ミスターオリンピア 2019 クラシックフィジーク部門にて僅差でクリスバムステッドに敗れたBreon Ansleyは,ミスターオリンピア2020での虎視眈々と王者の座を再び狙っています.
今回は,Breon Ansleyが背中トレーニングを公開している動画をみつけたため,皆さんとシェアしたいと思います.
Breon Ansley 背中トレーニング動画
今回の動画は以下になります.
今回の動画の作成元はBreon Ansleyのyoutubeチャンネルになります.
タイトルにあります通り,今回の背中のトレーニングのポイントは「収縮ポジションで静止すること」になります.
Breon Ansley 背中トレーニングの内容
今回のトレーニング内容は以下になります.
- 1種目目:パラレルグリップチンニング
- 2種目目:ナローグリップラットプルダウン
- 3種目目:ケーブルプルオーバー
- 4種目目:ワンハンドロープーリーロウ
- 5種目目:コンパウンドロウ
パラレルグリップチンニング
1種目目はチンニングになります.1種目目のチンニングには,マインドマッスルコネクションを高めるために実施している様ですね.回数は10回程度になります.
チンニングは,教科書的には海老反りになって行うことが推奨されますが,それをBreon Ansleyは行っていません.下半身は非常に自然な状態で体の上げ下げを行っていますね.ただ,その分,肩甲骨の動きはかなり意識していると言えます.
トップポジションは以下になります.
また,ボトムポジションは以下になります.
以上の写真を見れば分かる通り,一般的なチンニングと比較すると非常にレンジが限定的であることが分かります.この理由について,Breon Ansleyは,”数日前に行った上腕二頭筋のトレーニングにより,筋肉痛があるから“という様に説明しており,筋肉痛のある部位に適当な休みを与えるためにレンジを限定しているのだと言えます.
ナローグリップラットプルダウン
2種目目はナローグリップのラットプルダウンです.アタッチメントには,マググリップの一番小さいものを用いていますね.回数は12回になります.
トップポジションは以下になります.
この種目も,1セット目と同様に,レンジは比較的限定的ですね.ナローグリップでラットプルダウンをするときは,トップポジションをもっと上に設定してストレッチを意識して実施することが多いのですが,これは「あくまでも刺激を抜かない」ということに焦点をあてて実施していますね.
また,ボトムポジションで数秒静止しているのも見逃せません.これは,実施すると分かりますが,かなりきついですが,非常に効果的な動きになります.
ケーブルプルオーバー
3種目目はケーブルプルオーバーです.アタッチメントは,短いストレートバーを用いています.回数は12回で,最後はドロップセット (シングル)を行います.
ケーブルプルオーバーは,ウォームアップもしくは仕上げの種目で実施する選手が多いため,3種目目での実施は非常に珍しいですね.
背中の種目では,手首を掌屈させることが多いのですが,Breon Ansleyのやり方では,むしろ手首を殺しているセットも見られるため,そこまで意識していないかもしれませんね.
トップポジションからボトムポジションまで引き切って,最後は「背中でアタッチメントを迎えに行く」様なイメージではないでしょうか.また,セットの最後の数回は,ボトムポジションで静止して背中の収縮を最大化しています.
ただ,個人的には,ケーブルオーバーはこのアタッチメントだとどうしても,三頭筋への刺激が大きくなってしまい,あまり効いている様な感じがしないため,Derk Lunsfordが実施している様に,長めの紐で行う方が良いかなと言う感想です.
ワンハンドロープーリーロウ
4種目目はワンハンドでのロープーリーロウです.
ロープーリーロウは,ナローでパラレルグリップで行うことが多いですが,この様な使い方もできます.この種目のメリットは,パラレルグリップで行うよりもレンジを大きく取れるため,肘を最大限に引くことができる点にあります.これにより,効果的に背中を刺激可能であり,背中の厚みはもちろんですが,広がりを出すトレーングにもなります.
ボトムポジションからトップポジションでハンドルを外旋させることで,普段とは異なる刺激を入れることが可能となりまます.
コンパウンドロウ
5種目目はコンパウンドロウです.
恐らくこれはノーチラスのコンパウンドロウになるのですが,多くの日本のゴールドジムに置いてあるマシンと異なりプレートローディングタイプのものになります.
この種目はBreon Ansleyが実施している動画はありませんが,本種目は,続けて行うことで対象部位を最大限に疲労させることが目的であると考えられます.これは,本マシンは手首を動かせるタイプのマシンにもかかわらず,手首を終始,掌を下にして実施していることからも推測できます.そのため,回数は12回以上となります.
持つ位置の始点の自由度が大きいため,背中を非常に寄せやすく,神経質にならなくても背中に効きやすいというメリットがあります.
終わりに…
今回の動画では,個人的には特にチンニングの実施方法が勉強になりました.チンニングはどうしてもレンジを大きくして実施しなければならないという観念に囚われがちですが,この様にレンジを限定して実施すると刺激が抜けず,効果的に実施できそうですね.