オリンピア 2021の本当に直前に37歳の若さでこの世を去ったGeorge Peterson (ジョージピーターソン)の死因については,いくつか述べられていますが,検死を行うことで詳細な死因について判明した様です.
今回は,ジョージピーターソンの死因について皆さんとシェアしたいと思います.
ジョージピーターソンの死因について
今回明らかになったジョージピーターソンの死因については,Generation ironの公式サイトで監察医の証言として以下の様なことが述べられています.
“IN CONSIDERATION OF THE CIRCUMSTANCES SURROUNDING THE DEATH, AND AFTER EXAMINATION FO THE BODY AND TOXICOLOGY ANALYSIS, IT IS MY OPINION THAT THE DEATH OF GEORGE PETERSON, A 37-YEAR-OLD BLACK MALE, IS THE RESULT OF A SUDDEN CARDIAC DYSRHYTHMIA DUE TO HYPERTENSIVE CARDIOVASCULAR DISEASE. A CONTRIBUTORY FACTOR IS ANABOLIC STEROID USE (BOLDENONE AND STANOZOLOL). THE MANNER OF DEATH IS NATURAL.”
= 彼の亡くなった状況を考慮し遺体を調査し毒物検査を行った結果,ジョージ・ピーターソン (37歳 黒人男性)の死は高血圧性心疾患による突然の心不整脈であると私は考えています. 高血圧性心疾患は”高血圧の原因となり 同化ステロイド(ボルデノンとスタノゾロール)の 使用が原因です.死因は自然死と言えます.
以前の記事でお伝えした通り,RxMuscleのDave Palumboは,George Petersonの死因が動脈瘤であることを指摘していましたが,実際に検死を行なった結果としては心不整脈であるということが言えます.
ジョージピーターソンの死因はステロイドの服用にある
今回,ここには記載がありませんが,検死報告書には「ジョージピーターソンの心臓は500g肥大しており乳頭筋と腱膜が肥厚していた」という記述がある様です.これは,明らかにアナボリックステロイドの副作用であると判断することができます.
アナボリックステロイドは,皆さんもご存知の通り筋肉の同化作用 (=筋肉の合成)を促すステロイドになります.実際に,使用していく中で,ステロイドが直接的に身体に対して毒になることはありませんが,中・長期手には心血管系疾患を引き起こし,心臓発作や脳卒中のリスクを高めるということが指摘されています.だからこそ,ボディビルダーは,特に,現役引退後に身体に不調をきたす例が多く報告されています.
ステロイドなどの薬物投与が本格的になったのが1990年台に入ってからであり,当時はDorian Yatesをはじめとして多くの選手が巨大化し始めた頃になります.そこから,黄金期と呼ばれる1990年台後半から2000年代初頭を経て,ジャッジの傾向がサイズからコンディションに重視する方向に移行していきましたが,むしろ,摂取する薬物の量は1990年代よりも量が多くなっていることが示唆されています.
これに加えて,近年ではコンディションが良くないとそもそもも比較の対象にもならないため,かなりの食事制限を行って身体を仕上げていきます.つまり,大量に薬物を摂取し,身体の健康状態が悪化した中で食事制限を行うわけですから,それが健康に対して良いはずがありません.
実際に,2021年はジョージピーターソン以外にもAlena Hatvani-Kosinovaがコンテスト直前の体調不良によりこの世を去っており,以上の問題から,オリンピアの主催者であるJake Woodは近年のコンディション重視のジャッジについて疑問を呈しています.
ただ,コンディション重視じゃなかったらサイズ重視になり,結局は薬物の使用という根本的な問題はむしろ悪化しそうな感じがあるため,非常に難しい問題になります.
終わりに…
今回の検死の報告で明らかな通り,ジョージピーターソンの死因にはステロイドが大きく関わっているのは確実です.IFBBプロリーグは,ステロイドの使用を暗黙の了解で認めていますが,ここまでの悪影響が報告されているとなると,使用できる薬物にもレギュレーションを設ける必要が出てくるかもしれませんね.