オリンピア 2021の直前に突如,この世を去ったGeorge Peterson (ジョージピターソン)について,その死因は高血圧性心疾患であると言われており,その根本的な原因はステロイドの摂取であると言われています.
一方で,高血圧は,体内の水分不足によって促進されることがわかっており,この問題について,往年の名選手の一人であるSamir Bannoutはコンテスト直前の水抜きを問題視しています.
今回は,Samir Bannoutが指摘する故ジョージピターソンの死因について皆さんとシェアしたいと思います.
Samir Bannoutとは
Samir Bannoutは,1955年レバノン出身のプロボディビルダーです.身長は,170 cm,体重は88.5 kg-93 kgだったと言われています.
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彼は主に80年代に活躍した選手です.
彼は,World Amateur Championships 1979, Light Heavyweightクラスで優勝することでプロカードを取得します.
プロ転向した翌年1980年からミスターオリンピアに出場し,ミスターオリンピアには1980年から1984年,1988年から1992年,1994年までの11回出場し (1984年と1988年の間にブランクがあるのは,他団体であるWABBAのコンテストに出場したための処分である様です.),ミスターオリンピア 1983年で優勝するなど素晴らしい成績を誇っています.
彼の体重を見ると分かりますが,1990年台の選手と比較すると著しく体重が軽いことがわかります.彼がミスターオリンピアを制した1983年において,彼の体重は196 lbs (=88.9 kg)であり,これがオリンピアで制した選手の中で体重が200 lbs (= 90.7 kg)以内だった最後の選手です (ここから,オリンピアは,Lee Haney (リーヘイニー),Dorian Yates (ドリアンイェーツ)とサイズ重視の時代に入っていきます.).
Samir Bannoutがジョージピターソンの水抜きについて指摘した動画
Samir Bannoutがジョージピターソンのコンテスト直前のコンディションについて指摘した動画は以下です.
動画の作成元は,Old School Labs™です.
今回の動画では,John Hansen,Nick Trigilim,Samir Bannoutによって主にコンテストでの仕上がりや見せ方に関する議論が行われており,その中で,Samir Bannoutがコンテストに出場する選手の水抜きについて意見を述べています.
Samir Bannoutが指摘するジョージピターソンの水抜き
Samir Bannoutが指摘するジョージピターソンの水抜きは以下です.
I saw pictures of him flying to the show, and I looked at his face and said, ‘oh my god.’ I felt something is wrong with him. George could be with us, he could have probably gone on to win the Mr. Olympia but I think his coach, I don’t know why he didn’t stay with him that night in his room and monitor what he’s doing.
Was it really necessary to go that limit? It really hurt me a lot. It broke my heart because I liked the guy. So, listen, can a little bit of water hurt you?
彼がショーで活躍している写真を見て,彼の顔を見て,”ああ,なんてことだ. “と言ったんです.何かがおかしいと感じました.ジョージピターソンは,亡くならずにオリンピアに勝つこともできたはずです.しかし,彼のコーチは,なぜその夜,彼の部屋にいて,彼が何をしているのか監視しなかったのでしょうと私は思います.
そこまでする必要があったのでしょうか.友人だったので心が痛みました.だから聞いてください.ちょっとの水が問題になることがあるでしょうか.
今回,Samir Bannoutがコーチが当時の夜一緒についていれば今回の様な問題が起こらなかったことをしてきしていますが,正直,これについては事後だから言えることであり,正直,コーチを責めることは非常に難しいと言えます.
水抜き,塩抜きに関しては様々な議論があるものの,ボディビルダーの間では仕上がりを良くするために非常に良く行われていることではあるものの,特にIFBBプロの様なステロイドを使うことで心疾患のリスクを高めている選手には特に危険な行為であり,だからこそ,Samir Bannoutは水抜きを問題視していると考えられます.
この過度な仕上がりについては,IFBBプロリーグも議論を進めており,結果によっては現在よりもコンディショニングを重視しないというようなジャッジに移行する可能性もなくはありません.しかし,その様な場合には,今度はサイズ重視になり,結局はPEDs (Performance enhancing drug)の摂取が進行するというジレンマを抱えそうですよね.
終わりに…
水抜きの危険性については,Ronnie Coleman (ロニーコールマン)も指摘しており,死にそうになるまで水抜きをする必要性がないということを述べています.
ただ,実際には,現在のジャッジは皮膚に水分がなりカラッとした状態を好むため,Samir Bannoutやロニーコールマンのような先人の意見が取り入れられるのは難しそうですよね.