ミスターオリンピア 2024のトップ3の順位を振り返る

ミスターオリンピア 2024 トップ3

Samson Daudaが優勝し,幕を閉じたミスターオリンピア 2024ですが,2位だったHadi Choopanとは僅か3ポイント差での決着となり,非常の僅差の戦いでした.

今回は,ミスターオリンピア 2024のジャッジについて振り返ります.

2018年以降のミスターオリンピア優勝者

2018年以降のミスターオリンピア優勝者は以下の通りです.

  • ミスターオリンピア 2024 Samson Dauda
  • ミスターオリオンピア 2023 Derek Lunsford
  • ミスターオリンピア 2022 Hadi Choopan
  • ミスターオリンピア 2021 Big Ramy
  • ミスターオリンピア 2020 Big Ramy
  • ミスターオリンピア 2019 Brandon Curry
  • ミスターオリンピア 2018 Shawn Rhoden

2000年初頭はRonnie Coleman(ロニーコールマン),それから,2000年代中盤から2010年代初頭はJay Cutler(ジェイカトラー),Dextor Jackson(デキスタージャクソン),そして,2011年から2017年はPhil Heath(フィルヒース)と,2008年のデキスタージャクソンを除いて何れの選手も連覇をしています.

それ以前も,Lee Haney(リーヘイニー),Dorian Yates(ドリアンイェーツ)など連覇重ねていた選手が多かったことを考えると,ここ数年は連覇をした選手が2020-2021年のBig Ramyだけ(しかも2連覇)です.これを考慮すると,選手のレベルが拮抗しているということもありますが,ジャッジの基準も以前と比較して年ごとに変化しているという印象が強いです.

ミスターオリンピア 2024のジャッジの基準

ミスターオリンピア 2024は,1位 Samson Dauda(8,6),2位 Hadi Choopan(8,9),3位 Derek Lunsford(15,15)という結果でした(()の数字は,プレジャッジと,ファイナルのスコアです.).

 

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これを考えると,コンディションのピークを外してきたDerek Lunsfordは上位2選手と比較して大きな差がついてしまったものの,Samson DaudaとHadi Choopanに関してはかなりの接戦であり,プレジャッジで同点,ファイナルで僅か3ポイントでの決着になったということが言えます.

ここで,Samson DaudaとHadi Choopanを比較すると,両者決定的に身体のタイプが異なります.

Samson Daudaはストラクチャーが非常に優れており,高身長が故の長い手足から繰り出されるポージングは非常に美しいことが定評があります.

 

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これまで,ボディビルディングというのは身長が低い選手がほとんどだった中で,彼は従来の選手とは全く異なる新時代のタイプの選手であるとも言えます.

一方,Hadi Choopanは,そもそも,212 lbsクラスの選手だったことから推察される通り,身長が高くない従来の典型的なタイプのボディビルダーであるものの,圧倒的なコンディションは他を寄せ付けません.

 

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Hadi Choopanは,ほぼ全てのコンテストにおいてピークを外さないことで有名であり,ミスターオリンピア 2024では,2023年に敗れたこともあり,非常に高いレベルの身体を披露していました.

以上の2選手を比較すると,従来までのジャッジの基準で考えるならば,恐らく,優勝したのはHadi Choopanである可能性が高いのですが,結果としてSamson Daudaが優勝したことを考えると,よりストラクチャーを重視したジャッジだったのかなと感じました

似たようなケースとして,ミスターオリンピア 2018ではSamson Daudaと身体のタイプが近いShawn RhodenがPhil Heathを破りましたが,当時のPhil Heathは明らかにコンディションを落としており,今回のコンディションが非常に高いレベルだったHadi Choopanとは状況が異なります

 

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「ミスターオリンピア」は時代の流れの影響を受けている?

世界的な流れとして,ボディビルディングのカテゴリの中ではクラシックフィジークが人気があるとされています.

そのクラシックフィジークですが,ジャッジにおいてサイズ,コンディショニングはもちろんですが,ストラクチャーが重視されます.つまり,世論的には,ボディビルディングにもストラクチャー重要性を支持する人が多くなっているということであり,これがオープンクラスボディビルディングにも反映されている可能性は全くないわけではないと思います.

従来,ボディビルディングは,ストラクチャー無視で圧倒的なサイズとコンディションで勝負するカテゴリではありましたが,時代の流れもあり,そのような基準というのは変化しつつあるのかもしれませんね.

終わりに…

ここ数年は非常に選手のレベルが拮抗しているミスターオリンピアですが,ここから誰が抜け出すかというのは非常に気になるところではあります.

ミスターオリンピア 2024では,直前での欠場を発表したNick Walkerなど,著名な選手も出場しなかったこともあり,2025年は以上の選手が揃った状態での戦いが見たいところではあります.

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