アーノルドクラシック 2021のスコアが物議を醸している模様

セルジオオリバジュニア ポージング 不満

Nick Walkerの優勝に幕を閉じたArnold Classic (アーノルドクラシック) 2021 in コロンバスオハイオにおいて,大会後,スコアカードが公表されたのですが,それが物議を醸しています.

今回は,アーノルドクラシック 2021 in コロンバスオハイオのスコアについて皆さんとシェアしたいと思います.

アーノルドクラシック 2021のオープンクラスボディビルディングのスコアカード

アーノルドクラシック 2021のオープンクラスボディビルディングのスコアカードですが,以下の様になっています.

アーノルドクラシック 2021 in コロンバスオハイオ スコアカード

これをパッと見ただけでは,何が問題なのかよくわかりませんが,Sergio Oliva Jr. (セルジオオリバジュニア)の発言と彼の得点を見るとよくわかります.

セルジオオリバジュニアが問題視すること

セルジオオリバジュニアが問題視することですが,彼は自身のインスタグラムにて以下の様に述べています.

少々長い発言ですので,前半部分のみを切り取ると以下の様に述べています.

I’m starting to feel posing is officially dead in open bodybuilding. There’s realistically 2-3 guys besides me who even make an effort. But mostly I feel the judges and sport just don’t care. Anyone who knows me knows I have done a choreographed routine since I was a 176lb middleweight in NPC. Over 15 years of different routines never doing the same routine twice.

I don’t think a posing routine should make you beat guys who are better than you or anything on that level but I did believe if it’s close between you and another guy it should give you the extra nod. The guy who practiced and portrayed a bit of art or even just came up with a bad ass exciting routine just to put on a show should be rewarded or even respected. Making at least 1 or 2 younger people watching say “one day I wanna be like that” and actually gets into the sport because of a performance that touched them.

オープンボディビルでは,ポージングは”完全に死んだ”と感じ始めています.努力している人は,私以外に2-3人しかいません.しかし,ほとんどの場合,審査員やスポーツは気にしていないと感じています.私のことを知っている人は,私がNPCで176 lbsのミドルウェイトだった頃から,凝ったポージングを行っていたことを知っていろ思います.15年以上に渡って様々なルーティンを行ってきましたが,同じルーティンを2度行うことはありませんでした.

私は,ポージングをすれば自分より強い選手に勝てるとか,そういうレベルの話ではありませんが,自分と他の選手が僅差であればそれは自分に有利に働くはずだと信じていました.ちょっとしたアートを練習して表現したり,ショーのためにひどい刺激的なルーティンを考えたりした人は報われるべきだし,尊敬されるべきだと思います.見ている若い人たちの中には「いつか自分もあんな風になりたい」と思っている人が少なくとも1人か2人はいるでしょうし,感動的なパフォーマンスを見て実際にスポーツを始めた人もいるはずです.

アーノルドクラシック 2021 in コロンバスオハイオにて,セルジオオリバジュニアはBest Posing Award (ベストポージング賞)を受賞したのですが,これはあくまでも彼のポージングルーティンが評価されてのことになります.

翻って,冒頭に示した得点表を見ると,Routineの部分でセルジオオリバジュニアのポイントは29ptで6位になっています.この部分で「???」と思った方も多いと思いますが,その通りで,問題なのは,「なぜ.ベストポージング賞を受賞した選手の得点が1位じゃないのか」ということです.この問題点を頭に置いて,もう一度,冒頭のRoutineの得点を見直して見ると,Routineの得点順位は最終的な得点の順位と全て一致していることがわかります.

以上から.このRoutineという部分がかなり適当に採点されているということがわかり,そうなると,今回,セルジオオリバジュニアが述べている様に,「ボディビルディングはそもそも肉体とポージングで競う競技なのにも関わらず,肉体しか評価対象になっていない」と考えるのは真っ当なことであり,そうなると,そもそもポージングを得点に入れる必要があるのかというのが問題になります.

そもそものスコアの付け方として,基本的には,Prejudging,Finalで得点をつけ,そのスコアで優劣をつけるという方式が一般的であり,この場合,このPrejudging,Finalの得点にポージングなどの得点が全て含まれていることになります.アーノルドクラシック 2021 in コロンバスオハイオでは,なぜか,ポージングの得点と思われるRoutineというのを別枠にしたからこそ,今回の様な問題が発生したのだと考えられ,なぜ,この様な採点型式を取ってしまったのか疑問が残るところです (主催者であるアーノルドシュワルツネッガーがポージングを重要視していることに忖度してこの様な方式を採用したのかもしれませんが,機能していませんよね….).

終わりに…

オリンピアレベルになると,そもそも,ポージングが下手という選手は中々いませんから,結局は身体の仕上がりが勝敗に直結するというのが事実です.

今回,セルジオオリバジュニアが述べていることはもっともですが,ポージングルーティンの良し悪しというのは,中々,得点で具体的な優劣をつけるというのは難しいことは事実であり,客観的な順位付けをしようとするとどうしても仕上がりで判断してしまうという背景があるのではないでしょうか.

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