上級者向け.Derek Lunsford,変則スクワット解説

212ポンドクラスのトップ選手であるDerek Lunsfordは,ジェファーソンスクワットで110 kgを扱うなと,足回りが非常に強い選手でもあります.

今回は,Derek Lunsfordの”変則”のスクワットの解説を皆さんに公開します!

Derek Lunsfordの脚トレの動画

Derek Lundfordの変則スクワットですが,以下の動画になります.

今回の動画は,Derek Lunsfordのチャンネルではなく,Jay CutlerのチャンネルであるJay Cutler TVになります (Jay Cutler TVでは,Jay Cutlerの情報だけではなく,Jay Cutler以外の選手とよくコラボしています.).

この動画では,Derek Lunsfordの脚トレが公開されているのですが,今回取り上げるのは動画の中で第一種目で実施しているスクワットになります.

Derek Lunsford,変則スクワット

今回,第一種目で行っているのはスクワットになりますが,通常のスクワットとは異なるため変則スクワットと呼称します (私も一応調べたのですが,私が調べた限りではこのスクワットに特別な名称はないようですね.).

なぜ,”変則”スクワットなのか

今回,Derek Lunsfordが実施しているスクワットが”変則”と呼称するのは,グリップが通常のスクワットとは異なるためです.

スクワットは,基本的には,「バーを押す」イメージを持つことで高重量を扱うことが可能とされています.そのため,基本的には,バーを押し易い様に肩甲骨を寄せて,人によってリストラップをつけるなどしてバーを押しやすい環境を整えます.

ただ,その場合,バーを押すことから,高重量を扱うことはできますが,重量に対する脚への負荷はそこまで高くありません

そのため,人によっては,手を置く位置を身体から遠ざけて設定するという方法をとる人もおります.今回のDerek Lunsfordのスクワットもその一環であるという考え方ができますが,このバーの固定方法は初めて見ました.

Derek Lunsford 変則スクワット バーベル固定方法

バーベルを僧帽筋上部に乗せて,そこから三角筋前部を通して,手で20 kgの重りを固定しています.この方法は明らかに,教科書的なスクワットの方法と異なっていることから,”変則スクワット”と呼称しました.

変則スクワットのメリット

変則スクワットのメリットですが,負荷重量に対して足への刺激が非常に大きいことです.

このグリップの場合,もはや,身体はバーベルを固定するものにしか過ぎず,脚以外にバーベルを支えるものは存在しません.そのため,教科書的なスクワットの問題だった「負荷重量に対して脚への負荷が小さい」という問題点を克服することができます

変則スクワットのデメリット

変則スクワットのデメリットですが,重量を扱いにくいこと実施時に前のめりになりやすいこと,の二点になります.

まず,普通の人では高重量を扱うことができません.かなりスクワットが強い方でも,恐らくこの方法だと100 kgを扱うのもきついのではないかと予想されます (スクワットの弱い私は,60 kgでも精一杯でした.).その中で,180 kgをこのフォームで実施するDerek Lunsfordはどうなっているのでしょうか….

次に,実施時に前のめりになりやすいです.これは,バーベルを固定しているのが僧帽筋上部と三角筋前部であるということに起因します.この姿勢で行うことにより,バーベルは手で固定しているときと比較して,より身体を前に倒そうとする力が働き,これにより前のめりになりやすく,怪我をしやすいと考えられます.以下のDerek Lusnfordも結構前屈みであることがわかります.

Derek Lunsford 変則スクワット フォーム 前屈み

変則スクワットは誰にお勧めか

変則スクワットは,間違いなく,上級者向けだと思います.理由としては,前述したデメリットからです.

まず,スクワットは高重量を扱う種目ですから,初心者のうちで重量を扱えないときにわざわざ手を出すべき種目ではないと思います.

次に,スクワットをやり慣れていて,腰が怪我をする具合がどれくらいかを認識していないと,本種目は実施したときに怪我をするリスクが非常に高いと思います.

以上を勘案すると,本種目は上級者向けであると言えます.

終わりに…

スクワットは高重量を扱いやすい種目ですが,重量の割には負荷が少ないというデメリットに着目したのが今回紹介した手法になります.

しかし,実際やってみると,これはかなりきついトレーニンであることが分かります.また,本手法でスクワットを実施すると,普段,如何に自分が手でバーベルを押しているのかが分かります.

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