分50秒までのビハインドネックラットプルダウンに焦点を当てて解説していきます.

【チャールズグラス解説】ビハインドネックプルダウンのポイント

チャールズグラスが解説するビハインドネックプルダウンのポイントは以下の2点です.

  • ボトムポジションは後頭部の真ん中あたり
  • ボトムポジションで収縮を意識して数秒動きを止める

ボトムポジションは後頭部の真ん中あたり

まず,ビハインドネックプルダウンでのボトムポジションは後頭部の真ん中あたりになります.

実際には,以下に示す様なポジションです.

チャールズグラス 山岸秀匡 ビハインドネックラットプルダウン ボトム

このポイントが非常に重要であり,チャールズグラスは”肩を怪我する人はバーを肩につけるまで下げているからと述べており,背中に刺激を入れるためには後頭部の真ん中あたりにボトムポジションを持ってくる重要性について述べています.

今回,この山岸選手の背中を見てもらえば分かるかと思いますが,ビハインドネックプルダウンの最大のメリットは,バーを首の後ろに持ってくることから自然と肩甲骨が中央に寄り,この様に背中の収縮感を得やすいということになります.

フロントのプルダウンでも肩甲骨を寄せることは可能ではありますが,実際は,プルダウンを熟達していないと肩甲骨を寄せるというテクニックは難しいというのも事実であり,その問題点に対して,ビハインドネックプルダウンは肩甲骨の動きを大きく意識しなくても肩甲骨が寄るため非常におすすめです.

ボトムポジションで収縮を意識して数秒動きを止める

次に,ボトムポジションで収縮を意識して数秒動きを止めます

これは,プルダウンではどのバリエーションで行っても効果的なテクニックとなるのですが,特に,ビハインドネックプルダウンでは他のバリエーションのプルダウンと比較して特に収縮感が強いため,ここを意識するだけで,トレーニングの質が大きく変わります

また,ボトムポジションで止めることで,反動を使って戻さなくなることから,怪我をしにくくなるという狙いもあると思われます.

参考までに,トップポジションは以下の様になっています.

チャールズグラス 山岸秀匡 ビハインドネックラットプルダウン トップ

非常に教科書的で,腕が伸びきっておらず,背中に刺激が入っていることが分かると思います.

終わりに…

ビハインドネックプルダウンは,非常に効果的なトレーニングであり,実際に取り入れている人は,背中トレーニングの最初で実施しているイメージが強いです.

チャールズグラスが述べている通り,重量の設定が非常に重要で,軽すぎても重すぎてもダメなのですが,私個人の意見としては,軽すぎる重量くらしできちっとやっても十分に背中に効くエクササイズであるため,まずはかなり軽めの重量で実施するのがお勧めです.

ただ,その際には,負荷が軽すぎるからと言ってバーを引きすぎて肩に付けてしまわない様に注意しましょう.

関連記事