ヘルニアとは,軟骨 (椎間板)の組織の一部が飛び出すことによって,神経を圧迫することで,酷い痛みを伴う腰の怪我の一つです.
ヘルニアは,意外と若い人の発症が多いみたいで,確かに私も中高生時代を思い返してみますと,ヘルニアに発症している人を何人か見かけた気がします (あと,自分も含めて体重が重い人が発症していた気がしますね.).
ヘルニアは,普段から腹筋と背筋をバランス良く鍛えているトレーニーにも決して無関係な話ではありません (基本的に,腰痛の多くは,腹筋と背筋をバランスよく鍛えてあげると解消できるケースが多いです).トレーニングを真剣にやっている人ほど,ヘルニアに悩まされているケースは少なくありません.
これは,一般人レベルだけでの話ではなく,プロも同様の問題を抱えています.プロも,シーズン終了後に,ヘルニアの手術をするという話をよく目にします.特に,今回は,ウィリアムボナックがオリンピア 2019の4週間前に,実はヘルニアを発症していたという動画を見つけたため,皆さんとシェアしたいと思います.
ウィリアムボナックのヘルニア発症について述べる動画
ウィリアムボナックのヘルニア発症について述べる動画ですが,以下になります..
今回の動画は,大人気youtubeチャンネル,Nick’s Strength and Powerです.
ウィリアムボナックの症状
ウィリアムボナックですが,2019年のオリンピアに出場するにあたり,彼は脚の怪我もしていた様です.その怪我とヘルニアが重なり,脚に十分な血液が行かなくなった (=脚の十分なパンプがしにくくなった)ということの様です (それでも,脚のカット等は十分だった様な気がしますが…).
ただ,この動画でも述べている通り,一番の問題点は脚,背中ではなく,腹筋ではないのかということです.腰を怪我したことがある人はわかると思いますが,腰を怪我をして一番実施し辛くなるトレーニングが,間違いなく腹筋のトレーニングです.腹筋はその構造上,収縮ポイントで猫背の様になるとよく効くのですが,腰を痛めているとそもそも猫背になるのが辛いんですよね.
実際に,昨年のオリンピアでも,一昨年にフィルヒースがヘルニアの手術を行い,オリンピアにおいて彼の腹筋まわりのコンディションは大きな批判を浴びました.
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素人目線からすると十分にあるのではと思うのですが,確かにセパレーションに欠けるのがわかります,また,特に,問題視されたのが,ポージングとポージングの間に腹筋の力を抜くと,お腹がでてしまうという通称,”Bubble Gut”が問題でした (この年は,Bubble Gutというとローリーウィンクラーが想起されますが,この年のローリーウィンクラーはかなり仕上がりがよく,あまりBubble Gutが目立っていませんでした.).これが,ヘルニアが起因して起こっていた問題であると言っている人もいます (ただ,フィルヒースは年々,腹筋周りのコンディションが悪化していたため,一概にこれが悪いとは断定できませんが…..).
フィルヒースの事例からわかる通り,ヘルニアで一番の問題を抱えるのは腹筋であり,それを考えると確かに今年のオリンピアでのWilliamの腹筋のコンディションは良くなかったと思います.
ウィリアムボナックの様なトッププロでも腰を痛めてしまう原因は,やはり高重量のトレーニングにあると思います.90年代後半から2000年代初頭の様な,著しくサイズを求めたジャッジ (ドリアンイェーツ,ロニーコールマンそしてジェイカトラーが全盛期だった時代です.)は現在のボディビルディングではなされておらず,ウィリアムボナックが活躍していることからもわかるとおり,コンディショニングが重要視されています.ただ,コンディショニングが重要視されていても,やはり,ある程度のサイズは必要とされており,高重量のトレーニングを行うこととなります.
また,コンテスト前の近くになると,極端に脂肪が少ない状態で重量は落とさないでトレーニングを行うため,骨にクッションとなるものが存在せず,怪我をしやすくなる傾向があります (だから,オンテスト前のボディビルダーは,疲労軽減もありますが,よくカイロプラクティックなどの背術を行っています).
終わりに…
元来,腰は弱い人,強い人がいらっしゃいますが,ヘルニアは誰もが発症する危険性がある怪我です.ヘルニアを予防するためには,腰の柔軟性を向上させることが肝要となります.そのため,やはり風呂上がりの柔軟体操で柔軟性を向上させることは重要ですね.