アーノルドクラシック 2019 in コロンバスオハイオにて優勝を飾ったブランドンカリーですが,どの様なトレーニングを行っているのでしょうか.
今回は,ブランドンカリーのトレーニング動画の中でも胸&腕トレーニングについて解説を行いたいと思います!
ブランドンカリー解説の胸&腕トレの動画
ブランドンカリー解説の胸&腕トレの動画は以下になります.
動画の作成元は,ブランドンカリーのyoutubeチャンネルになります.
種目は以下の順になっています
胸トレーニング (-4:57まで)
- インクラインベンチプレス
- インクラインマシンプレス (パラレルグリップ)
- (おそらくハンマーストレングス)ディクラインプレス
- (チェストプレスマシンによる)ディクラインプレス
- インクラインダンベルフライ
- ケーブルクロスオーバー (2種)
腕トレーニング (4:57-8:04)
- スタンディングダンベルオルタネイトカール
- マシンEZバーカール
- プリーチャーカール
- マシンハンマーカール
トレーニングを行っているジムですが,”Muscle Factory”こと,KuwaitのOxygen Gymです.Oxygen Gymは,近年,プロボディビルダーの間では非常に人気のあるジムで,他にはローリーウィンクラーや昨年まではビッグラミーもOxygen Gymでトレーニングを行っていました (いわゆる,Camel Crewというやつですね).
動画を見ればわかる通り,ジムに置いてあるマシンは最新機種であり,フロアごとにどこを鍛えるかが決まっているようです (羨ましい限りです….).私も死ぬまでには一度,ぜひ行ってみたいジムの一つですね.
ブランドンカリー,胸トレーニングのポイント
インクラインベンチプレス
1種目は,インクラインベンチプレスのドロップセットですね.
180kgから40kgずつ,100kgまで2回ドロップさせています (180kgをこれだけ正確なフォームでやるとは….).
各セットは6回なのですが,180kgと140kgのセット最後の一回はボトムで停止して,大胸筋上部をストレッチさせています.マインドマッスルコネクションを意識して大胸筋上部にさらに意識を置く目的だと思われます (非常にきついですが…).
グリップは,肩幅よりも少し広めで構えています.ベンチプレスは,基本的にグリップを広めにとるのが教科書的ですが,海外のプロボディビルダーは若干それよリ狭く取る人が多いですね.ただ,狭くすると肘への負担が多くなるため,肘への負担を考えながら決めた方が良いです.
インクラインマシンプレス (パラレルグリップ)
2種目は,パラレルグリップのプレートローディング式のインクラインマシンプレスです.
70kgの重量で14回行っています.
このエクササイズの特徴として,かなり動きが小さいと言うことです.トップで収縮,ボトムでストレッチを意識すると言うよりは,むしろ筋肉を動かし続け,大胸筋上部を完全に疲弊させています.おそらく,2種目ということなので,マシンによってさらに追い込むという位置付けなのだと考えられます.
(おそらくハンマーストレングス)ディクラインプレス
3種目目はハンマーストレングス社のプレートローディングマシンと思われるマシンでディクラインプレスです.
このマシンで胸筋下部を狙うときは,パラレルになる様なグリップで実施する人が多く,今回ブランドンカリーが行っているグリップで実施する人は少ないと思います.おそらく,ディクラインプレスだけれども,胸筋下部というよりは,サイドから下部,そして内側にかけて満遍なく狙っている意図があると考えられます.
この種目はストレッチ種目というよりも,トップでの収縮を意識した種目になっています.
(チェストプレスマシンによる)ディクラインプレス
4種目目は,チェストプレスマシンによるディクラインプレスです.このマシンは初めてみるのですが,おそらく,ブランドンカリーの姿勢,グリップの位置を考えるとディクラインプレス専用のマシンであると考えられます.
3種目目よりもトップの位置がかなり下であるたため,3種目目よりも大胸筋下部を意識したトレーニングであると考えられます.
インクラインダンベルフライ
5種目目はインクラインダンベルフライです.
38kgの重量で9-11回行っています.
これが,フライなのかプレスなのか議論の余地がありますが,ここではフライと仮定します.ダンベルを「ハの字」にすることで,大胸筋上部と内側をターゲットとしています.インクラインのダンベルフライは,この様に,「ハの字」にしてベンチの後ろから引っ張られる様な感覚を持つと上手く効かせることが可能です.
フォームとしては,フライの動きの中で効かせています.フライだと,ボトムでストレッチを意識して,ボトムポジションで静止しながら実施する人が多いのですが,ブランドンカリーはとにかく“筋肉を動こと”を意識してトレーニングを行っています.
ケーブルクロスオーバー (2種)
6種目目は,ケーブルクロスオーバーです.
ボトムポジションで一度静止して,ストレッチを意識して実施しています.また,トップではグリップを緩めていることが言えます.このテクニックでは,日本でもかなり実施している人が多く,これによって大胸筋の内側に刺激を十分に入れることができます.
2セット目の最初の方に実施しているケーブルクロスオーバーではケーブルをほぼ床と垂直に下ろしています.これによって,大胸筋の下部に刺激を入れることができます.
一方,それ以外では,トップの位置は身体の前方に持ってきて,トップでのグリップは親指を合わせる様に実施しています.これによって,大胸筋の上部に刺激を入れることができます.
ブランドンカリー,腕トレーニングのポイント
スタンディングダンベルオルタネイトカール
1種目はスタンディングダンベルオルタネイトカールです.
15kgの重量で片側10回程度実施しています.
ダンベルをあげる際には,小指は内旋させています.これによって,より二頭筋の短頭に刺激を入れるという意図があります.
このエクササイズは,短頭だけでなく腕全体に刺激が入るため,1種目目として非常におすすめの種目です (個人的に,ボトムでは微弱ですが三頭筋にも入っていると感じています).
マシンEZバーカール
2種目目はマシンEZバーカールです.
トップのポジションは,腕の角度が90度になるくらいであるため,EZバーカールというよりはドラッグカールに近い形です.トップでの収縮をイメージして行っていますね.
プリーチャーカール
3種目目はプリーチャーカールです.
この種目は,ストレッチを意識するというよりは,二頭筋を動かし続けることで完全疲弊を狙っていると言えます.上半身を,パッドにのっかかる様にセットすることによって,高重量でもしっかり効かせる様にしています.握りもかなり浅くして,握力であげる様にするのではなく,あくまでも”二頭筋に重量乗せる”というイメージで実施しています.
マシンハンマーカール
4種目目はマシンのハンマーカールです.
このマシンも初めて見ました.座席が動く形のハンマーカールですね.
座っているため,チーティングが一切ないです.ハンマーカールは高重量を扱うとどうしても,チーティングが多くなってしまいますが,このマシンの場合,ケーブルの軌道に合わせて座席が動いてくれるため,理想的なフォームでハンマーカールを行うことができます (自分も使ってみたいです.).
終わりに…
今回取り上げた動画から言えることは,ブランドンカリーのトレーニングはストレッチ,収縮を意識するというよりは,動き続けることで筋肉を完全に疲弊させるということでした (考え方としては,最後にパーシャルレップを行うというのと同じだと思います.).
みなさんも,今回の動画を参考にして,トレーニングのレパートリーの一つとして加えてみてください!
2020/03/08追記:
ブランドンカリーですが,ミスターオリンピア 2019も制したため,最近では非常に珍しくなったアーノルドクラシックとミスターオリンピアを同一年度に制したチャンピオンになります.