鈴木雅選手がバーベルのショルダープレスについて解説している動画を見つけました.
今回は,その動画について,私の解説を入れながら皆さんとシェアしたいと思います!
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鈴木雅選手解説のバーベルショルダープレスの動画
以下が,鈴木選手のショルダープレスの動画になります.
こちらの動画は,筋トレ雑誌で有名なIRONMANが制作しています.
基本的に,日本人の選手は,トレーニング動画を商品にしているため,この様に公になるケースが非常に珍しいため,今回の動画もかなりレアなものとなります.
撮影している場所ですが,これは,新しめなゴールドジムですね.この床の感じからして,恐らく,私は,これはゴールドジムの東陽町スーパーセンターかなと思うのですが,どうでしょうか笑.
2種類のバーベルショルダープレス
鈴木選手は,この動画で普段から2種類のショルダープレスを行っていると解説しています.その2種類ですが,端的に言いますと,ワイドグリップバーベルショルダープレスとナローグリップバーベルショルダープレスになります.以下ではこの2点について説明します.
ワイドグリップバーベルショルダープレス
まず,説明しているのがワイドグリップのバーベルショルダープレスになります.
このワイドグリップバーベルショルダープレスのポイントとしては以下を挙げています.
- 手首を立てる
- ボトムポジションを下に設定しすぎない ( = 肩甲骨を下げない)
- ターゲットはミッドレンジから収縮ポジションまで
グリップの位置ですが,自身の肩から拳二個分くらいの外側に設定していますね.
まず,手首を立てるということですが,以下の画像を見れば分かる通り,グリップをサムレスアラウンドにして,手のひらと床が垂直になる様に握っています.こうすることによって,重さを肩全体で受け持つことになるため,肩への刺激が入りやすくなります.また,以下の画像がトップでのポジションになるのですが,肘が伸ばしきっておらず,刺激が抜けきっていないというのも特徴的ですね.
次に,ボトムの位置設定ですが,以下の画像を見れば分かる通り,ボトムは口の前くらいにバーベルが来た位置をボトムとしているため,バーベルショルダープレスのボトム設定としてはかなり浅いですね (ジムで見かけるバーベルショルダープレスのボトム設定のほとんどは顎くらいだと思います).
浅くする意図としては,肩甲骨を高い位置を保ったままにすることができ,これにより,僧帽筋や大胸筋に刺激が逃げない様にしているということです.
この考えは非常に盲点でしたね.私もバーベルショルダープレスを行うことがあるのですが,ボトムでストレッチをかけようとして,顎くらいにボトムを設定していました.こうすると,確かに,肩のフロントにストレッチはかかるのですが,同時に大胸筋の上部にまで刺激が入ってしまい,胸トレの翌日にバーベルのショルダープレスを行うと疲労が早く,重量を扱いきれないという問題がありました.
以上の問題は,この様にボトムの位置を高めにして,ミドルレンジから収縮を狙う種目と割り切ることで解決できるとは非常に勉強になります.
ナローブリップバーベルショルダープレス
次に,説明しているのがナローグリップのバーベルショルダープレスになります.
このナローグリップバーベルショルダープレスのポイントとしては以下を挙げています.
- 手首をやわらく使って,手首の中央でバーベルを握る
- 脇を締める (=肩甲骨が外に開く)
- ストレッチ種目
グリップの位置ですが,自身の肩幅くらいに設定していますね.
まず,先ほど説明したワイドグリップと異なり,以下の画像を見れば分かる通り,グリップをサムレスッグリップにして,手のひらと床が平行になる様に握っています.こうすることによって,より,バーベルを肩の近くまで下げやすくなります.また,やはり,ナローグリップでもワイドグリップと同様にトップでのポジションで肘が伸ばしきっておらず,刺激が抜けきっていないというのも特徴的ですね.
次に,脇を締めることで,肩甲骨が外に開いた状態でストレッチをかけることが可能です (すなわち,肩だけに刺激を入れてストレッチをかけることができるということ).これにより,ストレッチを意識した種目となるため,必然的にボトムの位置設定も我々の知っているバーベルショルダープレスの様に顎くらいとなります.
終わりに…
やはり,鈴木選手のトレーニング解説は,参考になりますね.ただ,鈴木選手の解説は,解剖学に基づいたアプローチが多いため,初心者の方は最初はとっつき辛いかなと感じます (そういうときは,フォームだけを真似してみてください).
今回の動画で重要だったことは,「自分が何を意図して,どういう種目なのか」ということを理解するということなのではないでしょうか.ただ,闇雲に重りを上げ下げするのではなく,ちゃんと”意思”を持ってトレーニングするということが大事なんですね.