Pittsburgh Pro (ピッツバーグプロ) 2022でのゲストポージングをドタキャンという形でキャンセルしたBig Ramy (ビッグラミー)の代わりに,ゲストポージングを行ったのがDerek Lunsfordです.
Derek Lunsford (デレクランスフォード)は非常に素晴らしい仕上がりを見せ,彼自身も含めて,多くの人は彼のオープンクラス転向を推奨する様な意見が多い中で,Chris Cormierはやや異なる意見を述べています.
今回は,Chris Cormierが語るDerek Lunsfordのオープンクラス転向の難しさについて皆さんとシェアしたいと思います.
Chris Cormierとは
Chris Cormierは,1967年生まれでアメリカ出身のプロボディビルダーです.身長は約178 cm,体重は約111 – 116 kgだったと言われています.
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Chris Cormierは1993 NPC USA Championshipで優勝し,IFBBプロカードを取得しました.
その後,2000年を除いて1994年から2005年までミスターオリンピアに出場し,ミスターオリンピア 1999及び2002では3位に入ったトップ選手です (しかも,当時はボディビルディングの黄金時代と言われた1990年台ですから,彼が如何に素晴らしい選手であったかがわかります.).ちなみに,最終的には72のIFBBプロコンテストに出場し,12回の優勝,アーノルドクラシックでは6回の準優勝を飾った様です.
彼は選手として超一流ですが,引退後,コーチとしての活躍もめざましく,彼に師事している選手としてはBreon Ansley等がいます.
Chris CormierがDerek Lunsfordのオープンクラス転向の難しさについて述べた動画
Chris CormierがDerek Lunsfordのオープンクラス転向の難しさについて述べた動画は以下です.
動画の作成元は,Muscle and Fitnessです.
今回の動画の長さは1:30:54です.
今回の動画では,Dennis James (デニスジェイムス),Chris Cormier,Jay Cutler (ジェイカトラー)が今回のDerek Lunsfordの件を含めて議論を行っています.
Chris CormierがDerek Lunsfordのオープンクラス転向が難しいと考える理由
Chris CormierがDerek Lunsfordのオープンクラス転向が難しいと考える理由は
Yeah I just saw Derek with a lot of great proportions up there posing. I was standing next to Jay, and we were like. ‘damn, this kid can do something in the future’ you know? I was standing next to you also Dennis. Yeah, like you say, Labrada looked great up there. Walker has some good mass going.
I mean, I don’t know. I would just like to see. I think there is a limit to when you don’t look as great when you’re trying to get as big as possible. You’re just looking to get as big as possible or are you artistically putting your body together.”
Derekは素晴らしいプロポーションでポーズを取っていました.私はジェイの隣に立っていたのですが,二人でこう言ったんです.「彼は将来何かやってくれそうだ」と.Dennis Wolfの隣にもいました.あなたが言うよう,Hunter Labradaはあそこでとてもよく見えました.Nick Walkerも良かったです.
でも,どうなんでしょうか.ただ,見てみたいのです.できるだけ大きくなろうとすると,見栄えが悪くなる限界があると思うのです.できるだけ大きくなりたいだけなのか,それとも芸術的に体を組み立てているのか.
Chris Cormierも,本質的には,Derek Lunsfordがオープンクラスで活躍する可能性を指摘していますが,その一方で,オープンクラスに出場する上で単純にサイズアップすればよいということではないという点について指摘しています.
これについては,彼のコーチであるハニーランボットも想定しており,これにより,Derek Lunsfordの食事をオフシーズンでもある程度は制限しているようです (それでも,ピッツバーグプロのときは1日に150 gの炭水化物を摂取し,体重は250 lbs (約113 kg)を超えていた様ですが…).
この難しさについては,同じく212 lbsクラスて活躍しているShaun Claridaも直面しています.
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彼はオリンピア 2020を制したときの仕上がり体重が167 lbs (=75.7 kg)であり,これだけ考えるとリミット体重まで15 kg以上余裕がありますが,リミット体重ギリギリで仕上げる様なオフシーズンの送り方をしていません.
これは,そもそも,筋肉だけで急激に体重を増やすということが困難であることに加えて,彼の身長を考慮に入れると,サイズが大きくなりすぎるとバランスが崩れ,かえってジャッジからすると低い評価となるためです.
以上の問題は,今後,オープンクラスに恐らく転向すると考えられるDerek Lusnfordにも言え,212 lbsクラスから単純にサイズアップをすれば勝てる様になるわけではないという難しさを指摘していると考えられます.
終わりに…
現状の仕上がりで,オープンクラスの選手と同等のサイズ感が見られるため,ここからさらにサイズアップしたらどうなるのかというのは注目すべき点ではありますが,単純にサイズアップしたから勝てる様になるわけではないのが,ボディビルディングの難しさでもあると言えます.