腕トレーニングのコンパウンド種目として,非常に一般的なトレーニングになるのがEZバーカールです.
ただ,コンパウンド種目であるため,慣れていないとしっかりと腕に効かせることができません.人によっては,上腕二頭筋,上腕筋ターゲットのはずなのに前腕にばかり刺激が言ってしまうという人もいるかと思います.
そんな,あなたは,もしかしたらグリップが悪いのかもしれません.今回は,前全日本ボディビルチャンピオンの鈴木雅選手が解説するEZバーのグリップについてです.
ストレートバーとEZバーの違い
アームカールの種類には,ストレートバー行うアームカールとEZバーで行うアームカールがあります.
両者の違いは,握ったときの向きになります.
ストレートバーのアームカールは,上腕二頭筋に対してまっすぐ拳が上がってくるため,対象部位は上腕二頭筋となります.一方,EZバーのアームカールが,拳が少し外側に向いて拳が上がってくるため,上腕二頭筋だけでなく上腕筋もターゲットとなります.
以上より,両者で微妙にターゲット部位が異なるため,鈴木選手は両者の種目を行っているのを動画で見たことがあります.やはり,我々素人はグリップが多少違うだけで後は大方似ているため,どちらかしかやらないことが多いですが,両方やった方が良いということなんですね.
また,ストレートバーとEZバーでは,一般的に怪我のしやすさも異なります.やってみると分かりますが,EZバーの方が手首にかかる負担が小さいです.このことから,EZ (= easy)バーと言われる所以でもあります.
今回は,EZバーカールの解説になります.
鈴木雅選手解説のEZバーカールの動画
以下が今回の動画になります.
今回の動画も,IRONMANの製作になります.
鈴木雅選手解説のEZバーカールのポイント
今回の動画でのポイントはシンプルに一点だけです.
EZバーを手で包み込む様に握る ( = 指で握らない)ということです.
EZバーを手で包み込む様に握る
「バーベルを手で包み込む様に握る」とは以下の様な握りを指します.
すなわち,最初に手のひらにEZバーを乗せ,それを包み込むということです.間違っても指の関節に乗せて,指で握らない様に注意してください.
そもそも,EZバーを手で包み込む様に握る理由としては,以下で示す様にトップポジションで手首が掌屈している状態を作るためです.
この理由については,ボディビルディングのポージングをイメージすると分かりやすいです.例えば,鈴木選手のフリーポーズに以下の様なポージングがあります.
このとき,右腕に注目して下さい.上腕二頭筋をはっきり際立たせるために,手首を掌屈させていますね.これを言い換えるならば,手首を掌屈させることで上腕二頭筋にしっかりと力が入るということであり,EZバーカール実施中もそれを意識した方が上腕二頭筋にしっかりと刺激が入るということです.
では,逆に手首が返ってしまうとどうなるのでしょか.
手首が返るには,まずEZバーを指で握る必要があります.
この状態で素手に手首が返ってしまっていることがわかります.この状態から,手首を掌屈させることは不可能ではありませんが,やりにくく,手首が動くため手首の怪我の原因になります.
この状態からトップポジションに持ってくると以下の様になります.
前に示したEZバーカールのトップポジションと比較して,手首が返ってしまっていることが分かります.こうなると,前腕にばかり刺激が行き,上腕二頭筋への寄与が少なくなってしまいます.
終わりに…
今回は,EZバーカールで解説を行っていますが,腕全般の種目において手首を外に返すのではなく掌屈させることが重要であるということが言えます.例えば,プリーチャーカールなんかも高重量を扱うと手首が返りやすくなりますが,実は軽い重量でも手首の掌屈を意識すれば,抜群に上腕二頭筋に刺激が入る様になります.
高重量トレーニングをすると,重りを支えることで精一杯になり,グリップが疎かになりがちで,結果的にそれで刺激がうまく入らず,場合によっては怪我するということもあります.したがって,トレーニングでは重すぎる重量を扱うのではなく,グリップを意識できるくらいの適切な重量で行うことが肝要です!